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この作品はシェアワールド「らいか大作戦」の一部である
【 MOE-DOLL根幹設定】並びに『DOLL王国と惑星連合との同盟』を最終的に予定されているされている、
【若葉のDOLL 萌ゆる戦乙女】を根幹作品とする

【若葉ワールド】

を前提として書かれた作品です。
DOLLについてより詳しくはこちら
大本である【らいか大作戦】は、
こちらを 参照してください。

この作品の設定は「M・O・E-DOLL」に準拠しておりますが、メインとなるストーリーとは一切関係ありませんのでご了承ください。



めるてぃの災難

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「あ〜ぁ、何でボク1人でこんな仕事をしなきゃいけないんだろう?」

 彼の口から何度目のこの言葉が出ただろうか。まぁ、一人っきりで96時間もいればそうなる気もするが…

 ぶつぶつ言っているのはコックピットに座ったハムスター…もとい、プレラット星人の『めるてぃ』だった。もちろん立派な男性。

 ハム…いや、プレラット人の性別を外見から判断するのは、テラン人でも熟練していないとなかなか見分けが着かないらしい。

 彼は、この仕事を1人でするのは始めてなのだ。つまりこの船…コンテナ船といった方が正しいだろうか…には、彼1人しか乗ってはいない。




「さて…あと72時間で目的地に到着予定だから…それまでストレッチャーで体を鍛えて一眠りするか」

 そう言って、コックピットを後にトレーニング用の部屋へと向かう。

 とはいえ、コンテナ船のため、パイロットの占有できるスペースは限られている。トレーニングルームとは…ただ単に廊下の一部に………まぁ、ハムスターを飼ったことのある人ならば解るだろう・回転する廻し車が取り付けられているだけなのだが。

 そしてその中へとメルティは入り、全力疾走………廻し車を回すことに専念するのであった。



 そして…30分

「ふーっ、いい汗かいたぁ。これでゆっくり眠れそうだ………」

 そう思い…寝室へ向かおうとしたその時…



 どーーーん



 という衝突音と共に、船全体が大きく揺れる。

 普通ならば倒れてしまうところだが、そこはプレラット星人。体勢を崩すことなく冷静に判断を開始する。

「今の衝撃は…隕石にでもぶつかったんだろうか…

 とにかくコックピットへ行って確認するのが第一みたいだ」

 そう言って、一直線にコックピットへと向かっていった。(あえてそう言わせてね。だって、ハムスターにダッシュされるとコックピットまで2−3秒で着いちゃうくらいの距離だから)



「一体何があったんだ!?」

 そう言ってコンピューターにかじりついてデーターを見てゆく。始めての1人での航海とはいえ、その辺りの判断力は流石と言うべきか。

「原因…原因は………所属不明の機体が…衝突しただってぇ!!

 そんな馬鹿な、連合でも同盟でも、判断は着くはずなのに『所属不明』なんてあり得ないはず」

 そこまで言って…もしかしたらどこかの原住民が飛ばした、宇宙船か衛星かに衝突してしまったのではないかと思い浮かべる。まぁ、実際は現在いる場所にはそんな生命体のいる星は存在しないのだが、彼にとって、それが一番合理的かつ・納得できる結論であった。

「…多分、相手側の船の人達乗っていないか、もう死んで………



 それよりもこっちの被害は………!!!???」

 被害報告を見て…めるてぃは愕然とする。

「エンジン大破・ライフシステム破損…救難装置までダメージを受けてる!?。だとしたら…」

 つまりは…このままで行くと、みすみす死を迎えるだけ・という結論なのだ…が、

「落ち着いて………確かマニュアルに、こういうときの対応法が記載されているはず…」

 そう言って、今まで一度も開けられたことはないだろう緊急マニュアルを開く。

 そこには、脱出ポッドの使用法が書かれていた。

 問題は、ここまでダメージを受けた船で、そのポッドが使えるかどうか。おそるおそる、コンピューターに確認を取ってみる。

「脱出ポッドは………無事か。良かった。何とかなるかも知れない」





 そこに記載されていたのは…プレラット人だけが使用できる脱出ポットのことが書かれていた。

 このポットは、搭乗したプレラット人を脱出前に0℃まで冷却させ、冬眠状態にして生命の維持を図るように設計されている旧型のタイプだった。だが…冬眠状態にはいると言うことはプレラット人にとっては一種のカケなのだ。

 昔…プレラット人が大自然の中で生活している際に必要に迫られて身に付いた機能ではあるが、それからの長きにわたる進化の後にその機能はほとんど使われることはなくなった。その為、現在ではごく僅かではあるが、その生体機能を失っているプレラット人がいるというのもまた事実なのだ。現に冬眠状態のまま死んでしまったケースも報告されている。

 現在標準で使用される脱出ポッドではそのような点で改善がなされ、その状態にならなくても数週間は生命を維持できるように格段に進歩している。(もっとも『最後の手段』として、その機能は残されてはいるのだが)





 脱出ポッドの前で、めるてぃは悩んでいた。

 …めるてぃが、脱出ポッドに入るのをためらうのは解らなくもない。もし自分に、昔のプレラット人が持っていた冬眠する能力がなかったら、ここに入ることは死を意味する。かといって…入らなければそれこそ緩慢な死が待っているだけ…

「結局どっちを選んでも一緒だぁ。なら、一途でも望みのある方に賭けてみる!」

 そう言って脱出ポッドの乗り込むめるてぃ。

 カプセルを閉めると同時に、急激に周りの温度が低下してゆく。それにともなって…めるてぃも心地よいとは言えない睡魔に襲われて…眠りにつく。



 そして、機械が搭乗者の冬眠を確認したところで、脱出ポッドはコンテナ船から切り離された。








 場面は一転して…ぶつけられた方からぶつかった方へと変わる。

「あたたたた…またやっちゃったぁ」

 そう言って、コンソールから起きあがったのは…まぁ、言わずもがなの『不適格DOLL』アメリアだった。

 実はこの時も、こっそりある星へお子様ランチを食べに言った帰りだったのだが…またって事は、いつもやってるのかお前は…

「今度は何にぶつかった………って、貨物船!」

 いやぁ、ぶつかってから言うのも何なんだけど…これだけでかい物にぶつける方が不思議だと思うぞ。なにせ、下手な隕石よりでかいんだから。

「DOLL種族の…じゃないよね、こんなタイプの見たこと無いし。って事は、他の知的生命体の建造物ってことに。でも、私が今までいた星には、簡単に宇宙まで出ていけるだけの科学力はなかったはずだから………まさか、未知の知的生命体!」

 一応は調べているらしい知識を振り絞って、アメリアは結論を導き出す。まぁ、この時点ではすでにファーストコンタクトがあったので『未知』ってわけじゃあ無いんだけどね。

「これだけの知的生命体を仲間にすれば…今度こそ褒めてもらえるかも知れない…うまくいけば昇進だって」

 …まぁ、そうかも知れないけど、すでにこっそりとここへ来たって部分が抜け落ちているアメリアだった。昇進は絶対にない(キッパリ)



「とりあえずは…船内にある生命体反応を検索っと………あれ?、ゼロぉ?。ってことは、もしかしてこの船って無人操縦?

 なぁーんだ、心配して損しちゃったぁ」

 お前、いったい何の心配をしたって言うんだ?

「なら、何の問題も無しっと。

 で、このコンテナって何を運んでたんだろう。それだけでも調べておきたいなー」

 そう言って戦闘機のハッチを開ける。ちなみにDOLLは、宇宙空間でも問題なく動作できる。ただ…今アメリアが身につけているのは、今までいた惑星の『ヨウフク』…無重力だと邪魔くさいことこの上ないが、流石にいつもの装甲は基地に置いてきてしまったので…しょうがない。





 外へ出ようとした瞬間

『ごんっ』

「いたーい、何で毎回毎回、何かにぶつからなきゃならないのよーっ」

 その辺りは作者の意図したところではないが…お約束ということで。

 アメリアと脱出ポットは正面衝突をすることになった。ちなみに脱出ポットのサイズは1m弱。それに射出時にも加速はつけていないので、アメリアとぶつかってもどちらも平気だったようだ。

「これって…一体何だろう」

 そう思いながら、中をスキャンしてみる…と、微弱ながら生命体らしき小さな反応があった…でも、スキャナーは中の生命体を瀕死の状態と判断する。

「やばいじゃないのぉ。このままだと中にいる動物…サイズから言うとネズミさんかな?、死んじゃうよぉ。

 ええっと…これかな…このボタンかな?」

 そう言ってそこら中のボタンをいじり回している。と、



 普通なら、一旦内部温度を上昇させて冬眠状態から戻ったことを確認しない限り、開くことのない脱出ポッドがいきなり開く。

(うーん…機械に意図しない動作をさせるって、ある意味、彼女の生まれ持っての特殊能力かも知れないねぇ)

「これは…もしかして、中にいた知的生命体が、自分の飼っていたペットだけは助けようとして脱出させたのかな?

 …いい話よねぇ。自分の命も省みず、大切にしているものの命を助けるって…」

 1人で酔っているアメリアがあった。大体が、この脱出ポッドのサイズを見れば人間が乗れないことぐらいは判断がつくと思うのだが、その辺りにはちーとも頭が回らないタイプだった。



「でも…この子かぁいい〜」



 可愛い物を見ると、ついついキスをしてみたくなるのが知的生命体の本能という物(なのか?)。あ、本物のハムスターにキスをしないように。唇を噛まれても作者は何の保証もできません。ちなみにネコの場合…顔をひっかかれる可能性がとてつもなく大きいです。

(ついでに言えば…Q熱という病気になる可能性があるので、むやみに動物とのキスはやめましょう。これは本当)



 そして…アメリアは、めるてぃにキスをする。そして…無意識的にナノマシンを送ってしまう。ちなみに、知的生命体でなければDOLLナノマシンが体内に入っても休眠状態になるだけで決して反応は起こらないはず。
 …なのだが…

 その反応は起こってしまった。



 ハムスターだった身体が、だんだんと人間の姿に変わってゆく。もちろん女性の姿へと。

 とはいえ、元のサイズがサイズだったためにサイズ的には15cm程度の大きさでしかないのだが…



 焦ったのは…当のアメリア。

「えっえぇえーーーっ、もしかしてもしかして…この子って、知的生命体だったのぉ。じゃあじゃあ、この船を操縦してたのって…この子ぉ!?」

 焦っても後の祭り。自分の手の中でハムスターからヒューマノイドタイプへと徐々に変化していくのを見ながら………

「どうしよう・どうしぃよう・どうしょい…」(打ち間違いではないです。焦ってるのです)

「そ・そ・そうだ!、み…み…見なかったことにしよーっと」

 そう言って、変身途中のめるてぃを、元いた場所…つまり脱出ポッドの中へと戻して、そのままポッドを力任せに放り投げる(ぉぃぉぃ)

 そして、ポッドは宇宙の闇の中へと消え去っていった………





「さ…さーて、このコンテナの中身は何かなーっ」

 さっきの行動を記憶の彼方へ無理矢理消し去ろうとして、そっちへと思考を変える。もっとも、彼女の脳内のデーターベースに残る気もするんだけど…

 アメリアは、コンテナの中へと入り込む…そこには………信じられない物が山のようにあった。

「こ…こ…こ………これは………

 トマトケチャップにゃーーーーーーーーーーっ!!!!!」

 そう、トマトケチャップ。それは、彼女たちDOLLにとって最大の嗜好食『お子様ランチ』には必需品と言われているライスに味付けするための必須食品…なのだが、収穫量が限られているために、彼女クラス・つまりポーンだとほとんど味が付いていないと言う情けない状態なのだ。

 ある意味、これはDOLL達にとっては黄金の山と同じなのかも知れない。

「これは絶対持って帰るにゃーーーーーっ!!」

 そう言ってアメリアは、ウキウキとしながら戦闘機と全てのコンテナ(だけ)を繋いで帰路へとつくのだった。

 それって、単なる強奪だよ………



 ちなみに、アメリアのデーターベースから、めるてぃをDOLL化した事は、『トマトケチャップを発見した』事により完璧に上書きされて影も形も残っていなかった。すでに彼女の頭の中は『トマトケチャップ』でいっぱいだった。









 さて…放り投げられた(ほんとに酷い)めるてぃの乗った脱出ポッドは、偶然にも大型惑星のそばを通過するときにスイングバイで加速・方向変換することになり…奇跡的に3ヶ月後、連合のTS9基地の近くで発見されることになった。



 脱出ポッドが開けられると…そこには15センチほどの少女が入っていた。しかし頭にはプレラット人と同じ耳が。そして尻尾がはえていた。そして…身体が装甲で覆われていた。そう、完全にDOLL化していたのだった。

 目を覚ましためるてぃは…お約束の言葉を紡ぎだす。

「我々はM・O・E-DOLL。お前達を同化する。抵抗は………………」

 そこでめるてぃの言葉が止まる。そりゃそうだろう。自分は15センチ…対して、周りにいるのはテラン人・キャロラット人。まぁ、プレラット人もいるにはいるが、体格差がありすぎて勝負にならないのは火を見るより明らか…

「抵抗は………しないから、ボクを苛めないでぇ………」

 結局そのサイズでは何もできないのね。でもその一言で…萌えた人物がいたとかいないとか…





 その後、めるてぃは、DOLL装甲除去手術をうけた…のだが、元のプレラット人と同じ姿に戻る事は出来ず、そのまま15センチのハム耳少女として暮らすこととなった。

 DOLLとのコンタクトは連合にとってこれが2回目なのだが、今回はDOLL化しためるてぃは、眠っている間にDOLL化されたため何も覚えておらず、目新しいことは見つからなかったのだった。ただ1つ『どんな種族にもDOLL化が可能』ということが解ったこと以外は。

 めるてぃは、流石に元の職場に戻ることは許されず、そのままTS9内で働くことになったのだ………が、何故かテラン人やキャロラット人・果ては同じプレラット人にまで人気を博したのは…なぜだろう?

(好き者って…どこにでもいるって事なのかな?)





 え、めるてぃの人格が何になったのかって?。どうやら追加人格は『ドジっ娘』ではなかった物の…『赤面症』になったらしい。

 その為ではないのだろうが…いつも大したことはないちょっとしたミスをすると、顔を真っ赤にして、無意識に恥ずかしそうな仕草をして…周りの人々を萌えさせていたという。

 その後、基地内にDOLLっ娘ファンクラブが出来たとか出来てないとか…



 めるてぃの災難は…つづく。
(でも、お話はつづかないです)








 おまけ…

 大量のトマトケチャップを持って帰ったアメリアは…仕事中に個人行動をしていたことがばれてしまい、持ち帰ったトマトケチャップを全てを没収されることで、処分を免れた…のだか、この方が彼女にとっての拷問よりもきつい処分だったらしい。

 その日1日は涙で枕をぬらしたとか………



 アメリアちゃん、それは『自業自得』って言うんだよ。





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