バースデー割引で沖縄へ
宇宙暦 81082.2〜81084.9  (地球暦 2004/1/31〜2/1)


 鉄道全線完乗のタイトルを返上する原因になった、新線開業区間、沖縄都市モノレール。ここに乗車するには当然のごとく沖縄まで行かなくてはならないが、いかんせん沖縄は遠いし第一飛行機代が馬鹿にならない。ツアーのパンフレットでは安いのもあるが、4人1室など、私には縁のない条件での価格だ。安く行くためには、特割やバーゲンフェアで片道1万2千円。バースディ割引が使える時期になれば片道1万円で行ける。半年もの雌伏の時期を経て(大げさ)とうとう沖縄に行くことになった。


 ・平塚→横浜 JR東海道線 113系
 ・横浜→羽田空港 京浜急行 特急 600系
 ・東京(羽田)→沖縄(那覇) ANA 123便 B-747-400

 1月31日。34歳の誕生日。1泊2日の沖縄旅行が自分へのプレゼント。2ヶ月前のバースディ割引の発売日に、往復予約しておいた。航空会社はマイレージを貯める都合からANA。あまり行きは早起きせずに、あまり帰りは遅くならずに、良い時間帯のフライトを予約した。
 羽田8:55発のANA123便に乗るため空港へ。いつもの東海道線と京急線の乗り継ぎだ。時間に合わせるために家近くのバス停へ急いだのだが、バスに乗車後にノートパソコンのACアダプタを忘れたことに気が付いた。今から戻るのは無理だし、予備のバッテリーもあることから、上手くやりくりすれば何とかなるだろう。
 平塚駅のコンビニで朝食にするおにぎりを買って横浜へ。そこからは京急の羽田空港行き特急600系。前8両が青砥行き、後ろ4両が羽田空港行きだ。途中で分割する羽田空港行きの列車には初めて乗車する。途中の京急川崎で一度客扱いをしてから分割し、ホームの中程に移動してから改めて客扱いをする。閉塞が開くまでの時間があるからなのだろうが、なかなか面白いことをやっている。

 バースデイ割引の航空券は、ネット予約であっても誕生日確認のためにカウンターで受け取らなくてはならない。その為に航空券発売カウンターに並ぶのは面倒だが、仕方がない。カウンターで予約で使ったクレジットカードと誕生日確認のために免許証を提示して航空券を受け取る。帰りにまた並ぶのは面倒なので、ついでに明日の帰りの分の航空券も発券してもらう。帰りは明日チェックインしなくてはならないそうだ。
 乗る飛行機はANA123便、8:55発。20分ばかり時間が余るので、カードラウンジに行ってみる。羽田ではそんなに時間を余らせないので、ラウンジを使うのは初めてだ。ANA-JCB-GOLDカードと搭乗券を見せて入室する。セルフでジュースをもらい、日経新聞でも読みながら時間を潰そう。
 出発20分前になったところでラウンジを出て、セキュリティを抜けて搭乗口へと向かう。搭乗ゲートは一番端の方で、延々と動く歩道を乗り継いで行く。たどり着いたときには既に搭乗は始まっていたので、早速乗り込む。機種はB-747-400。ネット予約の際に指定していた窓際、進行方向右側の19K席だが、通路側の二人が既に席に着いていたので、すいませんと言いながら、無理矢理奥の席へと進む。この辺、飛行機の普通席のシートピッチが狭いのを実感するなぁ。
 羽田を定刻通りに離陸。何度乗っても離陸時の加速感は好きだ。窓からずっと景色を見ていたが、ある程度上昇すると雲に入ってしまった。後ろの席が空いているので移動しようかとも思ったが、隣の二人連れが移ってくれたので、3人分席が使えることになる。昨日ANAのサイトでシートマップを確認したところでは、隣が空いていたはず何だけど、当日埋まってしまったのかな。ま、上級会員じゃないからブロックされないのは仕方がないか。
 綺麗な富士山をデジカメで撮って、あとは寝ることにしよう。駿河湾を過ぎると、しばらくは海の上を飛ぶだけなので、景色もつまらなくなる。30分ほど眠った後は本を読んだり飲み物飲んだり。再び景色に注目するのは、奄美大島上空に来てからだ。機内誌に付いている日本地図を見ながら、何処がどの島か照らし合わせる。南の島って感じだね。
 途中でキャビンアテンダントが「かわねぎ様でしょうか?」と呼びかけてくる。何かと思ったら、今日が誕生日という事で、おめでとうございますのと言葉と共に粗品をいただく。ちなみに粗品はキャンディ詰め合わせと飛行機のビニール風船だった。どうしようかね、これ。
 いよいよ沖縄本島上空。本島南部に人口が集まっているのがよく分かる。島の南側を回るように、定刻に那覇空港に到着した。機内アナウンスによると気温が18℃。平塚を朝出るときに着てきたジャンパーはいらないだろうから、荷物に入れてしまおう。気温の変化で身体を崩さないようにとの注意も放送されていた。11:40着。
 ターミナルビルの中では沖縄な音楽が流れ、フロアには南国なガーデニングが施され、セキュリティエリアの出口には「めんそーれ沖縄」の看板が掲げてあり、否が応でも南国に来た事を知らされる。

 ・那覇空港→県庁前 沖縄都市モノレール 1000系

 さて、これからどうしようかと到着ロビーをうろちょろしてみる。観光案内で国際通りのパンフレットとバス路線のマップをもらって眺めてみる。お腹が空いたので、まずは市内で何か食べることにしよう。市内への移動は当然モノレール。モノレール乗り場へと移動することにした。
 今日はモノレールには乗って3回なので、一日券800円では足が出てしまう。手元に残るカードも欲しいので、1000円のプリペイドカードを購入した。ストアードフェアカードとして、改札に直接投入も可能だ。裏の印字を見ると、パスネット系のシステムだ。それにしても空港駅で客が多いと思われるのに、券売機は3台しかない。こんな物で足りるのかな?
 ホームに上がると、ちょうどモノレールが入線していた。2両編成でしかも丸っこいイメージなので、どことなく可愛らしい。車内が混んでいたのと、クロスシートの最前列部分に乗りたいので、1本見送ることにした。12分間隔で結構待つことになるが、急ぐ旅でもないので、まぁいいだろう。ホームドアが閉まり、トコトコとモノレールが出て行った。

 次のモノレールでは無事最前列、運転席直後の席を確保する。前に座りたい地元の子供もいたようだが、順番順番。こっちだって数万円かけて沖縄くんだりまで来ているんだから。そんな大人気ないことを考えながら、かぶりつく。側面が戸袋なのだが、戸袋窓がないので意外に開放感がなく、前方しか見えないのは残念だ。発車ベルも沖縄音階のメロディ。車内放送も同じようなメロディなので、徹底していると言えば徹底している。
 モノレールは空港の外側というか海上自衛隊の敷地の外側を通りながら市内へ向かう。見るような景色は普通の景色。後付けでモノレールと道路を造ったというのがなんとなく分かる。とりあえずは国際通りの端にあたる県庁前で降りることにする。
 県庁前の駅を降りると「パレットくもじ」なるビルと沖縄銀行のビルと県庁が目に入る。これを見る限り、本土の都市となんら変わるところはない。画一的な都市化にちょっと残念に思いつつも、国際通りへと足を向ける。
 片側一車線の、なんとなくごみごみした町並み。そして土産物屋の列。バスや自家用車がノロノロと走る様を見て、なんとなくアジアっぽい異国感。それにしても走っているバスのボロい事。「バス窓」車が来ても違和感が無い位だ。
 ぶらぶらと歩きたいところだが、お腹が空いた。マクドナルドだってドトールだってあるけど、沖縄に来てまでそんな所に入っても仕方がない。ソーキそばでも食べたいなと思い、沖縄料理を出す店を見つけたので入ってみる。店頭のメニューでは、そばとご飯物のセットがあるそうなので、それを頼んでみることにしよう。
 結局頼んだのはソーキそば(小)とゴーヤーちゃんぶるぅのセット。これにみみがーの和え物が付いてくる。ついでにビールだ。沖縄まで来たのでオリオンビールは必須だろう。料理が来るのを待つ間、改めてメニューを見てみる。メニューの表記だけでは何の料理だか分からない。ちゃんぶるぅ位は有名なので分かるけど、中身汁って? らふてーって? ヤマト人の為の解説が別刷りであったので、そちらを興味深く眺めてみた。う〜ん、日本語の文字で書いてあるけど、こりゃ外国語だね。
 ソーキそばもゴーヤーちゃんぶるぅもなかなか美味しかった。結構量があったので、ビールも含めてお腹一杯になってしまった。どこかに移動する前に、腹ごなしとしてその辺歩いてみることにしよう。

 食後は国際通りを歩いてみる。道路に面した土産物屋は、若いヤマト人観光客向けの店という感じで、あまり食指は動かない。外から眺めるだけにしよう。「海人(うみんちゅ)」というTシャツが何処にでも売っているが、これが沖縄の今のお土産なんだろうか。よく分からん。
 どこに行っても土産物屋と食い物屋がメインの様だ。明らかに本土大資本な三越とダイエーがあったが、そんなに規模が大きいわけでもない。むしろ面白そうなのは牧志の市場本通りだ。アーケードのせいで薄暗いのだが、なんとなく雑然としているのに惹かれて、予定を変更して市場の方へと歩いてみた。
 ここは土産物だけでなく、地元民への売り物も多い。「お兄ちゃん、どぉ?」という声に曖昧な笑みを返しながら、見て回る。お腹が空いていたなら、何か今食べるためのものを買っていくのだが、そんな状態でもない。それにお土産は明日でいいだろう。そのために冷やかしに終始してしまう。
 市場に進むに連れますます混沌としてきて、市場の入口は何処なんだよ、と突っ込みたくなるほど。ついでなので市場の中を見て回る事にする。
 豚の顔! 最初のお肉屋でいきなりこれを見れば驚くよ。ちらがーって言うのね。豚足「てびち」はもちろん、豚の胃袋に、内臓のブレンド……なるほど、これが「中身」ね。店の端には太い丸太を立ててあったのだが、何かなと思ったら、てびちをカットしてくれるらしい。思いっきりなたのような包丁を振り下ろして、骨ごと切断していた。う〜ん、豪快。土産物としては「らふてー」や「てびち」の煮込んだ物やみみがー等の調理済みの物がいいんだろうね。「ちらがー」を買っていったら家内がどんな反応をするかと思ったが、やめておいた。
 今度は魚屋。島だけあって魚も豊富だ。ぐるくん? 青い魚、いらぶちゃーが目を引く。食える……んだよな、これ。あばさー……ってハリセンボンね。皮を剥いだ状態がなんとなくグロテスク。生きている奴は水鉄砲攻撃を喰らわしてきたので、思わず驚いて飛び退く。見ているだけで面白いのだが、ここで魚を買って2階の食堂で調理して貰えるらしい(有料)。でも一人だからあまりコストパフォーマンスは良くないし、お腹が空いていないので今回は見送りだ。

 市場から先に進んでみる。路地は細くなり、地元民相手の店がほとんどになってくる。日本というよりアジアな雰囲気だね。道を進んでいくと、アーケードは終わって大通りに出た。まっすぐ戻るのも面白くないので、一本先の別の道を行くことにした。こちらは平和通り。やはりアーケードのある市場街だ。


 ・牧志→豊見城公園前 琉球バス

 あまり時間が遅くならないうちに観光しておかないと、施設が閉まってしまう。足がないのと1泊2日だけなので、那覇近辺しか回らないつもりだ。それを前提にネットで行きたい所をチェックしておいた。首里城近辺と海軍壕公園を見てみようかと決めていた。まずは海軍壕公園の方へ行く事にする。
 目指すバス停は豊見城公園前で、ここへは市内線1系統と市外線2系統が経由するらしい。いちばん近いバス停は牧志なのだが、国際通りでは市内線バスと市外線バスの乗り場が分離されている。そのため、一度市内線の方で時間をチェックし、次に市外線の方でチェックする事にした。市外線の方に丁度良く来そうなので、そちらでバスを待つことにした。行き先の地名なんてよく分からないので、系統番号の数字だけが頼りだ。
 やってきたバスは33系統糸満行で、これまたオンボロなバス。前乗り前降り。市外線なので整理券を取る。後で調べてみたのだが、昭和53年制のバスらしい。「730車」と呼ばれ、沖縄が右側交通から左側交通に移行した昭和53年7月30日から運用開始した車ということだ。ということは車齢26年! う〜ん、どうりでボロい訳だ。そんなのがゴロゴロ走っているのね。ついでに言うなら、客が少ないね。
 車内にはこの系統の各停留所を示したステッカーが貼ってある。これを参考にしていけば良いわけだ。系統毎に運用が決まっているのかもしれない。途中で運転士さんが「何処まで行くの?」と聞いてきた。いかにも不案内なヤマト人に見えたのだろう。「豊見城公園前」と答えたかったのだが、「豊見城」が読めない。「とみしろ」じゃない事だけは事前に知っていたのだが、読み方忘れた。まさか沖縄で「ほーみしろ」では無いだろうし、悩んだ挙げ句に「城址公園前まで」と無難な答えを返す。「今日休みだったよ」の声にどうしようかと一瞬思ったが、どうやら豊見城の公園の方が休みらしい。「海軍公園にも行きますから」と答える。なかなか親切な運転士さんである。
 ぼーっと車窓を眺めながら、ふと目に入った看板に反応してしまう。「←漫湖公園」 ああ、これがある意味有名な……当然ローマ字表記も「MANKO PARK……」な訳だが、最寄りのバス停の名前は違っていて一安心(何が)。ああ、文化が違うんだと、妙なところで納得してしまった。
 バスが豊見城公園前に着いて230円払う。降りるときに、運転士さんが「城址公園はこっち、海軍公園はあそこの信号から上に登るよ」と案内してくれる。その親切さにお礼をいってバスを降りる。ちなみに豊見城の読み方は「とみぐすく」が正解。城を「ぐすく」なんて、普通読めないって。

 海軍壕公園は、どうやら山の上にあるらしく、住宅地の坂道を登っていくことになる。途中で見かけた自動販売機に黄色い缶の「さんぴん茶」が並んでいるけど、はて、これはなんだろう(後で見たらジャスミンティなのね)。築10年経っていないような新しい民家でも、しっかり門柱にはシーサーが鎮座してあったり、細かいところが沖縄なんだなと感心してみたり。
 この一帯は太平洋戦争沖縄戦の最終決戦地。海軍の司令部跡であり、日本軍が壊滅した地である。素堀で洞窟を掘り司令部にしたという史跡が、海軍壕である。ひめゆりの塔や平和祈念公園ほどメジャーではないのか、あまり客は多くなかったが、その分ゆっくりと見ることが出来た。
 ひんやりとした壕の中、士官が手榴弾で自害した跡とか士官室だとか司令室だとか見てりながら、60年前にあったであろう事に思いを馳せる。イラク派兵が取りだたされている今、改めて戦争と平和について考えさせられたりもする午後の一時であった。
 見終わってから喉が渇いたので、自動販売機で飲み物を買う。先程のさんぴん茶を買おうかと思ったが、甘いのを飲みたかったので「シークヮーサー」のジュースを買う。よく分からないが、柑橘果実の絵が書いてあるところを見ると、柑橘系の飲み物なのだろう。ちょっと癖のある味だった。


 ・小禄前原郵便局前→松尾 琉球バス

 高台の海軍壕から出ると、入って来たのとは反対方向で、こちらが車で入るメインルートのようだった。とりあえず降りてみて片側2車線の広い通りに出たところ、どうやらバスルートではないらしい。もう一度高台へ戻るのもしゃくだし、地図を頼りにバスが走ってそうなところまで歩いてみる事にした。最悪モノレールの駅まで歩けばいいか。といっても結構距離があるのだが。
 片側1車線のバスが走ってそうな道路をしばらく歩いていると、少し離れたところを曲がっていくバスを発見。やっとバス通りだ。バス停を見つけてしまえばこっちの物。小禄前原郵便局前というバス停だ。路線図を見ると、どのバスも国際通りを経由するようだ。さっきバスが行ったばかりだが、10分もすれば次のバスが来るようなので、待つ事にする。
 今度のバスもボロい730車。市内線なので前乗り運賃前払いだ。この運ちゃん、車内放送を停留所に着く寸前に「次は××」と流すので、自分の降りるところを把握していないと通り過ぎてしまう事になってしまう。ま、国際通りに入ってしまえば自ずと速度も落ちるし、否が応でも分かるだろう。
 松尾というバス停で降りる事にする。後ろ降りだ。街歩きをしても良いが、疲れてきたので投宿したい。宿まで歩いて10分ほどなので、まずはチェックインだ。

 チェックインして、ベッドに身体を投げ出す。ネットで予約したのだが、週末は一泊4000円で、早い者勝ちでダブルのシングルユースが予約できる。2ヶ月前に予約したので、目出度くダブルルームだ。
 ついでに荷物からパソコンを取り出して、モジュラージャックに繋いでメールチェックする。実はAirHPhoneを家に忘れてきたので、ネット接続をするのにはモジュラージャックがあるのがありがたい。通信費も市内通話なので、そんなにかかる事はないだろう。
 夕食に国際通りまで出かけようとも思ったが、面倒くさいのとあまりお腹が空いていないので、近くのコンビニに酒とつまみを買いに行っただけ。オリオンビールを飲みながら、テレビを見ながら、チャットをしながら、のんびりと夜を過ごすことにした。


 ・県庁前→首里  沖縄都市モノレール 1000系

 翌朝7時半に起きて、テレビを見ながらチャットを1時間ほどする。毎週日曜の定例行事だ。その後で朝食のために1階まで降りる。バイキング形式での沖縄家庭料理とあったが、要はおかずと味噌汁らしき物がどんと用意されている訳だ。ちなみにメニューは豆腐の炒め物「とーふーちゃんぶるぅ」と豚肉細切り入りの味噌汁「いなむどぅち」となっている。バイキングなので、おなかが一杯になるまで食べて、後はチェックアウトだ。
 今日は首里城近辺を歩いてみる予定だ。モノレールで終点の首里まで行くと首里城とは離れているのだが、これに乗らないと沖縄まで来た意味がない。ホテルから近いモノレールの駅は県庁前と美栄橋なのだが、昨日は県庁前までしか乗っていないので、そこから乗ることにした。
 最前部の座席は埋まっていたが、その後ろからかぶりつき。おもろまちで空いたので、そこから終点まで最前部に座ってモノレールの旅を楽しむ。すでにある道路交通の支障にならない様に、だいぶ高いところに高価が作ってある。また、後付けで作ったモノレールだけに、駅前広場の整備が不十分なので、ほかの交通との接続はあまり考慮されていない印象を受けた。島内のバス会社4社の調整やらなにやらあるのだろうが、利用者の立場とはちょっと離れている様な印象を受けた。
 首里ではモノレールで「来てしまった」観光客を狙ってタクシーの呼び込みが。私はのんびりと歩いて町の雰囲気を味わいたいので、さっと断って歩いていく。順路的には県立博物館に寄ってから首里城というルートになる。

 まずは博物館の見学。チケットを券売機で購入する。コインロッカーを無料で使えるとの案内があったので、ありがたく使わせて貰う。100円入れて、空けると戻ってくるタイプだ。
 館内は沖縄の歴史や文化、民俗、工芸、生態系などの展示があったが、その中でも興味があったのが歴史と民俗と文化。琉球の歴史については本土ではほとんど習わないこともあり、じっくり見ていた。時間に縛られない一人旅故の自由な時間の使い方。ここで「城」を「ぐすく」と呼ぶ謎が分かった。地方領主によって15〜6世紀頃に建てられた城の事を「グスク」と呼んでおり、琉球語に同じ意味の漢字を充てたようである。この辺、アイヌ語に音を無理矢理充てた北海道と違うところだ。

 1時間半後、次は近くの首里城まで歩いていく。まずは2000円札で有名な朱礼門から入る。高校生位の団体が朱礼門バックに記念写真を撮っており、一緒に写るのが琉服のスタッフ。記念撮影用に衣装の貸し出しもあるようだった。
 城内に入ると、管理のおじさんが琉球王朝の役人服でちょっとびっくり。軽く挨拶を交わして本殿まで登っていく。日本の城とは思えないカーブを描いた城壁があるかと思えば、石組みは日本風だったり。異国情緒というにも、どこか日本風の所があったりで、中国文化と日本文化を微妙にミックスした雰囲気だ。


 ・首里城公園前→壷屋 琉球バス

 昼食は国際通りというか公設市場で食べようと思っていたので、国際通り方面へ移動する。最初はモノレールで牧志まで行こうかと思ったのだが、駅まで歩くのが面倒なのでバスで行くことにした。ゆいカードが余るが仕方がないだろう。
 パンフレットの地図に載っているバス停を探すが、見つからない。どうやら工事中で移動しているようだ。掲示があるのだが、剥がれかかっていてほとんど判別付かない。なんとかバス停を見つけたので、来たバスに飛び乗ってみる。今度は730車ではなく、もうちょっと車齢の若い車だ。
 17系統・開南経由。これは国際通りには行かない系統だった。全て国際通りを通ると思っていたので、迂闊だった。路線図を見ると、県庁まで乗れば国際通りの反対側へ出やすい。地図を見てみると、途中で降りて国際通りまで歩くという手もありそうだ。せっかく乗り間違えたことだし、壷屋で降りて陶器窯元の集まるやちむん通りを歩いてみるのもいいだろう。

 壷屋やちむん通り。ここも観光スポットであり、通りが石畳になっていたりもする。ゆっくり歩きながら陶器を眺めてみる。あまり興味はないのだが、雰囲気を味わっているわけだ。人も少なく、のんびりした時間が流れる。途中で猫がいたので追って裏道に入ってみたりして、お腹が空いているのに時間を無駄に使ってみる。猫も闖入者な自分を目で追うものの、睨みをきかすだけで動いたりはしない。猫は猫で自分の時間を守っているようだ。
 途中で壷屋焼物博物館という施設があったので、ちょっと入ってみる。工芸品にはあまり興味はないが、ついでなので見てみよう。陶器そのものの「芸術性」よりも、そのバックグラウンドにある当時の歴史や民俗、陶器を通した交易の方に興味が向く。戦前や復興期を支えた産業という側面からの見方をしてしまう。

 ここまで来て本当にお腹が空いた。牧志の公設市場に着いたときは既に2時過ぎ。土産物を買うのは後にして、まずは自分の腹を満たしたい。市場の2階が食堂なので、まずはそちらに足を向ける。食べたいものは、昨日から気になっている青いお魚「いらぶちゃー(アオブダイ)」だ。赤いぐるくんよりも目立つだけに、本当に気になる。一匹さばいてもらうのは一人では量が多いので、食堂のお姉ちゃんにそれを使った料理はあるのかと聞いてみると、刺身の盛り合わせに入っているとのこと。それでは、と注文し、一緒にオリオンビールも注文だ。
 出てきた刺身盛りを見ると、確かにブダイだけにタイのような刺身も並んでいる。皮の部分に青さがあるので、これが件のいらぶちゃーだろう。他にもぐるくんなど、本土では食べられないような魚の刺身だ。魚を買って料理して貰うよりはコストパフォーマンスは落ちるのだろうが、一人だから、こちらの方が良いだろう。
 腹もふくれたところで、ゆっくりと市場を見て回る。腹が減っているときは食材に目移りするのだが、今なら必要な物だけじっくりと買うことが出来る。結局家には「海ブドウ」と煮込んである「らふてー」を買っていくことにした。店のおばちゃん曰く、丼物にしても美味しいとのことだ。煮汁が染み込んだご飯は美味しいだろうね。
 後はアーケードを冷やかしながら国際通りへと出る。ある店では黒くてとぐろを巻いた乾物があったが、これがイラブウミヘビの乾物。ほほぅと思ったが、値段の高さにびっくり。後はお菓子屋であげドーナツのような「さーたーあんだぎー」を売っていたので、6個ほどバラで買ってみる。一応お土産だけど、小腹が空いたら飛行機の中で食べるのもいいかも。


 ・県庁前→那覇空港 沖縄都市モノレール 1000系
 ・沖縄(那覇)→東京(羽田) ANA 130便 B-777-300

 さて、後は飛行機の時間に合わせて帰るだけ。30分ほど余裕があるので、国際通り端、県庁前駅に程近いマクドナルドで休憩する。無線LANのホットスポットが使えるので、ちょいとメールチェックだ。コーヒー1杯分の会計をしてから、沖縄のマクドナルドではクレジットカードを使えることを思い出した。マイルがたまるほどの金額ではないのだが、すっかり忘れていたのは残念だった。
 時間を潰したらモノレールへ乗車して空港へ向かう。接続する飛行機の時間帯が良いのか、車内は結構混んでいた。空席をめざとく見つけて座れたが、まわりはに立ってるのは同じようなゼッケンと付けた連中。どうやら平和記念集会に出席した連中がそのまま乗ってきたらしい。後は帰るだけらしくちょっと騒がしいので、同じ便だったらイヤだなと思ったが、大阪便に乗るようなのでちょっと一安心。
 那覇空港で下車し、ついでに余ったプリペイドカードでモノレールの切符を記念に買う事にする。と思ったら、2台ある券売機のうちカードの使える1台が調整中。なんたる事と思いながらも、時間がないので現金で子供の最低区間の切符を購入する。地紋が特徴的だった。

 保安検査の所に着いたのが出発30分前。ちょっと免税店を覗いている間に搭乗が始まったのでゲートに向かう。しかし、なんで国内線なのに免税なんだろうねぇ。機内で飲むためのさんぴん茶を1本買って、エコノミー前方窓側の自席へと腰を下ろした。
 出航は16:30。帰りの便は行きより混んでおり、私の席の隣も埋まっていた。疲れていたので、歩き回る事もなく半分は寝ていたので、問題は無かったが。
 定刻よりも10分早く羽田に到着。機内預けの荷物もないので、さっさとゲートを抜ける。この後で約束があるので、早く着かれても困るんだけどなぁ、と思いながら、カードラウンジで時間を潰す事にするのであった。

 今回は初めての沖縄県・沖縄本島だった。鉄道がない限り離島に用はない、モノレールが出来たから行く、と思っていたのだが、行ってみると見るべき物が多く、実に楽しかった。今回の旅行で溜まったマイルで、再度夏に行くチャンスが出来るので、今度はさらに離島に行ってみる事にしよう。


シャトル発着所に戻る

京浜ベイエリア貨物線探検号

バースデー割引で沖縄へ
宇宙暦 81082.2〜81084.9  (地球暦 2004/1/31〜2/1)


 鉄道全線完乗のタイトルを返上する原因になった、新線開業区間、沖縄都市モノレール。ここに乗車するには当然のごとく沖縄まで行かなくてはならないが、いかんせん沖縄は遠いし第一飛行機代が馬鹿にならない。ツアーのパンフレットでは安いのもあるが、4人1室など、私には縁のない条件での価格だ。安く行くためには、特割やバーゲンフェアで片道1万2千円。バースディ割引が使える時期になれば片道1万円で行ける。半年もの雌伏の時期を経て(大げさ)とうとう沖縄に行くことになった。


 ・平塚→横浜 JR東海道線 113系
 ・横浜→羽田空港 京浜急行 特急 600系
 ・東京(羽田)→沖縄(那覇) ANA 123便 B-747-400

 1月31日。34歳の誕生日。1泊2日の沖縄旅行が自分へのプレゼント。2ヶ月前のバースディ割引の発売日に、往復予約しておいた。航空会社はマイレージを貯める都合からANA。あまり行きは早起きせずに、あまり帰りは遅くならずに、良い時間帯のフライトを予約した。
 羽田8:55発のANA123便に乗るため空港へ。いつもの東海道線と京急線の乗り継ぎだ。時間に合わせるために家近くのバス停へ急いだのだが、バスに乗車後にノートパソコンのACアダプタを忘れたことに気が付いた。今から戻るのは無理だし、予備のバッテリーもあることから、上手くやりくりすれば何とかなるだろう。
 平塚駅のコンビニで朝食にするおにぎりを買って横浜へ。そこからは京急の羽田空港行き特急600系。前8両が青砥行き、後ろ4両が羽田空港行きだ。途中で分割する羽田空港行きの列車には初めて乗車する。途中の京急川崎で一度客扱いをしてから分割し、ホームの中程に移動してから改めて客扱いをする。閉塞が開くまでの時間があるからなのだろうが、なかなか面白いことをやっている。

 バースデイ割引の航空券は、ネット予約であっても誕生日確認のためにカウンターで受け取らなくてはならない。その為に航空券発売カウンターに並ぶのは面倒だが、仕方がない。カウンターで予約で使ったクレジットカードと誕生日確認のために免許証を提示して航空券を受け取る。帰りにまた並ぶのは面倒なので、ついでに明日の帰りの分の航空券も発券してもらう。帰りは明日チェックインしなくてはならないそうだ。
 乗る飛行機はANA123便、8:55発。20分ばかり時間が余るので、カードラウンジに行ってみる。羽田ではそんなに時間を余らせないので、ラウンジを使うのは初めてだ。ANA-JCB-GOLDカードと搭乗券を見せて入室する。セルフでジュースをもらい、日経新聞でも読みながら時間を潰そう。
 出発20分前になったところでラウンジを出て、セキュリティを抜けて搭乗口へと向かう。搭乗ゲートは一番端の方で、延々と動く歩道を乗り継いで行く。たどり着いたときには既に搭乗は始まっていたので、早速乗り込む。機種はB-747-400。ネット予約の際に指定していた窓際、進行方向右側の19K席だが、通路側の二人が既に席に着いていたので、すいませんと言いながら、無理矢理奥の席へと進む。この辺、飛行機の普通席のシートピッチが狭いのを実感するなぁ。
 羽田を定刻通りに離陸。何度乗っても離陸時の加速感は好きだ。窓からずっと景色を見ていたが、ある程度上昇すると雲に入ってしまった。後ろの席が空いているので移動しようかとも思ったが、隣の二人連れが移ってくれたので、3人分席が使えることになる。昨日ANAのサイトでシートマップを確認したところでは、隣が空いていたはず何だけど、当日埋まってしまったのかな。ま、上級会員じゃないからブロックされないのは仕方がないか。
 綺麗な富士山をデジカメで撮って、あとは寝ることにしよう。駿河湾を過ぎると、しばらくは海の上を飛ぶだけなので、景色もつまらなくなる。30分ほど眠った後は本を読んだり飲み物飲んだり。再び景色に注目するのは、奄美大島上空に来てからだ。機内誌に付いている日本地図を見ながら、何処がどの島か照らし合わせる。南の島って感じだね。
 途中でキャビンアテンダントが「かわねぎ様でしょうか?」と呼びかけてくる。何かと思ったら、今日が誕生日という事で、おめでとうございますのと言葉と共に粗品をいただく。ちなみに粗品はキャンディ詰め合わせと飛行機のビニール風船だった。どうしようかね、これ。
 いよいよ沖縄本島上空。本島南部に人口が集まっているのがよく分かる。島の南側を回るように、定刻に那覇空港に到着した。機内アナウンスによると気温が18℃。平塚を朝出るときに着てきたジャンパーはいらないだろうから、荷物に入れてしまおう。気温の変化で身体を崩さないようにとの注意も放送されていた。11:40着。
 ターミナルビルの中では沖縄な音楽が流れ、フロアには南国なガーデニングが施され、セキュリティエリアの出口には「めんそーれ沖縄」の看板が掲げてあり、否が応でも南国に来た事を知らされる。

 ・那覇空港→県庁前 沖縄都市モノレール 1000系

 さて、これからどうしようかと到着ロビーをうろちょろしてみる。観光案内で国際通りのパンフレットとバス路線のマップをもらって眺めてみる。お腹が空いたので、まずは市内で何か食べることにしよう。市内への移動は当然モノレール。モノレール乗り場へと移動することにした。
 今日はモノレールには乗って3回なので、一日券800円では足が出てしまう。手元に残るカードも欲しいので、1000円のプリペイドカードを購入した。ストアードフェアカードとして、改札に直接投入も可能だ。裏の印字を見ると、パスネット系のシステムだ。それにしても空港駅で客が多いと思われるのに、券売機は3台しかない。こんな物で足りるのかな?
 ホームに上がると、ちょうどモノレールが入線していた。2両編成でしかも丸っこいイメージなので、どことなく可愛らしい。車内が混んでいたのと、クロスシートの最前列部分に乗りたいので、1本見送ることにした。12分間隔で結構待つことになるが、急ぐ旅でもないので、まぁいいだろう。ホームドアが閉まり、トコトコとモノレールが出て行った。

 次のモノレールでは無事最前列、運転席直後の席を確保する。前に座りたい地元の子供もいたようだが、順番順番。こっちだって数万円かけて沖縄くんだりまで来ているんだから。そんな大人気ないことを考えながら、かぶりつく。側面が戸袋なのだが、戸袋窓がないので意外に開放感がなく、前方しか見えないのは残念だ。発車ベルも沖縄音階のメロディ。車内放送も同じようなメロディなので、徹底していると言えば徹底している。
 モノレールは空港の外側というか海上自衛隊の敷地の外側を通りながら市内へ向かう。見るような景色は普通の景色。後付けでモノレールと道路を造ったというのがなんとなく分かる。とりあえずは国際通りの端にあたる県庁前で降りることにする。
 県庁前の駅を降りると「パレットくもじ」なるビルと沖縄銀行のビルと県庁が目に入る。これを見る限り、本土の都市となんら変わるところはない。画一的な都市化にちょっと残念に思いつつも、国際通りへと足を向ける。
 片側一車線の、なんとなくごみごみした町並み。そして土産物屋の列。バスや自家用車がノロノロと走る様を見て、なんとなくアジアっぽい異国感。それにしても走っているバスのボロい事。「バス窓」車が来ても違和感が無い位だ。
 ぶらぶらと歩きたいところだが、お腹が空いた。マクドナルドだってドトールだってあるけど、沖縄に来てまでそんな所に入っても仕方がない。ソーキそばでも食べたいなと思い、沖縄料理を出す店を見つけたので入ってみる。店頭のメニューでは、そばとご飯物のセットがあるそうなので、それを頼んでみることにしよう。
 結局頼んだのはソーキそば(小)とゴーヤーちゃんぶるぅのセット。これにみみがーの和え物が付いてくる。ついでにビールだ。沖縄まで来たのでオリオンビールは必須だろう。料理が来るのを待つ間、改めてメニューを見てみる。メニューの表記だけでは何の料理だか分からない。ちゃんぶるぅ位は有名なので分かるけど、中身汁って? らふてーって? ヤマト人の為の解説が別刷りであったので、そちらを興味深く眺めてみた。う〜ん、日本語の文字で書いてあるけど、こりゃ外国語だね。
 ソーキそばもゴーヤーちゃんぶるぅもなかなか美味しかった。結構量があったので、ビールも含めてお腹一杯になってしまった。どこかに移動する前に、腹ごなしとしてその辺歩いてみることにしよう。

 食後は国際通りを歩いてみる。道路に面した土産物屋は、若いヤマト人観光客向けの店という感じで、あまり食指は動かない。外から眺めるだけにしよう。「海人(うみんちゅ)」というTシャツが何処にでも売っているが、これが沖縄の今のお土産なんだろうか。よく分からん。
 どこに行っても土産物屋と食い物屋がメインの様だ。明らかに本土大資本な三越とダイエーがあったが、そんなに規模が大きいわけでもない。むしろ面白そうなのは牧志の市場本通りだ。アーケードのせいで薄暗いのだが、なんとなく雑然としているのに惹かれて、予定を変更して市場の方へと歩いてみた。
 ここは土産物だけでなく、地元民への売り物も多い。「お兄ちゃん、どぉ?」という声に曖昧な笑みを返しながら、見て回る。お腹が空いていたなら、何か今食べるためのものを買っていくのだが、そんな状態でもない。それにお土産は明日でいいだろう。そのために冷やかしに終始してしまう。
 市場に進むに連れますます混沌としてきて、市場の入口は何処なんだよ、と突っ込みたくなるほど。ついでなので市場の中を見て回る事にする。
 豚の顔! 最初のお肉屋でいきなりこれを見れば驚くよ。ちらがーって言うのね。豚足「てびち」はもちろん、豚の胃袋に、内臓のブレンド……なるほど、これが「中身」ね。店の端には太い丸太を立ててあったのだが、何かなと思ったら、てびちをカットしてくれるらしい。思いっきりなたのような包丁を振り下ろして、骨ごと切断していた。う〜ん、豪快。土産物としては「らふてー」や「てびち」の煮込んだ物やみみがー等の調理済みの物がいいんだろうね。「ちらがー」を買っていったら家内がどんな反応をするかと思ったが、やめておいた。
 今度は魚屋。島だけあって魚も豊富だ。ぐるくん? 青い魚、いらぶちゃーが目を引く。食える……んだよな、これ。あばさー……ってハリセンボンね。皮を剥いだ状態がなんとなくグロテスク。生きている奴は水鉄砲攻撃を喰らわしてきたので、思わず驚いて飛び退く。見ているだけで面白いのだが、ここで魚を買って2階の食堂で調理して貰えるらしい(有料)。でも一人だからあまりコストパフォーマンスは良くないし、お腹が空いていないので今回は見送りだ。

 市場から先に進んでみる。路地は細くなり、地元民相手の店がほとんどになってくる。日本というよりアジアな雰囲気だね。道を進んでいくと、アーケードは終わって大通りに出た。まっすぐ戻るのも面白くないので、一本先の別の道を行くことにした。こちらは平和通り。やはりアーケードのある市場街だ。


 ・牧志→豊見城公園前 琉球バス

 あまり時間が遅くならないうちに観光しておかないと、施設が閉まってしまう。足がないのと1泊2日だけなので、那覇近辺しか回らないつもりだ。それを前提にネットで行きたい所をチェックしておいた。首里城近辺と海軍壕公園を見てみようかと決めていた。まずは海軍壕公園の方へ行く事にする。
 目指すバス停は豊見城公園前で、ここへは市内線1系統と市外線2系統が経由するらしい。いちばん近いバス停は牧志なのだが、国際通りでは市内線バスと市外線バスの乗り場が分離されている。そのため、一度市内線の方で時間をチェックし、次に市外線の方でチェックする事にした。市外線の方に丁度良く来そうなので、そちらでバスを待つことにした。行き先の地名なんてよく分からないので、系統番号の数字だけが頼りだ。
 やってきたバスは33系統糸満行で、これまたオンボロなバス。前乗り前降り。市外線なので整理券を取る。後で調べてみたのだが、昭和53年制のバスらしい。「730車」と呼ばれ、沖縄が右側交通から左側交通に移行した昭和53年7月30日から運用開始した車ということだ。ということは車齢26年! う〜ん、どうりでボロい訳だ。そんなのがゴロゴロ走っているのね。ついでに言うなら、客が少ないね。
 車内にはこの系統の各停留所を示したステッカーが貼ってある。これを参考にしていけば良いわけだ。系統毎に運用が決まっているのかもしれない。途中で運転士さんが「何処まで行くの?」と聞いてきた。いかにも不案内なヤマト人に見えたのだろう。「豊見城公園前」と答えたかったのだが、「豊見城」が読めない。「とみしろ」じゃない事だけは事前に知っていたのだが、読み方忘れた。まさか沖縄で「ほーみしろ」では無いだろうし、悩んだ挙げ句に「城址公園前まで」と無難な答えを返す。「今日休みだったよ」の声にどうしようかと一瞬思ったが、どうやら豊見城の公園の方が休みらしい。「海軍公園にも行きますから」と答える。なかなか親切な運転士さんである。
 ぼーっと車窓を眺めながら、ふと目に入った看板に反応してしまう。「←漫湖公園」 ああ、これがある意味有名な……当然ローマ字表記も「MANKO PARK……」な訳だが、最寄りのバス停の名前は違っていて一安心(何が)。ああ、文化が違うんだと、妙なところで納得してしまった。
 バスが豊見城公園前に着いて230円払う。降りるときに、運転士さんが「城址公園はこっち、海軍公園はあそこの信号から上に登るよ」と案内してくれる。その親切さにお礼をいってバスを降りる。ちなみに豊見城の読み方は「とみぐすく」が正解。城を「ぐすく」なんて、普通読めないって。

 海軍壕公園は、どうやら山の上にあるらしく、住宅地の坂道を登っていくことになる。途中で見かけた自動販売機に黄色い缶の「さんぴん茶」が並んでいるけど、はて、これはなんだろう(後で見たらジャスミンティなのね)。築10年経っていないような新しい民家でも、しっかり門柱にはシーサーが鎮座してあったり、細かいところが沖縄なんだなと感心してみたり。
 この一帯は太平洋戦争沖縄戦の最終決戦地。海軍の司令部跡であり、日本軍が壊滅した地である。素堀で洞窟を掘り司令部にしたという史跡が、海軍壕である。ひめゆりの塔や平和祈念公園ほどメジャーではないのか、あまり客は多くなかったが、その分ゆっくりと見ることが出来た。
 ひんやりとした壕の中、士官が手榴弾で自害した跡とか士官室だとか司令室だとか見てりながら、60年前にあったであろう事に思いを馳せる。イラク派兵が取りだたされている今、改めて戦争と平和について考えさせられたりもする午後の一時であった。
 見終わってから喉が渇いたので、自動販売機で飲み物を買う。先程のさんぴん茶を買おうかと思ったが、甘いのを飲みたかったので「シークヮーサー」のジュースを買う。よく分からないが、柑橘果実の絵が書いてあるところを見ると、柑橘系の飲み物なのだろう。ちょっと癖のある味だった。


 ・小禄前原郵便局前→松尾 琉球バス

 高台の海軍壕から出ると、入って来たのとは反対方向で、こちらが車で入るメインルートのようだった。とりあえず降りてみて片側2車線の広い通りに出たところ、どうやらバスルートではないらしい。もう一度高台へ戻るのもしゃくだし、地図を頼りにバスが走ってそうなところまで歩いてみる事にした。最悪モノレールの駅まで歩けばいいか。といっても結構距離があるのだが。
 片側1車線のバスが走ってそうな道路をしばらく歩いていると、少し離れたところを曲がっていくバスを発見。やっとバス通りだ。バス停を見つけてしまえばこっちの物。小禄前原郵便局前というバス停だ。路線図を見ると、どのバスも国際通りを経由するようだ。さっきバスが行ったばかりだが、10分もすれば次のバスが来るようなので、待つ事にする。
 今度のバスもボロい730車。市内線なので前乗り運賃前払いだ。この運ちゃん、車内放送を停留所に着く寸前に「次は××」と流すので、自分の降りるところを把握していないと通り過ぎてしまう事になってしまう。ま、国際通りに入ってしまえば自ずと速度も落ちるし、否が応でも分かるだろう。
 松尾というバス停で降りる事にする。後ろ降りだ。街歩きをしても良いが、疲れてきたので投宿したい。宿まで歩いて10分ほどなので、まずはチェックインだ。

 チェックインして、ベッドに身体を投げ出す。ネットで予約したのだが、週末は一泊4000円で、早い者勝ちでダブルのシングルユースが予約できる。2ヶ月前に予約したので、目出度くダブルルームだ。
 ついでに荷物からパソコンを取り出して、モジュラージャックに繋いでメールチェックする。実はAirHPhoneを家に忘れてきたので、ネット接続をするのにはモジュラージャックがあるのがありがたい。通信費も市内通話なので、そんなにかかる事はないだろう。
 夕食に国際通りまで出かけようとも思ったが、面倒くさいのとあまりお腹が空いていないので、近くのコンビニに酒とつまみを買いに行っただけ。オリオンビールを飲みながら、テレビを見ながら、チャットをしながら、のんびりと夜を過ごすことにした。


 ・県庁前→首里  沖縄都市モノレール 1000系

 翌朝7時半に起きて、テレビを見ながらチャットを1時間ほどする。毎週日曜の定例行事だ。その後で朝食のために1階まで降りる。バイキング形式での沖縄家庭料理とあったが、要はおかずと味噌汁らしき物がどんと用意されている訳だ。ちなみにメニューは豆腐の炒め物「とーふーちゃんぶるぅ」と豚肉細切り入りの味噌汁「いなむどぅち」となっている。バイキングなので、おなかが一杯になるまで食べて、後はチェックアウトだ。
 今日は首里城近辺を歩いてみる予定だ。モノレールで終点の首里まで行くと首里城とは離れているのだが、これに乗らないと沖縄まで来た意味がない。ホテルから近いモノレールの駅は県庁前と美栄橋なのだが、昨日は県庁前までしか乗っていないので、そこから乗ることにした。
 最前部の座席は埋まっていたが、その後ろからかぶりつき。おもろまちで空いたので、そこから終点まで最前部に座ってモノレールの旅を楽しむ。すでにある道路交通の支障にならない様に、だいぶ高いところに高価が作ってある。また、後付けで作ったモノレールだけに、駅前広場の整備が不十分なので、ほかの交通との接続はあまり考慮されていない印象を受けた。島内のバス会社4社の調整やらなにやらあるのだろうが、利用者の立場とはちょっと離れている様な印象を受けた。
 首里ではモノレールで「来てしまった」観光客を狙ってタクシーの呼び込みが。私はのんびりと歩いて町の雰囲気を味わいたいので、さっと断って歩いていく。順路的には県立博物館に寄ってから首里城というルートになる。

 まずは博物館の見学。チケットを券売機で購入する。コインロッカーを無料で使えるとの案内があったので、ありがたく使わせて貰う。100円入れて、空けると戻ってくるタイプだ。
 館内は沖縄の歴史や文化、民俗、工芸、生態系などの展示があったが、その中でも興味があったのが歴史と民俗と文化。琉球の歴史については本土ではほとんど習わないこともあり、じっくり見ていた。時間に縛られない一人旅故の自由な時間の使い方。ここで「城」を「ぐすく」と呼ぶ謎が分かった。地方領主によって15〜6世紀頃に建てられた城の事を「グスク」と呼んでおり、琉球語に同じ意味の漢字を充てたようである。この辺、アイヌ語に音を無理矢理充てた北海道と違うところだ。

 1時間半後、次は近くの首里城まで歩いていく。まずは2000円札で有名な朱礼門から入る。高校生位の団体が朱礼門バックに記念写真を撮っており、一緒に写るのが琉服のスタッフ。記念撮影用に衣装の貸し出しもあるようだった。
 城内に入ると、管理のおじさんが琉球王朝の役人服でちょっとびっくり。軽く挨拶を交わして本殿まで登っていく。日本の城とは思えないカーブを描いた城壁があるかと思えば、石組みは日本風だったり。異国情緒というにも、どこか日本風の所があったりで、中国文化と日本文化を微妙にミックスした雰囲気だ。


 ・首里城公園前→壷屋 琉球バス

 昼食は国際通りというか公設市場で食べようと思っていたので、国際通り方面へ移動する。最初はモノレールで牧志まで行こうかと思ったのだが、駅まで歩くのが面倒なのでバスで行くことにした。ゆいカードが余るが仕方がないだろう。
 パンフレットの地図に載っているバス停を探すが、見つからない。どうやら工事中で移動しているようだ。掲示があるのだが、剥がれかかっていてほとんど判別付かない。なんとかバス停を見つけたので、来たバスに飛び乗ってみる。今度は730車ではなく、もうちょっと車齢の若い車だ。
 17系統・開南経由。これは国際通りには行かない系統だった。全て国際通りを通ると思っていたので、迂闊だった。路線図を見ると、県庁まで乗れば国際通りの反対側へ出やすい。地図を見てみると、途中で降りて国際通りまで歩くという手もありそうだ。せっかく乗り間違えたことだし、壷屋で降りて陶器窯元の集まるやちむん通りを歩いてみるのもいいだろう。

 壷屋やちむん通り。ここも観光スポットであり、通りが石畳になっていたりもする。ゆっくり歩きながら陶器を眺めてみる。あまり興味はないのだが、雰囲気を味わっているわけだ。人も少なく、のんびりした時間が流れる。途中で猫がいたので追って裏道に入ってみたりして、お腹が空いているのに時間を無駄に使ってみる。猫も闖入者な自分を目で追うものの、睨みをきかすだけで動いたりはしない。猫は猫で自分の時間を守っているようだ。
 途中で壷屋焼物博物館という施設があったので、ちょっと入ってみる。工芸品にはあまり興味はないが、ついでなので見てみよう。陶器そのものの「芸術性」よりも、そのバックグラウンドにある当時の歴史や民俗、陶器を通した交易の方に興味が向く。戦前や復興期を支えた産業という側面からの見方をしてしまう。

 ここまで来て本当にお腹が空いた。牧志の公設市場に着いたときは既に2時過ぎ。土産物を買うのは後にして、まずは自分の腹を満たしたい。市場の2階が食堂なので、まずはそちらに足を向ける。食べたいものは、昨日から気になっている青いお魚「いらぶちゃー(アオブダイ)」だ。赤いぐるくんよりも目立つだけに、本当に気になる。一匹さばいてもらうのは一人では量が多いので、食堂のお姉ちゃんにそれを使った料理はあるのかと聞いてみると、刺身の盛り合わせに入っているとのこと。それでは、と注文し、一緒にオリオンビールも注文だ。
 出てきた刺身盛りを見ると、確かにブダイだけにタイのような刺身も並んでいる。皮の部分に青さがあるので、これが件のいらぶちゃーだろう。他にもぐるくんなど、本土では食べられないような魚の刺身だ。魚を買って料理して貰うよりはコストパフォーマンスは落ちるのだろうが、一人だから、こちらの方が良いだろう。
 腹もふくれたところで、ゆっくりと市場を見て回る。腹が減っているときは食材に目移りするのだが、今なら必要な物だけじっくりと買うことが出来る。結局家には「海ブドウ」と煮込んである「らふてー」を買っていくことにした。店のおばちゃん曰く、丼物にしても美味しいとのことだ。煮汁が染み込んだご飯は美味しいだろうね。
 後はアーケードを冷やかしながら国際通りへと出る。ある店では黒くてとぐろを巻いた乾物があったが、これがイラブウミヘビの乾物。ほほぅと思ったが、値段の高さにびっくり。後はお菓子屋であげドーナツのような「さーたーあんだぎー」を売っていたので、6個ほどバラで買ってみる。一応お土産だけど、小腹が空いたら飛行機の中で食べるのもいいかも。


 ・県庁前→那覇空港 沖縄都市モノレール 1000系
 ・沖縄(那覇)→東京(羽田) ANA 130便 B-777-300

 さて、後は飛行機の時間に合わせて帰るだけ。30分ほど余裕があるので、国際通り端、県庁前駅に程近いマクドナルドで休憩する。無線LANのホットスポットが使えるので、ちょいとメールチェックだ。コーヒー1杯分の会計をしてから、沖縄のマクドナルドではクレジットカードを使えることを思い出した。マイルがたまるほどの金額ではないのだが、すっかり忘れていたのは残念だった。
 時間を潰したらモノレールへ乗車して空港へ向かう。接続する飛行機の時間帯が良いのか、車内は結構混んでいた。空席をめざとく見つけて座れたが、まわりはに立ってるのは同じようなゼッケンと付けた連中。どうやら平和記念集会に出席した連中がそのまま乗ってきたらしい。後は帰るだけらしくちょっと騒がしいので、同じ便だったらイヤだなと思ったが、大阪便に乗るようなのでちょっと一安心。
 那覇空港で下車し、ついでに余ったプリペイドカードでモノレールの切符を記念に買う事にする。と思ったら、2台ある券売機のうちカードの使える1台が調整中。なんたる事と思いながらも、時間がないので現金で子供の最低区間の切符を購入する。地紋が特徴的だった。

 保安検査の所に着いたのが出発30分前。ちょっと免税店を覗いている間に搭乗が始まったのでゲートに向かう。しかし、なんで国内線なのに免税なんだろうねぇ。機内で飲むためのさんぴん茶を1本買って、エコノミー前方窓側の自席へと腰を下ろした。
 出航は16:30。帰りの便は行きより混んでおり、私の席の隣も埋まっていた。疲れていたので、歩き回る事もなく半分は寝ていたので、問題は無かったが。
 定刻よりも10分早く羽田に到着。機内預けの荷物もないので、さっさとゲートを抜ける。この後で約束があるので、早く着かれても困るんだけどなぁ、と思いながら、カードラウンジで時間を潰す事にするのであった。

 今回は初めての沖縄県・沖縄本島だった。鉄道がない限り離島に用はない、モノレールが出来たから行く、と思っていたのだが、行ってみると見るべき物が多く、実に楽しかった。今回の旅行で溜まったマイルで、再度夏に行くチャンスが出来るので、今度はさらに離島に行ってみる事にしよう。


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