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いつもみんなの人気者
(もしくは、くすり仕掛けの小さな猫耳・番外編)

作:かわねぎ



 宇宙基地Trans Space Nineプロムナード。惑星連合辺境の宇宙域とはいうものの、今日も行き交う旅人達で賑わっていたのだった。そしてその一角にディスプレイがあり、TS9の案内をはじめ、様々な情報を伝えていたのだった。

『第2回TS9キャラクター人気投票実施中』

 辺境のTS9が賑わう理由の一つに、このようなイベントが度々行われることがある。基地を訪問する人数が増えれば、その分ポートの使用料から果ては消費税に至るまで、基地としての『収入』が増えると言うこと。そうなれば予算配分時も他の基地に対して何かと有利になる。もっとも、イベントを承認する立場の基地司令官はそこまで考えているわけではなく、単にお祭り好きなだけなのだ。現にこの人気投票イベントのときにも……

「なんでボクがこの姿にならなくちゃいけないにゃ?」
「イベントを盛り上げるためです。盛り上げろと仰ったのは司令ですよね」
「確かにそうは言ったけど、それとこれとは話が……」
「別ではありません。現に始まったばかりの投票でも、司令の票が着実に増えているのですよ」
「司令というより『かわねこ』の票だにゃ」

 司令官室で何やら言い合っている二人の少女士官。れも副司令と、妖しい薬品で猫耳少女と化した『かわねこ』だ。イベントが盛り上がるのを是とする司令官に、任務に忠実なれも副司令が(多少の自分の嗜好も加えて)効果的な演出をしようと、多方面に働きかけたのである。その結果がこれ。司令の『かわねこ』化だった。

「投票期間中、その姿でラウンジにいるだけで盛り上がりますよ」
「確かにTS9に集まる人達の性格を考えるとそうだにゃぁ」
「その間の基地の指揮は私が全責任を負いますから、ずっと遊んでいることを許可します」
「許可って、ボクは君の上官だにゃ」
「ね、かわねこ少尉」
「うにゃ……」

 かわねこの反論もむなしく、れもが力強く言い切る。対するかわねこは力無く、猫耳も伏せ気味。この姿の時のかわねこの立場は、公式には「司令室付きの秘書官」、すなわちれもの直属の部下になるのである。故に、れもの思惑と一致しない反論は一切受け付けられないのであった(笑)。


  ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★


 勤務Aシフトが終わった頃のラウンジ。仕事を終えた職員達が三々五々集まってくる。仕事の疲れを癒す、至高の一時だ。そんな中、かわねこの姿もあった。年の頃合いの近い、頼香達3人娘と一緒に、ついでによく冷えたトロピカルミックスジュースもお供の楽しいお茶会だ。

「広報部もまた妙なことをはじめたよな」
「人気投票ですか。去年もやりましたね」
「これもTS9振興策の一つにゃ。司令官が頑張ってるからにゃぁ」
「なってみたい人、ってのが面白いね」

 壁掛けのディスプレイに時折映し出される、人気投票のPRを見ながら、口々に感想を言う頼香達。かわねこも自然にその輪の中に混じっているのだった。自分が仕掛けたことを、さも他人事のように話していく。

「今年はかわねこさんの票もあるので、去年とはまた違った傾向があるでしょうね」
「じゃあ頼香ちゃんに一票……これでよしっと」
「こらまて、来栖。あんまり目立つのはイヤだぞ」
「頼香ちゃんも人気あるからにゃぁ」
「お、得票速報が出たぞ。どれどれ……」
「な、なんでボクにゃ!」

 ディスプレイを眺める4人だったが、かわねこが思わず立ち上がって短く叫ぶ。そこには「第1位:かわねこ」とあり、2位を大きく引き離していたのであった。当然、少女の姿の自分も得票対象になるとは思っていたものの、まさか単独で首位に立つとは思ってもいなかった。

「ほぅ、かわねこが一番人気だな」
「やはり猫耳が有利に働いているようですね」
「やるぅ、かわねこちゃん」
「……はは、困ったにゃぁ……」

 照れた顔で猫耳をかくかわねこ。嬉しいのが半分、当惑が半分。なにせキャロラットの姿でTS9に現れたのは、ここ一月のこと。前々からTS9に出入りしている頼香達ほど得票数は上がるまいと思っていた。それに猫耳なら、みけね少尉もいるし……

「まあ、いずれにせよ人気があるって事はいい事だと思います」
「そうだよ。かわねこちゃんは来たばかりだけど、みんなが仲良くしたいって思ってるんだよ」
「あはは……そ、そうだにゃぁ……」
「お、また速報が更新されたぞ。なに、来栖が!」
「ええっ、私!?」

 新たにディスプレイに映し出された得票速報では、それまで下の方の順位だった来栖がなんと1位に上がっているのである。かわねことは僅差。二人とも3位以下を大きく引き離していた。

「急にこんなに私の票が増えるなんて、変だよ」
「そうだにゃ。おそらく組織票とかの類だにゃ」
「技術部では、特に連続投票の制限はかけないでくれ、って言われたんですよ」
「おいおい、それじゃ組織票とか工作とか何でもありじゃないか」
「組織票も人気のうち、って司令は言ってたにゃ。それにしてもこれはちょっと……」

 順位を見ながらお喋りを続ける頼香達だったが、来栖とかわねこはちょっと困ったような表情だった。人気投票が一位であれば嬉しいのだろうが、あからさまな組織票となると、そうは単純ではない。それは純粋に小学生の来栖でさえも、感じているようだった。

「ま、事が大きくならないうちに広報部や司令がなんとかするだろ」
「頼香ちゃんは楽観的だにゃ」
「私達が手を出せるわけでは無いですからね。楽観視するのは仕方ないですよ」
「投票してくれる人達、ケンカとかしなきゃいいけど……」
「来栖ちゃんは優しいにゃぁ」

 思わず来栖の頭をなでなでするかわねこ。意識的には自分の娘くらいの年齢といってもいいのだからそんな行為になるのだが、当の来栖は女の子同士のスキンシップ、という具合に取っているのだろう。

(おーし、来栖たんの票が上回ったぞ)
(負けるか。けも耳娘観測所、応援頼む)
(うおー、引き離せ〜)
(かわねこたん、マンセー)

 トレーを下膳口に持って行く途中、耳に入った職員や一般人の会話。それを聞くと、かわねこも心配になってくる。あまりデッドヒートしなければいいが。とかくTS9の住民は盛り上がりやすいだけ、それが心配だ。ふと来栖の表情を見てみると、やはり少々心配顔。来栖の耳にも入ったな、と思うかわねこだった。


  ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★


 翌日。TS9司令官室。司令官権限をれも副司令に委譲したとはいえ、司令官は『かわねこ』としてここにいるので、遊んでいていいと言われても、書類処理くらいは司令官の仕事をこなしていた。れもとしても、正直言ってその方が助かる。データの山と格闘すること数時間。やっと一息つくことができた。

「司令、いえ、かわねこ少尉宛にお届け物がありますよ」
「メッセージカードだにゃ。なになに、司令部付け、かわねこ少尉殿っと」

 かわねこはオレンジジュース片手に(かわねこモードではコーヒーは苦くて飲めない)届いたカードを読んでいく。データパッド経由のメールではなく、紙製のカードを送ってくるのは、今の時代では盗聴を避けるための密談か、愛の告白か位のものだった。そしてかわねこの読んでいるのは後者に限りなく近いものであったらしく、読み終わったと共に、大きなため息を一つつく。

「どうされました? デートのお誘いですか?」
「似たようなものにゃ。人気投票の支援集会をやるから来い、だとにゃ」
「行かれるんですか? 今日の分の仕事は大方片づきましたから、大丈夫ですよ」
「気が進まないけど、行かないと騒動になるかもしれないにゃぁ」

 ため息混じりに、司令室のモニターで集会場の予約画面を引き出す。

『第4集会室 15:00〜 けも耳娘観測所定期集会』
『第5集会室 15:00〜 投票促進集会』
『第6集会室 16:00〜 妖精さんの本だな懇談会』

「第4集会室かにゃ。それじゃ、行ってくるにゃ」
「気を付けてくださいね。今は少女の姿なんですから。知らない人に付いていってはだめですよ」
「あのにゃぁ、れも君……」

 などというやり取りもあったが、しばらく後にはここ、第4集会室の前に来たのであった。集会室は申請さえすれば、誰でも利用できる公共のスペースであった。入口の『けも耳娘観測所定期集会』という表示を確認するかわねこ。

「あれ? かわねこちゃんじゃない」
「にゃ? 来栖ちゃん?」

 集会室に入ろうとすると、隣の集会室に入ろうとしている少女から声をかけられる。来栖だ。どうやら『投票促進集会』に呼ばれているらしい。

「かわねこちゃんも集会に呼ばれたんだ」
「別の部屋みたいだにゃぁ。何の集会だか聞いているかにゃ?」
「私の応援がどうとかみたい。果穂ちゃんならこういうの慣れてると思うんだけど、私はちょっとね……」
「ちょっとだけ覗いてみるかにゃ」
「うん」

 そう言って、第4集会室の扉をそっと開けて中の様子を窺う来栖とかわねこ。どうやら集会は既に始まっているらしく、壇上で一人の男が高らかに演説している。

諸君、私はけも耳が好きだ。諸君、私はけも耳が好きだ。諸君、私はけも耳が大好きだ。猫耳が好きだ。きつね耳が好きだ。ハム耳が好きだ。イヌ耳が好きだ。ウサギ耳が好きだ。クマ耳が好きだ。タヌキ耳が好きだ。リス耳が好きだ。地球でテランでキャロラットでプレラットでリサールナルでキャニアスでラクティーアで有明で、この宇宙に存在するありとあらゆるけも耳娘が大好きだ……

 かわねこの背筋に冷たいものが走り、猫しっぽの毛が逆立つ。中に入っていけば、とうてい無事では済まない。そんな直感が、扉をぴしゃりと閉めさせる。心なしか震えた声で来栖に告げるかわねこ。

「……見なかったことにするにゃ」
「それがいいよね。それじゃぁ、こっちは……」

 今度は第5集会室の方を覗き見る二人。来栖を呼び出していることから、こちらは来栖支援の集会らしい。やはり壇上からの演説が漏れ聞こえる。

我が忠勇なる来栖たん支持者達よ。今やかわねこの得票の順位が我が来栖たんによって2位に落ちた。この順位こそ来栖たんの正義の証しである。決定的打撃を受けたけも耳観測所に如何ほどの戦力が残っていようとも、それは既に形骸である。敢えて言おう、カスであると! それら軟弱の集団が、一位の来栖たんを抜くことは出来ないと私は断言する……

 来栖も無言で扉を閉める。言いたいことは先程のかわねこと同じらしい。二人はうなづき合って、そっとその場から離れようとした。君子危うきに近寄らず。来栖はそんな言葉を国語の時間に習ったなぁ、と思いつつ、抜き足差し足で歩き出す。

「あ、かわねこたんだ!」
「あ、来栖たんだ!」

 その時、第4集会室と第5集会室のドアがガラリと開き、それぞれ支援している相手を見つけて叫び声を上げる。突然の事に驚く来栖とかわねこ。その一瞬の隙に、集会室の中から、先を争うように廊下へと出てくる支持者達。

「あ、来栖の奴もいるぞ!」
「あのメス猫がなんでここにいるんだ!」

 対立候補が二人揃っているせいか、歓迎ムードよりも敵対ムードの方が盛り上がってしまった。もとより人気投票が発端となって対立している2陣営。敵対心に火がつくのは簡単な事だろう。かわねこと来栖の二人に、飛びかからんばかりの支持者達。

「ど、どうしよう……」
「う〜ん、そうだ、こっちにゃ!」

 とっさにかわねこは来栖の手を引き、反対方向へ駆け出す。TS9の廊下は安全のために走ることは推奨されていないのだが、そんなことを言っている場合ではないだろう。緊急事態。来栖は知る由もないが、司令官のお墨付きだ。

「あ、逃げたぞ、追え〜」
「来栖たん、まって〜」

 当然逃げる二人を追いかける支持者達。かわねこと来栖はちらりと後ろをふり返り、慌てて走る速度を上げる。子供の身体故に瞬発力はあるものの、持久力があるかというとそうでもない。それ以前に走る速度が違うので、追いつかれてしまうのは時間の問題だろう。

「ぜぇぜぇ……いつまで逃げるの?」
「あと5分で投票期限が切れるにゃ。それまで凌げば……ちょっとごめんにゃ!」

 ちょうど第6集会室に集まろうとしていた人達がいたので、障害物代わりに、後ろに投げ飛ばす。だが、暴徒と化した支持者達の勢いは、その位では止まらない。あっという間にもみくちゃにされる第6集会室の人達。まあ、『本だな』作家属性の人達なので、この位は大丈夫だろう。

「司令部員より保安部。プロムナードとの通路で暴動発生。鎮圧の要ありにゃ」
「保安部員の人達が助けてくれるよね」
「早くするにゃ!」

 通信バッジに呼びかけるかわねこ。その声も必死だ。あわや追いつかれると言うところで、フェイザー銃を手にした保安部員2名がかわねこ達と暴徒の間に立ち塞がる。

「止まれ! 止まらんと撃つぞ!」
「「「「邪魔だ!」」」」
「うわぁぁぁぁ」

 保安部員2名だけでは勢いを止められず、もみくちゃにされてしまう。しかも暴徒化しているとはいえ、相手は民間人。フェイザーも威嚇目的なので、もともと役に立つとも思えなかった。

「役立たずにゃ……」
「そだね……」

 だが、貴重な時間を稼いでくれた。かわねこ達と暴徒の距離は再び開いたのである。貴い犠牲は忘れない。ありがとう、名もない保安部員、と来栖とかわねこは心に思ったのであった。だが、それもつかの間。目前にはラウンジの扉が迫ってきている。当然後ろには暴徒達。

「突っ込むにゃ!」
「え? ちょ、ちょっとかわねこちゃん!」

 ドアを突き破るがごとく、ラウンジに転がり込む二人。広くはない入口で群衆の勢いは削がれるだろうし、バリケードの代わりになるもの、投げるもの、ここならば攻防戦には事欠かない。それに今の時間帯ならば……

「ど、どうした、来栖、かわねこ!」
「頼香ちゃん、助けて!」
「オーラフェイザーで鎮圧するにゃ! 発砲を許可するにゃ!」
「え、あ、ああ」

 頼香と果穂が来栖が戻ってくるのを待っているはず。果たしてその通りであった。かわねこの剣幕に、驚いてオーラスティックを構える頼香。かわねこ『少尉』の発砲許可は本来意味のないものなのだが、その場の勢いで納得してしまう頼香。

「お前ら、か弱い女の子二人によってたかって!」

 頼香はそう叫ぶと、手元のグラスを放り投げ、オーラフェイザーで狙撃する。ガラスの砕ける音が響き渡ることで、威嚇射撃と同じ効果をもたらす。甲高い音が群衆の足を一瞬止める。静まりかえるラウンジ。果穂も、頼香の後ろでオーラスティックを構えて待機している。

「なるほどにゃ。これならグラスを撃っただけだから問題はないにゃ」

 かわねこのつぶやきは、ディスプレイからの放送によってかき消された。グラスの破砕音に続いて、それ以上に群衆を大人しくさせる効果があると言っていいだろう。

『投票はただいまをもちまして締め切りました』

 群衆の視線がディスプレイに集まる。得票順位のグラフが表示されると、歓声と罵声に包まれる。第1位かわねこ、第2位来栖。それ以下を大きく引き離しての得票だ。短時間のうちに、かわねこが来栖を引き離してさえいる。

「やったー、猫耳バンザーイ!」
「なにおぅ、こんなの無効だ!」
「かわねこたん、マンセー!」
「異議あり!」

 再び喧噪に包まれるラウンジ。再び混乱になるのは予想できることだ。頼香もどうしたものかとかわねこの方を振り向くと、通信バッチになにやら話しかけていた。

『司令、得票結果に対して、各所から抗議が集まっていますが……」
「そうだろうにゃ。仕方がないにゃ。シナリオ4の実行にゃ」
『それでは群衆を抑えられない恐れがあります。第一、司令の身の危険が……』
「心配ないにゃ。祭りを楽しむ側の心理は心得ているにゃ。いろんな意味で」

 通信を切ったかわねこは、2つのグループでのいざこざがついに始まったのを見た。もはや余裕はないようだ。混乱が拡大しないうちにと、慌てて手近のテーブルの上に土足で立ち上がる。そして、ラウンジ中に響き渡る声を振り絞って叫んだのだった。

「みんな、やめるにゃー!!」

 途端にあたりが静まる。つかみ合ったまま固まる者、椅子を振り上げたままの者、もみ合いを止めて、かわねこの方を注目している。

「TS9のみんなが殴り合うなんて、こんな事、誰も望んでないにゃ! こんなに無理に一位になっても嬉しくないにゃ! ボクは……ボクは……」

 だんだんと言葉が弱々しくなると共に、両目から大粒の涙がこぼれ落ちる。そのかわねこの表情を見て、一人、また一人、うなだれていく。誰もかわねこを悲しませようなどとは思っていないのだった。

「私も同じ気持ちだよ。みんなケンカするなんて……いやだよ……ぐすん……」

 いつしか来栖もかわねこの隣に来て、やはり涙ぐみながら言葉を紡ぎ出す。二人の涙に、かわねこ支持者、来栖支持者、どちらの陣営も、もはや意地の張り合いを続けようとは思わなかったのだった。

「ボク達、投票を辞退するにゃ」
「私も。かわねこちゃんと仲良くしてたいし、みんなとも仲良くしてたいし……」
「だから、みんなも仲良くするにゃ。二人からのお願いだにゃ」

 かくして、混乱は来栖とかわねこのお陰で治まったのであった。なんとか説得出来たことに、胸をなで下ろす来栖とかわねこ。緊張が過ぎ去ると、力が抜けたかのように椅子に座り込む。そして、見つめ合うと、どちらからともなく笑い出す。まだ涙も乾かないうちに、少女の明るい笑い声がラウンジに響くのであった。


  ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★


 翌日、司令室。かわねこの姿はまだ戻っていなかったので、今日もかわねこは事務処理だ。まあ、れもの本意としては、戻らなくても問題ないのだが。

「司令、フレイクス少尉から聞きましたけど、よくあんな無謀な説得をしましたね」
「いや、ちょっとにゃ……計算通りだったからにゃぁ。問題なかったにゃ」
「計算通りって、まさか、うそ泣きですか?」
「女の子の涙って、意外に効果的なんだにゃぁ。勉強になったにゃ」

 かわねこのセリフに、少々呆れ顔になるれも。いつの間に女の武器まで身につけるようになったのか、驚き半分だ。休憩がてら、モニターの放送画面を眺める二人。

『先日の投票で、1位と2位が辞退したため、3位が繰り上げ受賞となりました。1位は、食堂のおばちゃんです!』
『私が1位かい? 驚いたね。それじゃ記念に明日から全品2割引にするから、みんな来ておくれよ』

 モニターには、いつも見慣れた、食堂のおばちゃんがインタビューを受けていた。思わず、かわねことれもは顔を見合わす。

「これで……よかったんでしょうか……」
「さぁ、どうかにゃぁ……」


<おしまい>



<あとがき>

 第2回TS9キャラクター人気投票の結果を踏まえまして、かわねこを主人公に短編を書いてみました。2位の来栖ちゃんも負けずに出演です。今回の投票はこの2名が異常な票の伸びを示しました。連続投票は規制していなかったのですが、どうしたらここまで伸びるかと、驚き半分、呆れ半分だったり。まあ、組織票も人気のあらわれ、というスタンスでの投票規制無しでしたので、これも結果として受け入れます。そして、しっかりとネタにさせて頂きました♪
 それにしてはオチがオチでしたけど(爆)

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