戻る


魔法少女リーフ

第1話 魔法少女誕生?

作:優 様


 私の名前は小笠原葉月、一週間後に中学校への入学を控えたの女の子です。私は一週間前まで二人の子を持つお父さんでした。何故、私がこうなったのかはさかのぼる事一週間前・・・・



 僕こと、小笠原和樹(今は葉月)は小笠原和広(僕の義父)と取り壊すことの決まった、蔵の整理をしていた。整理の方はスムーズに進んだ。僕は倉庫の中の、大事に布に包まれている何かを発見した。中の布を取ってみると、日本刀らしいものが出て来た。

「和広さん、この刀は何でしょうか?」

 僕は高価なものかな?と思い和広さんに聞いてみた。

「刀? 和樹君それは、触っては駄目だ」

 和広さんは叫ぶようにそう言った。

「えっ?」

 僕は既に、刀を握っていた。刀から目がくらむような光が漏れる。

「遅かったか・・・」

 和広さんの何か諦めたような声が聞こえたような気がした。

 そして僕の意識は遠のいた。それから、どれぐらい時間経ったのだろうか?僕は目を覚ました。和広さんの顔が見える。

「僕は一体どうしたんですか?」

 一体何が起こったのかを和広さんに聞いてみようと声を出した。僕の声は聞きなれた自分の声とはかけ離れた、奇麗な声だった。

「和樹君」

 そう言うと和広さんは姿見を持ってきた。

「ショックかもしれないが、これで自分の姿を見てくれ」

 というと和広さんは、姿見を僕の前に置いた。

 僕が姿見を覗いてみると、「えっ」僕は驚いた。姿見には、12〜13歳ぐらいの少女が映っていた。顔はかなりの美少女の方に入るだろう、こういっては怒られるかも知れないが、自分の娘より(僕だけがそう思うのかもしれないが)奇麗だと思う。髪は足の膝のあたりまで伸びている。これが僕だということは、着ている服が僕が着ていたものと同じであることからわかる。

「これが、僕なんですね」

 僕は溜息を吐いた。

「でも、一体どうして?」

 僕がそう言うと、和広さんの口が開いた。

「和樹君、刀を握っただろ?」

「はい」

 僕は頷いた。

「あれは、刀じゃないんだ」

「えっ、でもあれは見た目は日本刀でしたよ」

「これを見てもそう思うかね?」

 和広さんは指輪みたいなものを持っていた。その指輪は水晶で作られたものだろう。

「どう見ても指輪ですよね」

「だろう?これは3年前に亡くなったわしの妻が昔、使っていたものなんだ」

「これを何に使ってたんですか?」

 僕は浮かんだ素朴な疑問を和広さんにぶつけた。

「この指輪は魔力の高いものが触ると反応するらしいんだ」

「でも、どうして僕は若返ってそれも女性になってるんですか?」

「さあわしもよくはわからんが、和樹君がその指輪の持ち主に選ばれたみたいだ」

「どうして僕が、持ち主に選ばれたんですか?それにこの身体が、最適なんですか?」

「わしも詳しくは知らないんだが、この指輪が君をそのようにしてしまったということは、認められたということだろう」

 そういうと、和広さんは、僕にその指輪をはめてくれた。サイズはぴったりだ。

「やはり、和広君に合わせた大きさになってるな」

「でも、どうしてこの指輪は日本刀の形をしてたんですか?」

「妻が、人があまり触りたがらない物として、そんな形にしたらしい」

「触りたがらない形・・・ですか?」

「君は触ってしまったけどね」

 和広さんは苦笑して言う。

「どうしよう、この身体で『和樹です』といっても信じてくれそうにもないし」

 僕に『自分はどうなるんだろう』と言う不安が生まれた。

「この指輪の効果は何時まで続くんですか?」

 僕は和広さんに聞いてみた。和広さんは『すまない』と言う表情で僕にこう言った。

「わからない、妻がこの指輪の事を教えてくれたのは、妻が亡くなる、一年前なんだ」

「何時まで続くかわからないんですね?」

 僕がそう言うと、和広さんは無言で頷いた。

「すまない、和樹君。わしが、ちゃんとその事を覚えていれば、こんなことにはならなかったのに」

 和広さんは申し訳なさそうに言った。

「和広さんを恨んでも仕方ありませんよ、でも、これからどうします?」

 僕はその事を悩まざるをえなかった。

「仕事のほうはどうしよう、僕が稼がないと家が日干しになりかねないよ」

「大丈夫じゃないのか?君の仕事はパソコンでプログラム組んで送るだけだろ?」

「でも、人と会わなければいけないときもありますよ」

「その時はわしがどうにかしよう、どうせ会うといっても、給料の振込みとかで仕事には関係ないんだろう?」

「ええ、大抵はそうですから、もし元に戻れない時はお願いします」

 僕はそう言うと、一つの事を思いついた。

「和広さんの奥さんは、僕みたいに女性になったんじゃあないですよね?」

「それはない、とは言い切れない」

「奥さんが男性であった可能性もあるってことですか?」

「それもありうるかもしれない、わしの頃は恋愛結婚なんか許される時代じゃなかったから、お見合いで仕方なく結ばれた、関係だったよ」

(つまり、和広さんの奥さんは男性であったとしても女性であったとしても和広さんと居ることに満足してたから、どちらにしても元に戻る方法を知っている確率はないってこと?)

 僕はそう思うと居ても立っても居られなくなり、

「そ、それじゃあ、一生このままなんですか?」

といって僕は、和広さんに問い詰めた。

「わしもわからないんだよ、四年前妻にその指輪が刀であることを聞かされて、誰にも触らせないようにと言われてたからな」

 和広さんはハッとしたように言った。

「もしかしたら、そのことについて書かれたものが倉庫の中にあるかもしれん」

 和広さんは倉庫の奥のほうに行きかけたとき、

「和広さん」

僕は和広さんを呼んだ。

「何だ?和樹君」

「弥生さんを呼んできて欲しいんだけど」

 弥生とは僕の奥さんの名前だ。

「弥生を呼んでどうするんだ?君を見ても混乱するだけだぞ」

 和広さんの頭の上に?マークが浮かんでいた。

「この格好じゃあ、外にも出れませんし動きにくいですよ」

 僕が着ているものは、ぶかぶかになった白いTシャツとサイズの合わない紺色のジーンズだ。はっきり言って、この身体には全く似合わない服装だ。

「家に帰るだけでも、人に見られたら後々面倒ですよ」

 僕が、そういい終わると和広さんは、

「そうだな、わしが着替えを持ってきても変に思われるな」

「そうですよ」

「弥生さんなら僕の事をわかってもらえると思うし、それと子供達には気付かれないようにお願いしますよ。説明する前に見つかったら、『おじいちゃんロリコンだったんだ』と冗談でもいわれかねませんよ」

「確かに・・・・この場を見られたらわしはロリコン扱いされてもおかしくない」

 和広さんは、苦笑していった。

※ 作者より 私はロリコンの事を良く知っているわけじゃないけど、60ぐらいの
※ おじいさんと、だぶだぶの男物の服を着た少女が一緒に居たら、
※ ロリコンと疑う人がでると思います。

「それに弥生さんにも探すことを手伝ってもらわないと」

「そうだな、そこで待っててくれ、弥生を呼んで来るから」

(待っててくれ言わなくても、ここを動けないんですけど)

 僕は、心の中でつっこみ?をいれていた。五分後・・・僕は自分の身体をしげしげと見つめていた。細くなった腕、自覚は無いが、かなり減っていると思われる体重、さわり心地のいい長くなった髪、成長しかけの胸。

「これじゃあ、自分の子供と同じ年でも通るな」

 僕は苦笑していた。

「これからどうしようか?」

 仕事は何とかできるだろう、ここの家では僕の存在を受け入れてくれるだろう、でも僕の両親にはどう話せばいいんだ?

(『和樹君が少女になりました』じゃあ流石に通らないよな)

「どうしたものかな」

 僕がそう考えているうちに、和広さんの声がした。

「和樹君、弥生を連れてきたぞ」

 和広さんは急いで弥生さんを連れてきたらしく、肩で息をしていた。それから数十秒ほどして、弥生さんが来た。

「お父さん、どうしたのよ『わしに着いて来てくれ』と言って走り出すんだから」

 弥生さんも呼吸を荒くしていた。

「和広さん、弥生さんに説明してないの?」

 僕は、説明してから来るとばかり思っていたから、和広さんに聞いてみた。

「昔からよく言うだろう、『百聞は一見にしかず』と」

 確かにそうかもしれないけど・・・事情を知らないと混乱するぞ、この場合は。

「お父さんこの娘誰ですか?」

 弥生さんは和広さんに質問した。

(わかるわけ無いよな、わかったら、わかったで怖いけど)

「弥生、この娘の服を用意してもらいたいんだが」

「どうしてこの娘はこんな格好してるの?」

(したくてしてる訳じゃないんだけど・・・)

 僕は苦笑していた。

「この娘、どこかで見た気がするけど・・・」

「弥生は見たことあるはずだ、『見たこと無い』って言ったら、この娘は激怒すると思うぞ」

 和広さんは、僕のほうをむいてそう言った。

「私の知ってる娘なの?」

 弥生さんは僕の顔をしげしげと見つめる。

(まあ、鏡を見たとき僕の面影が顔に少しだけ残っていたけどね)

「そんなに見ないでよ、恥ずかしいじゃないか」

 僕は顔を赤くしてそう言った。

「顔に似合わない言葉遣いね」

 弥生さんが少し驚いたように言った。

「弥生、事情は後で説明するからこの娘に服を見繕ってくれんか?このままじゃあ、この娘はどこにもいけないからな」

 和広さんは、弥生さんに頼み込むように言った。

「わかったわ、家に戻って取ってくるわ。見たところサイズは皐月と同じくらいね」
 
 弥生さんの言ってる『皐月』というのは、僕と弥生の子供の双子の姉弟の姉のほうで、弟のほうは『樹』と言う。

「くれぐれも、孫には気付かれないようにして欲しい、あの年頃だから、この状況を見たら何を言うかわからんからな」

 弥生さんは苦笑いを浮かべて、

「確かに、怪しい関係に見えないことはないわ。でもお父さんが、そんなことをするはずの無いことは私は良く知ってるから大丈夫だけど、子供達は誤解するわね。子供たちに気づかれないように着替えを持ってくるわね」

 弥生さんはそう言うと、蔵から出て行った。

「和広さん、子供達にはどう説明します?」

「わしは弥生に任せてみようかと思うんだが、どうだね?」

「そうですね、それが一番良い方法かもしれませんね」

「わしは、蔵の整理と何か魔法に関する書物が無いか調べてみるよ」

「すみません僕が不用意に、これを触ったからこうなったんですよね」

 僕は身につけている指輪を見て、申し訳なさそうに言った。

「いや、わしにも責任はある。わし一人で蔵の整理をすればよかったんだよ」

 和広さんは責任を感じているようだ。

「弥生さんが来るのを待ちましょう、まずは弥生さんに僕が和樹であることを、わからせないと始まりませんからね」

「それまで、整理をしてるから、弥生が来たら呼んでくれ」

「わかりました」

 僕が頷くと和広さんは、蔵の奥へと入っていった。それから、20分後、弥生さんが服を持って戻ってきた。

「お待たせ、お父さんは?」

「和広さん、弥生さんが来ましたよ〜」

 僕は和広さんを呼んだ。

「どうして、貴女が私の名前を知ってるの?」

「それは、僕が言っても無駄だろうから、和広さんに聞いてください」

 僕がそういうと弥生さんの視線が和広さんに移った。

「お父さん、この娘私の親戚にいました?」

 弥生さんが質問する。

「親戚にはいないが弥生、おまえの良く知ってる娘だよ」

(確かに良く知ってるはずだけど・・・・それはこの姿になる前の話でしょう)

「すみません、弥生さん着替えのほうを貸してもらえる?」

「あ、ごめんなさい」

 そういうと弥生さんは僕に着替えを渡してくれた。

(やっぱり女の子の着る服だよな)
 
 僕はため息をついた。弥生さんが持ってきたのは、真っ白なワンピースだった。僕がその場で着替えようとすると、
弥生さんが叫ぶように言った。

「お父さんは向こうを見てて!!」

 弥生さんが言った後、和広さんは慌てて弥生さんの言う『向こう』を向いた。

「貴女も貴女よ、どうして男の人がすぐそこにいるのに着替えられるの?」

 弥生さんは少し怒り口調で言う。

「そ、それは・・・」

 僕は返答に詰まる。

(だって仕方ないじゃないか、少し前まで男だったんだから)

 僕は心の中で文句を言った。

 普通に言っても今の状態では、取り合ってもらえないと思ったからだ。僕は、弥生さんが持ってきたワンピースに着替えた。サイズのほうはウエストが緩い以外はぴったりだ。僕は自分が着ていた(と言うより、まとっていた)物を弥生さんに渡すと、弥生さんが「お父さん、もうこっちを向いてもいいわよ」と言う。

「似合ってますか?」

 僕は二人に聞いてみた。

「そこの姿見を見てみればわかるよ」

 和広さんの視線は姿見を指していた。僕は姿見を覗いて見た。奇麗な顔立ちの少女が照れくさそうに見ている、真っ白なワンピースと奇麗な黒髪の相対観がその美しさを出していた。

「これが僕?」

 TSFならお約束の言葉である。

「それが君だ」

 和広さんは言う。

「確かに、可愛いとは思うけど、お父さんこの子は誰なの?」

 弥生さんは和広さんを責め立てるように言う。

「弥生、おまえが手に持ってるのは何だ?」

 和広さんはやれやれと言った感じで言う。『妻なら夫が着ていたものぐらい覚えておけ』と言いたいみたい。

「私が持ってるのは、あの娘が着ていた服だけど・・・・!!」

 どうやら気付いたらしい。

「弥生、今思ってることを言ってみろ」

 和広さんは弥生さんに命令口調で言った。

「『どうして和樹さんと同じ物をこの娘が着ているの?』って思ったけど」

 弥生さんが答える。

「それは、間違い無く和樹君が着ていたものだ」

 和広さんが弥生さんに真剣に言う。

「えっ、お父さんそれはどういうことなの?」

 弥生さんはわかりかねているようだ。

「つまり、僕が和樹なんだよ」

 僕が言うと、弥生さんは『信じられないと言った目』で僕を見つめた。

「その娘の言っている事は本当のことだよ」

 和広さんが追い討ちをかけるように言う。

「お父さん、この娘が和樹君なの?」

 弥生さんは、まだ信じられないようだ。

「仕方がない、僕と弥生しか知らないことを話すしかないか」

 僕はそう言うと溜息をついてた。その後、僕は弥生との初デートはどこでやったかなどを話した。

「うそ・・・それは私と和樹さんしか知らないはずよ」

「だから、僕が和樹なんだって」

「貴女が和樹だとしても、どうしてそんな姿をしてるの?」

「弥生、おまえの母さんのこと覚えてるか?」

「覚えてるの決まってるでしょ」

「あの刀の事をおまえも聞いたはずだぞ」

「蔵にある刀が本当は指輪だって話?」

「そうだ、その指輪を和樹君がはめているんだ」

 そう言うと和広さんは、僕のほうを向いた。

「お父さん、その指輪ってあの娘がはめている透明な指輪のこと?」

「そうだ、わしだって目の前であんなことが起こらなかったら信じなかったよ」

 和広さんがそう言うと、弥生さんがこっちに視線を向けて、

「お父さんがそういうなら・・・わかったわこの娘が和樹君だと信じるわ」 

「弥生さん、僕が和樹だと信じてくれるんだね」

 自然と僕の目に涙がたまってきた。

「あ、あれ?どうして涙が出るんだ、人前で泣いたことなんか無かったのに」

 弥生さんはそんな僕を優しく抱きしめてくれた。その後、僕が泣きやむまで弥生さんは見守っていてくれた。僕が泣き止んでから、今後のことについて話し合う事にした。

「和樹さん、これからどうするの?」

「僕に聞かれても・・・」

「仕事のほうは、わしが何とかすることになったが、和樹君が居なくなって、見慣れない中学生ぐらいの女の子が出入りしていると、怪しまれるぞ」

「僕のほうは大丈夫でしょう。仕事をしてるから外に出ないと言うことにしておけばいいから」

(近所の人は、僕があまり外に出ないことは知ってるからね)

「そうね、和樹さんはあまり外に出ないからそれでいいわね。でも今の和樹さんは見た目は中学生ぐらいよ。その格好で昼間に外を歩いていたら、補導されるわ」

「そうだな、わしは和樹君が中学校に通うのが普通だと思うが」

 和広さんがそういうと、僕は

「そうですね、それが自然かもしれませんね、でもどうやって?」

 僕は戸籍も無いのにどうやって中学校に通うのかを尋ねた。

「和樹君と弥生さんの養子にすればいい」

 和広さんはさらっと言ってのけた

「養子かそれもいいかな」

「そうね、それが自然なのかもしれないわ」

 僕と弥生さんもその意見に賛成だ。

「施設から引き取ったと言うのが自然だと思うがどうだ」

「でも施設の名前を聞かれたらどうします?」

「『事情があって言えない』で通せばいいさ」

「でもそれで通るかな?」

「通すしかないさ」

「そうね、それしかないかもね」

「でも、今のまま『和樹』のまま呼ぶのはまずいよ」

「そうね、新しい名前が必要ね」

「そうだな、わしに決めさせてくれるか」

 和広さんが言う。

「お父さん、どんな名前を考えてるの?」

「弥生、おまえは三月生まれだな」

「うん、そうだけど」

 弥生さんは頷く。

「おまえの母さんは、二月生まれだから如月だった、それに孫は五月生まれだから皐月だ」

「そうなると、和樹さんは八月生まれだから、葉月になるの?」

「そう考えてたんだが和樹君どうかな?」

「いいですよ、葉月でいい名前だと思うし」

「それじゃあ、和樹君の新しい名前は葉月で決まりね」

(僕の名前は葉月になるんだ、早くそれになれないとな)

 そう考えていると和広さんが、

「年はいくつにするんだ?」と聞いてきた。

「そうね、いろいろとフォローを入れないといけないと思うから、子供達と同じ年でいいんじゃない」

「子供達と一緒に勉強するのか?」

「不満か?和樹君いや葉月ちゃんと呼ぼうか」

「いえ、そんなことは無いんですけど・・・・」

「何か不都合なことがあるの?」

 弥生さんが質問してきた。

「二人とも、子供達のこと忘れてないか?」

「「どういうこと?」」

「だから、まだ僕のこと子供達に説明して無いだろ?子供達が僕の事を信じてくれるかもわからないのにフォローを期待するのは間違ってないか?」

「葉月ちゃんの言うことにも一理あるわね」

 弥生さんは僕の事を『葉月ちゃん』と呼ぶことにしたようだ。

「そうだな、わし達はここで、指輪のことにかかれた書物を探すから、弥生さんは子供達に和樹君のことを話しておいてくれ」

「わかったわ、二人とも頑張ってね」

 弥生さんはそう言うと、蔵から出て行った。
 
 子供達が僕の事を理解してくれるといいけど。その後、僕達は倉庫の整理と、あの指輪のことについて書かれた書物を探した。すると、三冊のそれらしい本が見つかった。
 
 三冊の本の名前は、「魔法の基礎」、「小笠原如月の日記」「魔法の応用」と書かれている。しかし、日記以外の本は古すぎるせいか、全てのページが読める状態ではなかった。

 「如月の日記」を開けてみると普通の日記だった。どこかに、この指輪のことが書いてあると思い、パラパラとめくっていくと一通の手紙が入っていた。それを読んでみると、

『これを読んでいるということは、和広さんが和樹君が刀を握るのを止められなかったのですね。もしもの時のために、この手紙を残しておきました。まず、どうしたら元に戻れるのかを聞きたいのでしょう?』
 
 僕はそこまで読むと、『元に戻れるんだ』と言う思いから、次の事を急いで読み始めた。少し読むと僕は、固まってしまった。

『元に戻れる方法だけど、そんなものはないわ♪』

(弥生さんのお母さんってこんな人だったのか?)

 僕は固まりながらも、そんなことを考えていた。数分後、何とか立ち直り僕は読みつづけた。

『今さっきの言葉で、固まったと思うけど、実際のところは、私もわからないの、だから指輪の使い方と魔法の基本的なものの使い方を残しておきます』

「何かわかったのか?」

 和広さんが聞いてくる。

「ええ、ここにこの指輪の使い方が書いてあります」

 僕は和広さんに紙を見せると、

「何も書いてないぞ」

「えっ」

 僕は驚いた、僕にははっきりと、その文字が読めるからだ。

「もしかして、この手紙はこの指輪に認められた人にしか、読めないのかもしれません」

 そして僕は、手紙を読むことを再開した。

『その指輪の使い方だけど、指輪を上に掲げて、「妖精さんいらっしゃ−い」っていうの』

僕は『まじで』と言うような思いでやってみた。

「妖精さんいらっしゃ−い」

 恥ずかしがりながら言ってみた。しかし、何も起こらなかった。

『妖精さんは来ないから安心してね♪』

僕は派手にずっこけた。

(や、弥生さんのお母さんって一体・・・・)
 
 僕は気を取り直して、手紙を読み直した。

『本当はこういうだけなの「指輪に秘めし力よ、その力を我に示せ。認められし主、如月が命ずる」 今度は本当よ、ちゃんと私の名前が書いてあるでしょ』

 僕は本当かどうかを確かめるため、次の事を読んでみたが、指輪のことは書いてなかった。僕は、仕方ないのでその言葉を復唱するように唱えた。

「指輪に秘めし力よ、その力を我に示せ。認められし主、葉月が命ずる」

 僕がそう言うと指輪が強烈な光を出した。

「うわっ」

 思わず叫んでしまった。光が僕を包み込んだ。光が消えると、和広さんが目を丸くして僕を見ていた。

「き、君は和樹君・・・いや、葉月ちゃんなのか?」

 和広さんは僕を見てそう言った。

「何を言ってますの、わたくしは葉月ですわ」

(ぼ、僕はどうしてこんな言葉遣いになってるんだ?)

「な、何ですの、わたくしがどうして女性の言葉遣いで喋ってますの?」

 僕は動揺しまくった。だってそうだろう、僕が喋る言葉が女言葉に変換されているんだから。

「君は、葉月ちゃんなんだね?」

 和広さんの再度の問いに僕は頷く。

「とりあえず、これを見てくれ」

 和広さんは、姿見を持って来てそう言った。姿見には、淡い黄緑色をしたドレスを来た少女が写っていた。髪の長さ、身長などは変わってないみたいだけど、髪の色と瞳の色は黒から奇麗なエメラルドグリーンに変わっていた。その髪につけられた、淡い水色をしたリボンが蝶の羽のように見える。その姿は、何か幻想的な雰囲気を漂わせている。

「森の妖精みたいですわ」

 僕は感想を漏らした。

「和樹君・・・自分に見とれているところで悪いんだが、元に戻る方法を探さないのか?」

 和広さんは溜息まじりにそう言った。

「そうですわ、見とれている場合ではありませんわね」

 僕は、ハッとして手紙の続きを読んだ。

『変身が終ったら、驚いているでしょうね、言葉遣いが変わってるはずですから』

(本当に驚きましたよ)

『その理由は、私のもわからないのだけど、変身している間は、そんな言葉遣いになるみたい』

「な、何ですってー」

 僕は叫んだ、それも女の子の言葉遣いに変換されているけど。

『変身を解く方法だけど、先にここに書いてある魔法を試してね、どの魔法が一番効果があるかで、貴女の魔法の素質がわかるわ』

 僕は、基本魔法を試してみた。

炎を出す魔法・・・出ることにはでたがマッチの火ぐらいの大きさだ。
氷を出す魔法魔法・・・・氷ではなく冷水が出た。
雷?を浴びせる魔法・・・静電気がバチッっとくるぐらい。
物を動かす魔法・・・1Kgの物を浮かすぐらいの力だ。
治癒の魔法・・・壊れた箱やあまり深くない傷なら跡形も無く治せるみたいだ。

 試した結果、治癒の魔法以外役は全然立たないことがわかった。

『多分貴女の場合、心根が優しすぎるから治癒魔法以外さっぱりだと思うわ』

「ここまで予想していたのね、如月さんは」

僕は、心の中で(如月さんは偉大な人だったんだな)と思った。

『さっぱりだった魔法も、訓練次第である程度は良くなるけど、治癒の魔法を伸ばすほうをお勧めするわ』

「自分の良い部分を伸ばすのがいいのね」

『訓練の仕方だけど、二通りの方法があるの、一つは「瞑想」心を無にして、自分自身を見つめて己を高める方法よ、でもこれはあまりお勧めできないわ』

(結構簡単そうなのに、どうしておすすめできないのかな?)

 僕はそう思いながら次を読んだ。

『お勧めできないのは、効果が無いわけじゃないの効果はあるわでもね、これをするとね、効果が出る前に90%の確率で寝ちゃうの♪ 私だけかもしれないけど』

 僕はもうずっこける気力も無かった。ただ、溜息を吐いた(如月さんこの手紙を結構楽しんで書いてない?) そんな気がしてきた。

『もう一つの、方法だけど、魔法を使っていくと効果は自然に高くなっていくから』

(使えば使うほど、能力が上がるんだ)

 僕は(そうなんだ)と思いながら次を読む。

『そうそう、元の姿に戻る方法だけど指輪を外すの、そうすれば元に戻るわ』

 僕が指輪を外すと、光が出たと思う一瞬のうちに消えた。近くに置いてある姿見を見ると、変身前の状態に戻っていた。

『一日に変身は多くても二回までにしてね、それ以上は、身体に負担がかかるから。それから、訓練すれば変身しなくても魔法を使えるようになるわ。その代わりひどく疲れるし、魔力の消費も激しいの』

「変身しなくても、使えるようになるんだ」

『一日一回は変身はすることそれも30分以上ね。そうしないと魔法は使えなくなるわ。それでもいいというのなら、いいでしょうけど』

「魔法が使えなくなると言うのは、元に戻れると言うことなのかな?」

 僕に淡い期待が生まれた。

『一応書いておきますけど、魔法が使えなくなるから元に戻れるとは思わないこと。現実に私は戻れなかったわ』

「えっ、もしかして・・・」

(如月さんは僕と一緒なの?)

『でも、私は後悔はしなかったわ、和広さんと居られて幸せでしたから』

「仲良かったもんね」

「何が、仲が良かったんだ?」

 和広さんが不意に声をかけてきた。

「わっ、ビックリさせないで下さいよ」

「すまない、葉月ちゃんがずっとぶつぶつ言ってたから、その内容が気になって声をかけたんだ」

 和広さんは、この手紙の内容が気になるみたいだ。

「僕の事を心配して書いてくれてるみたいです、それに和広さんと居られて幸せだったと書いてありますよ」

 僕は内容をかいつまんで説明した。和広さんは涙を流して喜んだ。亡き妻がこんなことを書き残していたからだ。勿論、如月さんが『男性』であったことを抜きにしてだけど。

『貴女も新しい幸せを探すことをお勧めするわ、弥生には悪いと思うけど』

「確かにこのままじゃあ、そうするしかないかもしれないな」

 僕はそれも一理あるなと思った。この状態では僕と弥生は夫婦ではなく、母親と娘にしか見られないからだ。

「でも、当分そんなことは考えられないだろうな、いろいろとあるだろうし」

 僕はそう言うと続きを読んだ。

『貴女の名前だけど、和広さんのことだから貴女が生まれた月の名称・・・確か貴女は八月生まれだから「葉月」となってるんでしょう?』

「す、鋭い」

『貴女の変身した時の名前を考えておいたわ。葉月の葉を英語読み、の「リーフ」がいいと思うわ』

「まあいいか、考えてもいいのは浮かびそうに無いし、『リーフ』でいいか」

『これからが大変でしょうけど、頑張ってね。貴女の義母如月より』

 手紙はここで終っていた。手紙を読み終えると、弥生さんの声がした。

「『百聞は一見にしかず』ってよく言うから子供達を連れてきたわ」

(この父親あって、この娘ありか)

 僕は、親子は似るものだなと思った。





あとがき

私、優の三作目の作品になります。
今回は魔法少女を題材にして書いてみましたがいかがでしょうか?
名前の付け方は我ながらかなり苦しいと思います(汗)


戻る