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この作品はシェアワールド「らいか大作戦」の一部である
【 MOE-DOLL根幹設定】並びに『DOLL王国と惑星連合との同盟』を最終的に予定されているされている、
【若葉のDOLL 萌ゆる戦乙女】を根幹作品とする

【若葉ワールド】

を前提として書かれた作品です。
DOLLについてより詳しくはこちら
大本である【らいか大作戦】は、
こちらを 参照してください。

この作品の設定は「M・O・E-DOLL」に準拠しておりますが、メインとなるストーリーとは一切関係ありませんのでご了承ください。

 



戦火の星

write:keyswitch


 


『こちら、第1師団。敵歩兵と交戦中…至急応援を乞う』
「ばかいえ、こっちだって交戦中なんだぞ。応援なんて送れる訳ないだろう」
『しかし…我が方の戦力が減るに連れて、敵の兵士が増えていっているんです。どうにかしてもらわないと…』
「どうにもならん!。もし戦えないのだったらすぐに撤退しろ!」
 そういって、俺は無線装置の電源を切った。
 …多分あいつらは、無条件ですぐに撤退するんだろうなぁ。本当のプロってやつはそんな奴等だ。そう思いながら。
 まったく…何でこんな仕事を受けちまったんだろうな。って、今更悪態ついてもしょうがないか。




 俺は、傭兵…って言えば、聞こえはいいかもしれないが、簡単に言っちまえば『なんでも屋』って所だ。もっとも、回ってくる仕事の全てが人…いや、命あるものを殺す事なんだがな。そう、命ある者ならなんでも殺せるはずだった…1昨日までは。

 それは…1本の電話から始まったんだ。悪夢の電話から。
「ジェフリーさんですね?」
「ああ、そうだが…あんたは?」
「とある場所から依頼を受けてそれを仲介するものです。ああ、逆探知しようとしても無駄ですから」
 読まれてるってのは、やりにくいもんだな。大体は、ここにかかってくる電話は急を要するから、まずそんな所まで頭は回らないもんだが…
「あなたに依頼したい仕事がありまして、連絡をさせていただきました。
 仕事内容は、とある無人惑星にながれついた未確認生命体…いえ、まだ生命体と確認できていませんが、自ら移動しているので生命体と判断します…1体の捕獲。ただし、反撃等があった場合は相手の生死を問いません」
「何か、奥歯に物が詰まったような言い方だな。たかが1人…いや、1体だけなんだろう?」
 生死を問わないのであれば…問答無用で爆撃でもすればいい。何せ最初に『無人惑星』と断っているのだから。
「報酬は………」
 その提示された金額は…
「嘘だろ?」
「前金として1/10をすでに貴方の口座に振りこませていただきました」
 1/10・それでも、下手な小国の年間予算に匹敵する金額だ。それを、受けるかどうかも解らない相手に払うとは…ネットで確認すると…確かに。
「あと、5個師団。500人の特殊部隊の隊員も用意しました。指揮官となってもらえ…ますか?」
「答えは…いますぐ必要か?」
「はい」
 胡散臭さ大爆発…だが、相手は1人・対してこっちは特殊部隊というからにはそれなりに技術をつんだ部下が500人。多少正確な指示を出せなくても負ける事なんて考えられない。
 もし、裏があったとしても1対1でも負けるつもりは…ない。
「了解した」
「ではこれから直接、RX79惑星へと向かってください。申し訳ありませんが、師団はすでに向かわせてありますので、一人で向かってもらう事になります。武器等も師団に用意してありますが個人的に必要なものは用意してください。必要経費は後で連絡していただければ支払います。では」
 そういって、電話は切れた。
 それが、地獄への1本道だとも知らずに俺は…




 RX79惑星は人類が住むには不向きな惑星として見捨てられていた星だった。
 もちろん、気温・空気・湿度等生きていく分には何の問題も無い星だったのだが、いかんせん自転周期が長すぎた。昼間が120時間・夜が120時間…そこに生まれた植物や昆虫等は適応できたのだろうが、後から入って来た我々には適応できる環境ではなかった。5日間昼が続き5日間夜が続く。はっきり言ってしまえば拷問だ。おまけに地軸の傾きも無いため、その周期が変わる事はまったく無い。そのためこの星には人間…いや、知的生命体が住む事は出来なかった。
 最初は、住もうと努力したらしい。しかし、それよりも良い惑星が見つかるとみんなそっちへ流れて行く…という訳で、この星には知的生命体がいない…はずだった。

 しかし、数日前、この星に小型のシャトルのような物が降りたのが観測されたというのだ。そして、その後、観測網には動いている生物らしきものが観測されるようになった。
 生物らしきもの…何故生物と判断しなかったのか?。それは、生態反応はあるものの、外見を捉えられた写真によって判断できなくなっていたのだった。
 そこに写されていたのは…まだ、年端も行かない少女。12−3歳というところだろうか。美しい顔・誰が見ても美少女と判断するだろう。もし、どこかのアイドルコンテストにでも出れば優勝するくらい造作も無いだろう。それほどの美しさだ。しかし、それとは対照的は…姿。
 別に身体自身も普通の少女と何ら変わらない大きさ・姿をしていたのだが、その表面に見えるのはメカニカルな物体。レオタードのようなもので、身体を包んでいるがそこから伸びる手足は紛れも無く生命体。そしてブーツに手袋…ここまでは装備としても考えられるのだが、ここから先は…普通では考えられない。
 まずは背中に背負っている…多分超長距離砲。あの長さだと射程は100kmを越えるかもしれない。そんな物を持っている事自体が極めて不釣り合なうえに、もし、それを使おうものなら、その破壊的な衝撃は彼女…一応女性の少女なのでそう呼称させてもらう…の身体を一瞬で破壊するほどだろう。常識的に行って、彼女サイズの人間がもって歩くものではない。それが身体に接続されている。
 そして…髪から伸びた2本の房…先端に何かついているところを見ると、触覚と判断した方がいいだろう。用途は不明だが、気をつけるに超した事はない。
 最後に…移動スピード。速い。この星はジャングルで覆われている。生命体が移動するにはかなりの邪魔になるため、1時間に数キロ進めればいい方だろう。だが、彼女は1時間に100キロ進んだ記録を残している。

 常識が通用しない。俺はそう判断を下した。出来れば爆撃機からの爆撃で一瞬で殺してやりたい気分だった。子供…しかも少女を殺す気分なんて…最悪だからだ。相手が銃を持った青年だったらためらわず引きがねを引ける。が、それが花を持った少女だったら…たとえ、その花に銃が隠されているのが解っていたとしても、ためらわず引きがねを引く事が出来るのだろうか…
 今まで何度、そんな体験をしてきたか数知れない。しかし、毎回引きがねを引くタイミングをコンマ5秒遅らせちまう…だから今回も、もし対時するような事があったら…俺は…




 俺は、作戦の練り直しをする事にした。

 第1師団には精鋭と呼ばれる50人を選んだ。彼らはプロ中のプロだ。例え子供であろうと、自らの命を脅かす存在には容赦しない。例え何があっても正確な判断が出来る。もし負けるとなれば…引く勇気も持っている。引く勇気を持てないやつはいくら経験をつんでもプロにはなれない。
 第2師団には通信や情報収集を任せられる50人を選んだ。たとえ相手が1人とは言え捕捉する事が容易ではないだろう。だから、その為専用で師団を組んだ。彼らもその手んではエキスパートだ。
 第3から第5師団………サポート…言葉は言いが、おちこぼれか実践経験が乏しいチームだ。戦力にはなるかも知れんが多分、10中8・9役には立たないだろう。
 こいつらは、とにかく自分の命を守りつつ、ベースを死守してもらうだけで言い。

 ベースは3つ、
 今までの移動コースからまずは第3師団で攻撃をかける事にし、その後第1師団で確保もしくは破壊する作戦にした。第4師団は第1師団の外側のバックアップ。第5師団は第2師団のバックアップだ。
 はっきりいって、たかだか1人に対して敷く布陣ではない。しかし…何かが引っ掛かる。
 もっともその引っ掛かりが解ったのは、戦いが終わった後だったが。



 先ず最初に交戦状態に入ったのは第3師団、こいつらはとにかく持っている武器を最大限に利用して相手の動きを撹乱。相手も持っている武器を1発でも多く使わせる事にある。相手は高々少女サイズ、持ち歩ける武器にも限りがあるはずだ。
 部下にも、深追いはしないように・とにかく撃つだけ撃って、手持ちの武器が切れたら撤退しろと命じてある。
 その点では、彼らは忠実に仕事をこなしただろう。一人の死傷者も無く、全ての任務を終わらせる事が出来たのだから。

 この時点で相手には多少の焦りがあると読んでいた。一済に攻撃をかけられると、大体の場合は撤退という事を選択する場合が多い。これが懸命な判断だ。だが、彼女はそのまま奥へと…次の最強の部隊が待つ場所へと一直線に向かっていった。これが焦りではなくてなんなんだ。

 そして…第1部隊との交戦が始まった。とはいえ、彼らは単独で行動する。その為散発的な銃声は聞こえてきてもどうなっているかは判断できかねないのが現状だった。が、彼らは1騎当千の兵士達だ。ミスは犯さない。


 と…そこへ悲鳴にも似た連絡が入って来た。
「敵歩兵…3体に増えました!」
「なにぃ!・そんな馬鹿な。カメラは回っているのか!?」
「は、はい」
「見せろ!」
そういってディスプレイを覗きこむ…。
 そして…そこで信じられないものを目撃する。そこには…

 1体は今まで追って来たものなのだろう。まったく無傷の状態で存在している。
 2体目は…1体目に負けず劣らずの美しい少女だった。しかし、身につけている装備は…我々の部隊の服ではないのか…。そう思った瞬間、彼女は邪魔臭そうに服を引き契った。服の中は…1体目とほとんど変わらない兵装になっていた。ただ、持っている銃は我々の使用している銃に似ている気もするが。
 そして3体目…1体目2体目と同じく美しい少女。武器も外とは違う。近距離戦に特化した装備のようだ。
「こちらの被害は…」
「2名。連絡が取れていません」
「直ちに全戦闘隊員に連絡。敵が3体に増えた。敵の戦力がUPしたのは明らかだ。勝てないと判断した時は直ちに撤退せよ。繰り返す。勝てないと判断した時は直ちに撤退せよ」

 その連絡で…3−5師団の隊員が即座に撤収を始めた。そして来る時に乗って来た大型へりで離陸しようとする。
 しかし…それを見逃すほど敵も甘くはない。一人目の超長距離砲を持つ少女は、自分のセンサーを地面につきたてて…アンカーの代わりとしたのだろう。そして狙いを大型へりにあわせ…何のためらいも無く撃った。

 そして…空中に400人の命の花が咲いた。


「第1師団。残存戦力は?」
『確認できるだけだと20人を切っています』
「第2師団は全滅したようだ」
『じゃあ、これ以降の情報は当てに出来ないんですね?』
「そういうことになるな。自分の目だけを頼りにするしかない」
 この時点で第3−第5師団は誰一人としてのこってはいなかった。
「俺も。本部に1人しかいない。これから白兵戦に向かうつもりだ。まぁ、死ぬつもりはないが」
『ということは、多分この無線が最後の連絡ですね。敵歩兵がまた増えたようで30人以上になります。接近戦・近接戦。中距離戦・長距離戦・超長距離戦・全てのパターンの戦士のオンパレードです。その全てが7−14歳くらいの可愛い女の子と言うのは…今目の前で見ない限りは誰も信じてくれないでしょうね』
「あぁ、俺だってこの目で見てなければ、何を馬鹿な事をいってる怒鳴ってるところだが…事実なんだなこれが」
『はい…私の目の前にも敵の女の子が一人立ってますよ。もう武器もつきましたから、反撃する事も出来ません………デートにでもさそって見ますか』
「ロリコンだったのかお前は…さそえたら、報告してくれ」
 彼の無戦機から聞こえた最後の言葉は…
『………「我々はDOLL。お前達を同化する。抵抗は無意味だ」………』 
 だった。
『同化』その言葉が妙に引っ掛かった。


 ベースキャンプに残った生命確認装置の電源を入れる…
 そこに写し出されたものは…
 生命体…ベースキャンプに1名のみ…俺か…
 移動体…101体……その数字は、有能な能力者を集めた第1台2部隊の数に、最初の1体を加えた数………

 は…
 最初、俺達は狩る方だとばかり思っていた。だが、良く考えてみれば、俺達に有利な点こそあれ不利な点は何も無かった事になる。これは、動物をハンティングする狩人と同じだ。
 ならば、本当の精鋭のみ100名を呼べば済む事。残り400名なんぞは一撃で殺されてしまうような兎郷の周なのだ。そんなのがいるという事は…足を引っ張るためとしか考えられない。
 事実、パニックになった彼らは逃げ出す際、離脱用の大型ヘリを使い、的となるような状態を作り出して…死んでいった。残った俺達をここから出られないようにするために。
 どこへも逃げられなくなった・そうなった時点で、狩るものと狩られるもの立場は反転した。今度は俺達が狩られる方になってしまったのだろう。
 彼らには、同化能力があると考えるね。自分達のからだの一部を相手の身体に入れる事によって、相手を自分の意のままに操れるようにしてしまう…しかし、これでは最初の1体が親ダマだとすると、のこりの100体はすべて操られている…そうなってしまう。それは俺達の技術レベルでは不可能だ。1つの脳で100体同時に問題無く動かすなんて事は考えられない。どうしようとタイムラグが生まれる。それも、この調子だと、どれだけ増えても問題無く動かせる事が出来るだろう。となると…技術レベルの差がありすぎるのか?


『後の説明が必要ならば、説明をしてやろうか』
「………ああ、出来たら事細かにお願いしたいね」
 後ろから声がかかる、何の気配も感じなかったのだが…何が待っているかは大体察しがつく。振り返ると…そこには、一番最初にこの星に現れた少女が立っていた。そして、その周りに何10体もの少女が…
『まぁ、いいだろう。我々は、
 正式名称:Mecanical and Organic Exceed Doll
 通称:『M・O・E-DOLL』
 全ての種族との同化を目指す機械化種族。他種族を捕獲改造する事で仲間を増やしている。
 外見は、装甲を装着した7歳から14歳の美少女という物であり、素材となった存在が、男性であろうが高齢者であろうが、無関係に美少女の姿へと改造される…とまぁ、こんな所だ』
「つまりは、この周りにいるDOLLさんたちは、みんな俺の元部下だったという訳か」
『そういう事になるな。もっとも、これから貴方にもDOLLになってもらうので、「元」は必要ないと思うがね』
「で、そう素直になると思ってるのかい?」
『君たちの抵抗は我々の前ではまったくの無意味だ。それは解っているのだろう』
「あぁ、解っているさ。手元には旧式な拳銃が1丁だけ、しかも残段1発。
 あんたに向けて打ったところで、何のダメージも与えられないのだろう?」
『指揮官として最高の技術を持つ貴方だ。もう負け戦は目に見えているだろう。そこまで読んでいるのに何故反抗する?』

「おれにもな、あんたらと同じぐらいの娘がいるんだ。そりゃぁもう可愛くて可愛くて、目の中に入れてもいたくないくらいのな。
 だから…俺にはあんたらを打つなんて事は出来ない。そんな事をしたら、その後、奇跡的に助かっても娘にあわす顔が無くなっちまう」
『そんな奇跡は存在しない。さぁ、我々と同化してもらおう』
「………最後に一つだけ、教えてもらえないか?………」
『貴方達の世界で言う冥土の土産というやつか?。だが、生き続けるのだからそんな物は必要なかろう』
「つめてぇやつら…結局はロボットって所か」
『我々は生命体だ。…聞くだけは聞いてやろう。何だ』
「あんたらの、弱点」
『そんな物無い。あったとしても貴様なんぞに言う訳にはいかんな。話は終わりだ』
「…なるほど、弱点が最低1つはあるって事か…それだけ解れば、十分なのかもしれないな…」
 彼女達が、どんな方法で俺達を仲間に引きいれるのかは結局解らずじまいだった。何故なら、DOLLが近づいた瞬間、俺は持っていた拳銃を自分の頭に当てて…最後の1発の引きがねを引いていたからだ。


 誰か聞いている確率は限りなくゼロに近い…でも…それでも………ゼロじゃない…
 電源を入れっぱなしにしてポケットに入れた通信装置に未来を托して。






M・O・E-DOLL 基地

「マリアス、結局、最重要人物であったコマンダーの同化は失敗したのか…」
「申し訳ありません、ゼルス指令官」
「冷静沈着がモットーのお前が、最後であんな饒舌になるとはな。おどろいたよ。
 まぁいい、代わりといってはなんだが、それに匹敵する100人の精鋭部隊を構築する事が出来たのだ。それだけでも十分な収穫といえる」

「では…次の作戦はどのようにすれば…」

 説明をしているのは、例の惑星へ最初に降りたDOLL・説明を受けているのはなんでも屋に依頼の電話をかけていた女性…声などは何とでもなる…彼女もDOLLだった。結局は、すべてしくまれた事。M・O・E−DOLL達の手のひらで躍らされていたに過ぎない。

 
 そして…また新たなる計画が始動しようとしていた。



Fin or next?

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