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新性紀エヴァンゲンドウ

 

プロローグ

【妻来襲!】


 

「とうさん、・・・・・・・・・
母さんはエヴァの中に居たんだね・・・・・・・」

 第三使徒との戦闘の後、意識不明状態から回復したシンジが、父ゲンドウと二人きりの時を選んで言った言葉が、全ての始まりであった。

「母さんが、とうさんにも一度来て欲しいって言ってた・・・」
「そうか、解った。」

 ゲンドウは愛する妻との再会に胸躍らせていた。
 それが自分にどのような運命をもたらすかも知らずに。・・・・・・
 
 


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 深夜の格納デッキ。
 そこに居るのはゲンドウとリツコのみである。
 
「シンジの証言から、すでにエントリープラグを通してユイとのコンタクトが可能ということが解っている。ゼーレの老人達を出し抜くには良い機会だ。」
「しかし・・・・・・指令・・・・」

 いつものように自信満面といった感じのゲンドウに、リツコは不安の眼差しを向ける。 ゲンドウはそんな彼女に悪戯めいた笑みを見せる。
 
「キレル男の影には愛人が無くてはならない。それは愛妻の存在の有無に関係無く、絶対の真理なのだ。そして、その愛人は、男を滅ぼす程の美しき悪女でなくてはならん。
 適任者は君しかいないよ、リツコ君。」
 
 ゲンドウはそう言うと、十数年前に適格者候補の一人として用意して、いままで保管していたプラグスーツに包んだその体をエントリープラグへと、滑り込ませる。
 エントリープラグはハッチの閉鎖と共にエヴァ初号機の脊髄へと入り込む。
 そして実験が始まった。
 
「碇指令、では準備はよろしいですか?」
「ああ、問題ない。」

 ゲンドウの言葉と共に、エヴァへ電気がアンビリカルケーブルを通して送り込まれ、シンクロが始まる。かくして、ゲンドウとリツコ二人だけの秘密の実験が開始された。

 
10

20

30

40


 


 徐々に上昇するシンクロ率。さすがにチルドレンの子供達と違い、急激な上昇は望めないとはいえ、なかなか好調な滑り出しと言える。
 が、シンクロ率が70%を突破した辺りから急激な上昇が始まる。

 
70

110

150

200

280

380

500




計測不能

 

 そしてその瞬間、ブチッ っという鈍い音と共に、監視モニターの画像が消える。
 
「ぐああああああああああああああああああああああ!!!!」
 
 響くゲンドウの絶叫。
 それと共にエヴァとMAGIとの接続は完全に切断された。
 
「指令!!!!!!!!!」

 リツコは絶叫と共に、力無くその場に崩れ落ちた。

 

 

 
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「ゲンドウさん・・・・・・・・・ ゲンドウさん・・・・」

 形を失い、LCLとなって漂うゲンドウの意識に、懐かしい声が心地よく聞こえてくる。
 なつかしいその安らぎの声に、ゲンドウは聞き惚れ惚けていると、その声の語感が急遽変わる。
 
「起きんかい!ゲンドウ!!」

 反射的に目を見開くゲンドウ(の意識)。そこには、最愛の妻ユイの姿があった。
 ただし般若の表情で・・・・。
 だが、ゲンドウはそんな事はお構いなしに、ユイに飛びつきその体を抱きしめる。

「この日を・・・・・この日だけを待ち望み続けてきた。ユイ・・・・・・・」
「まったく・・・・・・仕方の無い人・・・・・・・」

 はじめは怒りに歪んでいたユイの表情も、仕方ないかとばかりに微笑みへと変じる。
 
「と・は・い・え・」
「ユ、ユイ!?」
「ユイじゃありません、りっちゃんとの事はMAGIを通して見させていただきました!!!」
「うううう・・・・・・・・」

 表情はそのままにユイ。だが声は全然笑っていない。
 普段の威厳など見る影もなく小さくなるゲンドウ。
 そんなゲンドウを見てユイは満足げに言い放つ。その顔は悪魔的笑みにみちているような・・・・
 
「過ぎ去った事はまあいいわ、なにより主な目的がシュミの満喫という事もわかるし、
  そこで、あなたには一つの罰を与えます。」
「な、何!?」

あわてふためくゲンドウ。

「さあ、戻りなさい、元の世界へ・・・・・・」

 次第に遠ざかるユイの姿・・・・

「ユイ!」
「あ、あと、今後は私のシナリオに従ってもらいますからね」

 そこでゲンドウの意識はとぎれた。

 

 

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初号機から、エントリープラグが排出される。
あわてて駆け寄ったリツコがエントリープラグの中で目にしたのは、シンジやレイと同じ年頃の、13歳ほどの愛らしい少女(趣味の悪いグラサン付き)の姿ただ一であった・・・・・・・・・・・・・

 

 

つづく

 


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