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 ここ、ティンティンTOWNのお好み焼き屋で修行している、裏返しの妖精がいました。どんなものでも裏返してしまう「ウラガエシ」の達人のヘラクレス愛ちゃん。今日はどんな物を裏返してくれるのでしょう。


一発!ウラガエシ!
(裏最終回?)

作:かわねぎ



 私は裏返しの妖精、ヘラクレス愛。私に裏返せない物はない、と言いたいんだけど、勢い余って裏返しすぎる事もあるんだよね。裏返しの修行のためにお好み焼き屋さんでがんばっているんだ。ピンクの法被もねじれハチマキもお団子ヘアに刺した返しヘラも(あ、そこ、変な格好と言わないように)決まってるね。さて、今日は……

「愛ちゃん」
「あら、きよみちゃん、どうしたの?」

 よく私に相談に来る小学生のきよみちゃん(小5)。人間界で仲良くなった女の子の一人だ。いつも相談を受けるんだけど、今日も何かあったみたい。

「クラスのかずや君が頭に来るの。私にいたずらするし」
「いたずらって、どんな事されるの?」
「私をはたいたり、私のスカートめくったり……」
「いじめっ子なんだ。でも、私より、お地蔵さんやタヌキさんに相談した方がいいんじゃない?」

 お地蔵さんやタヌキさんも私と同じティンティンTOWNの住人。ティンティン寺でお悩み相談室を開いているんだけど、そっちも毎週相談者が絶えなく、賑わってるの。あの二人ならちゃんとアドバイスをくれると思うんだけど。

「かごじぞうも、ののぽんもお悩み相談に乗ってくれるけど、上手いこと言って言いくるめられちゃうもん」
「はぁ、そうなの……」
「光線対決の間、待ってるの大変だし……」

 あー、あまり番組の裏事情を話さないように。それはさておき、私を頼って来るのは、正直言って嬉しい。要はそのいじめっ子を懲らしめればいい訳ね。まずは、そのかずや君って子に会ってみましょう。

「わかったわ。それじゃ、きよみちゃん、行くよ」
「うん」
「ヘラクレス・ワープ!」

 光に包まれた私ときよみちゃんは、次の瞬間、その場から消えていったのだった。


  ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★


 ワープの先はきよみちゃんの通う小学校。教室がざわざわとしていて、皆好きずきに集まってお喋りしていたり。どうやら休み時間のようだ。え〜と、かずや君ってのは……と、探していると、一人の男の子が近づいてきた。名札を見ると「かずや」ってある。どうやら、この子ね。

「よ、きよみ」
「なによ」
「ほらっ!」
「きゃぁぁ」

 あっちゃー。きよみちゃんのところに来るなり、いきなりスカートめくり? きよみちゃん半べそかいてるよ。この年頃の男の子はイタズラ盛りなんだから。

「君、だめじゃない、女の子をいじめちゃ」
「へへーん。誰もオバさんなんかめくってあげないよーだ」
「お、お、オバさんー!?」

 むかっ。私はまだ16のうら若き乙女よ。これはひとつ懲らしめてやらなくちゃね。私は気合いを入れて、特大のお好み焼きヘラ(に似たもの)を握り締めて、魔法を唱える。ヘラクレスだからヘラ、じゃないんだよ。そして、ピンクのビームがかずや君と側にいるきよみちゃんを直撃する。

「一発、うらがえし!」

 特大ヘラを構えて、お得意のポーズを取る。決まったね。さてさて、今回の裏返しの結果は……と。

「あ、私がいる!」
「俺がいる!」

 かずや君がきよみちゃんがお互いの姿を見て驚いてる。何が起こったかって? それはね……

「まさか、あなたかずや君?」
「お前、きよみかよ」

 女の子言葉で話すかずや君と男の子言葉で話すきよみちゃん。二人の心と体を裏返しちゃったの。う〜ん、ちょっと分かりにくいかな?

「なんで俺がきよみになるんだよ。嫌だよこんなの〜」
「嫌って、私の体よ。それによくも今までスカートめくったりしたわね。えいっ!」
「なにすんだよ。へへん、そんな事されたって、俺は平気……へいき……」

 あらら、きよみちゃんたら、男の子になったら、スカートめくっちゃってるよ。お返しのつもりかな。相手が自分の身体だけに遠慮がないわね。

「……や、やめろよぉ……」

 初めはスカートめくりを受けても強がっていたきよみちゃんなかずや君。周りのクラスメートの視線に気が付いて、さらに自分が、っていうかきよみちゃんの身体が穿いているショーツが目にはいると、真っ赤になって、慌ててスカートを押さえてしまう。イチゴ模様が丸見えじゃ、男の子でも恥ずかしいんだろうね。

「いい? かずや君。女の子のスカートめくったりすると、相手はこんなに恥ずかしいのよ」
「……うん……わかったよ……」
「ほら、謝る相手はこっち」

 男の子の時の威勢はどこに行っちゃったのか、しおらしくなっちゃったかずや君。どうやら反省しているみたいだし、きよみちゃんに謝れば、万事OKね。

「……うん、きよみ、ごめん」
「わかればいいのよ。もう私にイタズラしないよね」
「うん、しない。誓うよ」

 うんうん。二人ともこれで仲良しになれば、めでたしめでたし。ん? きよみちゃんなかずや君、どうしたの?

「おねーさん、戻してください」

 お、今度は「お姉さん」ね。よし、そっちの件も反省しているようだし、もう一回裏返しますか。ヘラを構えて……

「あ、愛ちゃん、待って」
「え?」
「せっかく男の子になったんだし、しばらくこのままでいるわ。なんか楽しそうだし」
「へ?」
「じゃぁね〜」

 あらら、かずや君なきよみちゃん行っちゃった。後に残された私ときよみちゃんなかずや君。あまりの出来事に、泣きそうになっちゃってるよ。こんな時は、うーんと……

「行っちゃったね」
「うん……俺、どうしよう……
「とりあえず、デルモちゃんとマリちゃんに、可愛くコーディネイトしてもらおうか」
「え……?」

 ああ、我ながら慰めになってないね。まあ、そのうちにきよみちゃんも女の子に戻りたくなってくるでしょう。その時に戻せばいいよね。さて、来週は……

「愛ちゃん、愛ちゃん、これ読んでおいて」

 あら、妖精のティンティンちゃん。この子は妖精的日常生活の妖精に近い……って、自分でもよくわからない説明だ。で、何? 手紙?

『来週から、なっちちゃんとのコーナーに出演ね。よろしく』

 あら、このコーナーは今週で終わりなんだ。ティンティン図書館に異動? それはいいけど……きよみちゃんとかずや君、どうしよう……




あとがき

 えー、二次創作ですが、ネタ元の番組を見ている方がどの位いるのか……平日午後4時の時間帯だけに少ないと思うのです(汗)。日本テレビ系の「ティンティンTOWN」の中、モーニング娘。の高橋愛ちゃん主演の一コーナーが元ネタです。たまたま相談に来た女の子同士が相手の立場が羨ましくて、お互いの立場を入れ替える(裏返す)という話があったのです。となれば、妄想一直線。まあ、お子様向け教育番組なので、相手も大変なんだよ、というお説教で終わるのですけどね。あ、今回あややが出演してないですね。リリパット王国もないぷに……(何)

元ネタの番組へのリンクはこちら → TINTIN TOWN

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