戻る


惑星テラン。
惑星連合の主星。軍務、政治、経済の中心である。
軍直轄の教育機関として連合アカデミー本部もこのテラン星にある。
そのアカデミー校舎の一室。「宇宙生物学研究室」の掲示がかかっている。
教授陣一人一人に割り当てられる研究室。
この時代には「本」と言う物は珍しいのだが、この研究室には当たり前のように古ぼけた専門書が棚に並んでいる。
「本」にこだわるのはこの部屋の主の主義でもある。
不意に呼び鈴代わりの電子音が静かな部屋に響く。
部屋の主は手にしていた本から顔を上げ、入口に向かって言い放つ。
「開いている。入りたまえ」
「失礼します」
白衣を着た若い女性の助手が入ってくる。
「教授、休憩なさってはいかがでしょう。準備できました」
「ああ、そうさせてもらう」
「また本ですか」
「ミーア君、電子データベース化されていない物の中には知られていない真実が隠されている物なのだよ」
「そんな宇宙文化学の老教授じゃあるまいし。今では似合いませんよ」
教授と呼ばれた人物は本を机の脇に押しやり、やおら立ち上がる。
部屋の雰囲気、言葉の雰囲気とは全然違った若い女性。
まだ教授と呼ぶにも憚るような、助手のミーアよりも年下の女性である。
「さて、女性陣の御相伴にあずかるとするか」
ミーアは苦笑混じりで教授に答える。
「教授も今や女性なんですから。ね、プラムちゃん」
「その呼び方はやめんか。仮にも私は……はぁ、言っても無駄だったな」
滅多に感情を出さないことで知られている教授も、この呼び方をされると途端に狼狽する。
要は恥ずかしいのを無理に誤魔化しているのだ。
その態度がますます助手達や学生の人気を高めてしまう結果になっているのだが、本人は気づいていない。
今も誤魔化すかのように、研究室をそそくさと出て、助手達が待っている実験室に向かう。
後に残された助手一名。慌てて後を追う。
「もう、オートロック外したままなんだから。スピナー教授ったら」



らいか大作戦・番外編5

〜創られた生命(前編)〜

作:かわねぎ



宇宙生物学実験室。
数名の学生と助手が小さなテーブルを囲み、ティーカップに紅茶を準備している。
こぢんまりした所帯なので、教授も助手も学生も一緒に休憩をするのだ。
この場では馬鹿話もすれば、研究上のディスカッションもしたりする。
和気あいあいな中で頭の回転を上げようというスピナー博士の習慣だった。
実際学生達にも受けがいい。
「今日はハーブティーか。最近多いな。君達の中で凝っている者がいるのか?」
「はい、私です」
女子学生の一人がティーポットを片手に答える。
「ケイト君か。この香りはクラティムだな。自白剤にも使われるのは知っているか?」
「はい。含有成分が同じなんですよね。でもこの香り、好きなんですよ」
「同感だ。私も口が軽くなるかもしれんな」
「教授には教えてもらいたいことは山ほどありますから、好都合ですね」
ケイトと呼ばれた学生がティーカップにお茶を注いでいく。
スピナー博士の研究室では、お互いをファーストネームで呼び合うことが習慣になっている。
もっとも、最近ではスピナー自身のことをファーストネームで呼ぶことを禁じようかとも思っている。
女性名の「プラム」ではどうも調子が狂ってしまうのだ。
学生はまだ遠慮があるが、助手は好んでプラムと、時にはわざとちゃん付けで呼んでいたりもする。
「スピナー教授、イーター、それもUX-485の開発経緯についての質問なんですが」
「そう言えば、ケイト君にはまだ話したことはなかったな」
「ええ、私は半年前に教授が戻ってからの配属ですから」
「ふむ。以前の、男だった頃の話になるがな。UX-4シリーズの開発着手。あれは3年前に遡る」
自分の記憶をたどるように話し始めるスピナー。
顎に添えた人差し指が可愛らしい。
決して成功秘話ではないそれは、スピナーにとって余り良い思い出とは言えなかった。

  ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★


3年前。
惑星連合艦隊司令本部。
その一室で、二人の中年男性が話し合っていた。
艦隊士官とスピナー博士。
胸から上が黄色の制服とその階級章から、相手は技術系の大佐らしい。
デスクの上のプレートにはバルディ大佐と書いてある。
スピナーはデータパッドを見つめながら、面白くなさそうに立っている。
「スピナー博士、君にも悪い話ではないと思うが」
「軍との共同研究か。今までの研究に優先することと言われてもな」
「君の論文は読ませてもらったよ。やはり実践は必要だとは思うが」
「アカデミーの設備で、今の予算で、出来る訳が無いことぐらい自分でも承知している」
「その為の共同研究だよ。軍の研究施設とスタッフの利用も可能だ」
「それは魅力的ですな」
それほど魅力的ではないと言う口調で返すスピナー。
バルディはその態度は気にも止めずに続ける。スピナーに対してのエサはまだまき終わってはいない。
「軍のプロジェクトだ。予算面も潤沢にとは言えないが、アカデミーの科研費よりは一桁違いで用意できる」
「それなら例の論文の実践も可能だが……まだ理論も未完成なのだ。いいのか」
設備、予算、どれをとってもスピナーにとっては魅力的な申し出ではある。
正直言って飛びつきたいのが本音だ。だが、自分の研究は安売りはしたくない。
大して興味がない態度を装っているのも、よりよい条件を引き出すためのブラフに過ぎない。
もちろん研究の主導権を握らなくては問題にならない。
それについてはバルディ大佐も分かっているようだった。
「……もちろん君主導で出来るように取りはからうようにしよう」
「秘密主義は好まないのでね。学会発表も自由にさせてもらおう」
「あくまで研究成果は君の物。我々は実用部分を使わせてもらうだけでいい」
研究のスポンサーとしての軍、つまりは惑星連合。
民間企業との提携よりも羽振りは良さそうだ。
多少の口喧しい点についてはこの際我慢しなくてはなるまい。
「これ以上反論がなければ、同意と取ってよろしいかな、博士」
「ああ。私に目星を付けたバルディ大佐の顔を潰すつもりもないからな」
「理解してもらってありがたいな。近いうち、我々の技術スタッフを君の所に送るのでよろしくお願いするよ」
「能力がなければ容赦なく切るつもりでいるので承知してもらいたいものだな」
「ああ。優秀なスタッフを用意するよ」
これ以上余計な話はしたくないとばかりに部屋を退出するスピナー。
ドアが閉まるのを見届けて、バルディはおもむろに卓上型ビュワーに手を伸ばす。
「バルディだ。ハミル提督につないでくれたまえ。レベル9プロテクトでな」
ややあって、通話リンクが設定される。
強度な暗号化がされているので、まず傍受されることはない。
「プロジェクト開始です。博士は研究のスタートを了承しました」


アカデミー宇宙生物学研究室。
スピナーが戻った後、部屋は黄色い歓声に包まれていた。
この研究室はスピナー以外助手も学生も女性で占められている。
スピナーの人選によるものだが、ある能力に従って選んだ結果、こうなってしまった。
世間では博士自身の趣味、と取られる向きもあるが、本人はそんな評判など気にも止めてはいない。
それに女性には紳士的に接しているため、彼の態度は助手達にも好意的に受け止められている。
「いよいよあの理論を実践できるんですね」
「私達の手で作り上げることが出来るんですね」
「早速、素粒子研にも知らせましょうよ」
予算獲得、プロジェクト開始の吉報に沸き立つ助手達を落ち着かせるのもスピナーの役目。
「君達、落ち着きたまえ。まだ始まってもいないんだぞ」
「スピナー教授、実践できれば新しい生命を生み出すことになるんですよ」
「そうです。我々生物学を志す者にとっては、まさに夢なんです」
沸き立つ助手達を見て苦笑するスピナー。
それには自分自身も喜んでいることに対しての苦笑も含まれているのだろう。
「新しい生物の創造か。素粒子物理学に則った」


  ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★

スピナーは話をひとまず区切ると、ティーカップを手に取った。
助手のミーアが口を挟む。自分の知らない部分の話が聞きたい物だ。
「プラム教授、女性になっちゃった話聞きたいです」
「ん、それはまた先の話だ。細かい研究の経緯は論文の通りだから端折るぞ。ケイト君、いいな」
「はい。教授の論文は全て読ませてもらってます」
「結局、あの時点では研究は完成しなかった訳だ。時間があれば完成していた」
「軍の介入ですね」
「ああ。それから生命力、すなわちオーラの吸収能力の研究に重点が移っていった」

  ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★


2年6ヶ月前。
アカデミー事務局応接室。
バルディ大佐がアカデミーを訪問してきたのである。
もちろんスピナー博士の研究に関わることだ。
助手のユキがお茶を出してくれる。バルディは礼を言ってカップに口をつける。
「粗体UX-483,485,489が見込みがあるとの報告を受け取ったのでね。顔を出してみた」
「ああ。やっと見通しのある報告が出来た」
「今までの報告は君にとっては屈辱ものではないのかね」
「失敗の積み重ねだな。だがそれも重要だ。大佐も技術系上がりなら理解してもらえると思うが」
「だが、お偉いさんは納得してくれん。結果が全て、だからね」
苦笑するバルディ。
官僚組織という物にはスピナーも手を焼かされることが多々ある。
事務局の連中とか科学庁の役人とか、教授ともなると厄介事が多くなるものだ。
「大佐の立場が良くなるかは不明だ。まだ未完成であることには変わりないからな」
「でも手応えはあるのだろう」
「ああ。現時点で自己増殖が可能なのがUX-483と485。やっとこの段階で生物と呼べるかどうかの境界だな」
「生命力の吸収、これは興味深いね」
「自己増殖のための栄養摂取に相当する。生命力の豊富な兵士を実験台に提供して欲しい物だ」
さらりと人体実験の申し出をするスピナーに、少々驚くバルディ。
もちろんスピナーとしても本気で言っているのではない。
「生命力を提供しろというのか。まあ、軍には血の気の多い奴が掃くほどいるので集められるが」
「どこまで増殖するか、個体として成立するために必要なのか、見極めたいからな」
「わかった。人手についても協力しよう。生命力が多そうな兵を集めてみよう」
人体実験と言っても、生命力の献血のような物である。
今研究中の粗体に生命力を充填することで、生物により近づけようとする目論見である。
サンプルが多ければ、充填できる生命力が多ければ、研究もより完成に近づくことになる。

バルディ大佐の訪問が一段落ついた所で、スピナーは助手のユキに話しかける。
「ユキ君」
「はい」
「あの大佐のお陰でまた研究がはかどるという物だな」
「はい。ただ生命力の吸収については気になる部分があります」
ユキがテーブルの上のカップを片づけながらスピナーとの話を続ける。
「最近スタッフが疲れを訴えているのはご存じですか」
「ああ。私も含めてな。そこで医療部に生命力測定を依頼してみた」
「やはりUX-4シリーズの影響でしょうか」
「全員生命力の低下。UX-4シリーズに接近した者が特に影響を受けている」
「やはり詳細に調べる必要がありますね」
「生命力には個人差がある。サンプル数を多くして傾向を掴まなくてはな」
「まるでUX-4が人のオーラを食べているみたいですね」
「比喩的な言い方だな。人のオーラか」
テーブルの上を片づけ終わると、トレイを持って部屋を退出しようとするユキ。
スピナーが再びソファーに深く身を預けていることに気づく。
心なしか顔色が悪いようだ。
「教授、どうなさいました」
「いや、なんでもない。いや、実は私も疲労を感じている」
「そちらの対応も立てなくてはなりませんね」


惑星連合艦隊司令本部。
在テランの軍関係者は全員医療部で検査を受けていた。
通常の健康診断の一環で行ったので不審に思う者はいなかったが、項目が多少追加されていた。
生命力の数値化。言ってみればオーラ能力の有無の検査である。
その検査結果はスピナー博士も目を通していた。
「男性より女性の方が生命力が旺盛か」
「ですが、年齢はあまり関係なさそうですね」
まさに千差万別。個人差が大きすぎる。
若い人間がオーラ能力があるのかといえば、そうは言えない結果が出ている。
データパッドを流し読みしていたスピナーの目がある部分で止まる。
数値をソートして表示していたのだが、二人だけ突出して能力が高い者がいた。
「ユキ君、この二人のデータを見たまえ」
「な、なんなんですかこの二人は。他の人の5倍以上の数値がありますよ」
「うむ、この二人……候補生か。ならアカデミーから直接招集をかけられるな」
データパッドの表示を読んでいたユキがさらに驚きの声を上げる。
「まだ子供ですよ。10歳に16歳。信じられません」
「フレイクス候補生にモルガン候補生か。今すぐに招集をかける」
そう言って、スピナーは卓上型ビュワーに手を伸ばした。


医療部待合室。
ここの雰囲気は軍関係施設と言うよりは本当に病院の待合室だ。
だが、現在の地球と違い、クレゾールの匂いというものはない。
滅菌方法が異なるので、消毒薬を使わなくても良いのだ。
それでも落ち着かない雰囲気であることには変わりない。
居心地悪そうにしている少女が二人、長いすに座っていた。
「ねえ、ライカ。あなた体悪かったの?」
「ぜんぜんそんな感じはなかったけどな。キャシーも呼ばれてるんでしょ」
「ええ。何なのかしらね。まさか重大な病気が見つかって、任官できなくなるとか」
「そんなの嫌だよ! せっかくもう少しで任官できるっていうのに」
「ライカのところは軍人家系だもんね。冗談よ」
「じゃあ、何で私達二人だけ呼び出しなの?」
「分からないわ」
座ってる少女の片方は小学生くらいの子供。腰までの長い金髪が印象的だ。
歳の開きからか、傍から見ると姉妹のようにも見える。
そんな取り留めのない会話をしているうち、館内放送で呼び出しがかかった。

スピナー達がいる部屋のドアの呼び出し音がなる。
おそらく招集をかけた候補生だろう。
「入りたまえ」
スピナーの予想通り、候補生の少女が二人、入ってきた。
「キャサリン・モルガン候補生、入ります」
「ライカ・フレイクス候補生、入ります」
「そこにかけたまえ。病歴等のプライバシーに関わる話ではないので、気を楽にしたまえ」
スピナーの勧めで椅子に身を沈める二人。
「私はヌニエン・スピナー。アカデミーの宇宙生物学の教官だ。私の講義を受けたことは?」
「「はい、あります」」
声を揃えて答える二人。
軍人候補だけあり返事は明確なものの、なぜ病院で検査の後に生物学の教授に呼ばれるのか、その辺の関連が全然掴めないライカ達だった。
「なら知らない顔という訳でもないな。単刀直入に言おう。実験に協力してもらいたい」
スピナーの話に顔を見合わせるライカ達。いきなり実験と言われても何のことだかさっぱりである。
「もちろん、人事部の了解は取り付けてある。この辺が官僚的なのだが、君達は手続き上、軍からアカデミーへの出向となる。もちろん訓練時間に算入される」
スピナーの話を漏らさずに聞いていくライカ達。訓練生の態度として模範的である。
「一応、軍からの命令と言うことになる訳だが、赤紙一枚で招集と言うのは嫌いなのでご足労願った」
「「了解しました」」
起立して敬礼を取るライカ達。
士官というのは最初は誰でもこうだな、と苦笑するスピナー。
いや、今のうちが初々しくて良いのかも知れない。
それにしても10歳の子供が敬礼している姿というのはどうかと思う。
「一つ質問してもよろしいでしょうか」
「かまわんよ。フレイクス候補生」
「なぜ自分達二人がこの任務に充てられたのでしょうか」
「君達二人はオーラ能力が突出しているのでな」
「「オーラ能力?」」
初めて聞く言葉に戸惑うライカとキャサリン。
「どういう事でしょうか」
「生命力が豊富とでも言おうか。ある種の能力に優れている訳だ」
「生命力……ですか」
スピナーの説明でもあまり分からない。
学者というものは簡単なことを難しく言う人種だと聞いたことがある。
まあ、これから研究に協力していくことで、おいおい分かってくることだろう。
「一つ命令しておく」
「「はい」」
「研究室では軍人言葉はやめたまえ。窮屈でかなわん」
「「はぁ……」」
士官候補生としての訓練とは正反対のことを言われたライカ達。
困惑の混じる返答は十分軍人らしからぬものであった。


  ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★

「こうして、候補生二人の協力でオーラ吸収能力について研究が進んだ」
「ライカ・フレイクス候補生って、あのライカちゃんですよね」
「ああ。地球……ソル3号星で散々な目に遭わされたがな。あの時とはまるで別人だ」
「そういえばライカちゃんが来るのって今日でしたよね」
「ユキが迎えに行っている」
散々な目に遭わされたと言いながらも、何処か懐かしい目をするスピナー。
研究室に来てまだ日の浅い学生のケイトにとっては、目の前の女性が以前男性だったとは信じがたい。
ちょっと足を組み直して話を続ける。その仕草一つ取ってみても、女性としか見えない。
「この頃からUX-4を『オーライーター』と呼ぶようになった。もはや固有名詞になったな」
「生物種として認められましたものね」
「立派な生命体だよ。彼らは。我々が作ったからと言っても、我々と同等の存在なのだよ」
「でも、オーラ吸収能力以外の研究については妨害されたんでしたよね」
「ああ。外見の固定化に取りかかる前にあの事件が起こった。今にして思えば軍の差し金だったな」

  ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★


2年2ヶ月前。
アカデミー宇宙生物学実験室。
不定形のイーターを収容するケージが並ぶ。
ライカとキャサリンも実験の協力のために実験室へ詰めていた。
助手のミーアが二人の腕と頭に取り付けられた電極パッドを手早く外していく。
「今日の研究メニューは終了っと。ご苦労様、二人とも上がっていいわ」
「はーい」
元気に答えるライカ。軍の候補生といえども、中身は普通の少女だ。
研究室では軍と違って抑圧されていない分、心底明るい表情を見せている。
そんなライカを見ていると、研究員達もどこかほっとするものだ。
「あなた達のオーラ能力のお陰で大分研究が進んでるわ」
「そのオーラ能力ってのがいまいち分からないんですけど」
「そちらの方の研究はまだ始まったばかり。自然界にはね、分からないことが多いものよ」
研究に協力して数ヶ月。
強いオーラ能力を持つというのがライカもキャサリンも信じられずにいる。
オーラ能力は目に見えるものではないので、自覚がないのは仕方がないものだ。
事実、連合でも研究が始まったばかりなのである。

最初にそのイーターに気づいたのはキャサリンだった。
「あれ? ミーアさん、一体がケージから出てますけど?」
「え? 励起ランプを切ったのにあの子達を見れるの? イーターは励起状態じゃないと見えないのよ」
「いつでも見えますよ。ね、ライカ」
キャサリンはライカに同意を求め、ライカも頷く。
驚くミーアだが、当のライカとキャサリンはきょとんとしている。
「それにコンピューターには全体収容してることになってるわ」
「そんなことないよ。ほら、こっちおいで」
ライカが何かを抱き抱えるように手をさしのべる。
ミーアが部屋の励起ランプをつけると、確かにライカは不定形のイーターを抱き抱えていた。
「本当ね。基底状態のイーターを見られるのもオーラ能力の一つかしらね」
「だったらこのふわふわさん達と仲良しになれるかな」
「それはこれからの課題ね。まだ本能のままでしか動かないから。性格付与はこれからよ」
「そっかぁ。友好的なのがいいな」

何の前触れもなく、ライカの腕の中のイーターが見えなくなる。
それと同時にケージの割れる音が部屋に響く。
「何なの?」
キャサリンの問いかけに、ミーアがコンソールパネルを見て答える。
「まずいわ。励起ランプが全部切れてる。オーラ抑制フィールドもよ」
「イーターが全部ケージから出てきたわよ」
「まずいわね。あの子達、見境なく襲ってくるはずよ。今の実験中なら」
「今日は何の実験だったのよ」
「絶食実験」
「「なんですってぇぇ」」
あっさり答えるミーアに対して同時に声を上げるライカとキャサリン。
イーターの食料源は生物の生命力。今の場合はライカ達がその供給源。
当然ライカ達もそれに気がつく。そして、誰が一番「食料」として魅力的かも。
ミーアが作業中の研究員達に呼びかける。
「みんな、逃げるわよ、封鎖するわ」
「キャシー、研究員達を誘導して」
「ライカ、あなたはどうするのよ」
「封鎖の前にこの子達を止める」
そう言って、近くにあった掃除用モップを構える。
あんまり格好良くないと思うが、10歳の子供がやると案外絵になるものだ。
「囮になる気? こんなふわふわ、殴っても効果無いわよ」
「そうでもないんだよ。この前ね、スカートの中にもぐり込んだから箒で叩いた事あるよ」
「……箒でもモップでも何でも良いから引き留めといて」
「うん」
キャサリンがミーア達研究員を部屋から外に誘導する。
じりじりと出口に向かうイーター達。
それに立ち向かうライカ。モップを持つ手に力が入る。
ちなみにイーターにはフェイザーが効かないことが研究によってわかっている。
「君たちはお家に戻りなさいよ」
モップの表面にさっと赤い光が展開される。
ライカもそれを見て軽い驚きを感じたが、今はイーターを止めておくのが役目だ。
的確にモップを振り回していく。不思議とモップが当たると効果があるようだ。
「さあ、私の所にかかっておいで。順番にね」
ライカはこの時点では知らないが、後にオーラブレードとして実用化される武器のはしりでもある。
「ちょ、ちょ、ちょっと、数が多いよ、これ。キャシー、早く来てよ」
モップオーラブレードで攻撃しながらも、数で押されていくライカだった。

研究員達を避難させたキャサリン。
全員の無事を確認して、急いで研究室に戻ろうとする。
そんなキャサリンにミーアが球状の物体を渡す。
「待って、キャシーちゃん。これを使って」
「これは?」
「緊急用シーリングカプセル。イーターを素粒子レベルで保管する容器よ」
「これにイーターを封じ込めれば良いのね」
「ええ。ライカちゃんが危ないわ。候補生とは言え頼りになるのは軍のあなた達だけなの」
「わかったわ。一応保安部にも連絡しておいてね」
キャサリンはライカの身を案じながら研究室にとって返した。
手には近くにあった塩ビのパイプを握っている。ライカと同じように武器にするつもりだ。
研究室の扉を思い切り開く。
「ライカ、これにイーターを閉じこめるのよ!」
だが、キャサリンが見たのはイーターの山。おそらくライカはその下敷き。
オーラを吸収され尽くすとどうなるかはまだわかっていない。
生命力が無くなる訳なので、最悪、死を覚悟しなくてはならない。
「ライカ!」
ライカを救うという明確な意志のお陰で、意識せずにパイプにオーラを展開した。
「シーリングカプセル、頼むわよ」
イーターの山を一体一体崩しながら、同時にシーリングカプセルを構えて、イーターを封じていく。
山をあらかた崩し終わると、ライカの姿が現れた。
何故かは知らないが、ライカの体が赤い光に包まれているのが見えた。
ライカを抱え起こすキャサリン。どうやら意識ははっきりしているようだ。
「ライカ、無事?」
「重かったよぉ。何か知らないけどイーターも私には手を出さなかったみたい」
「よかった。その光のお陰かしらね」
「あれ、ホントだ。何なんだろうね、これ」
自分を包むオーラの光に少し戸惑うライカ。
「ライカも私も不思議な能力があるようね」
「こっれがオーラ能力ってこと?」
「そうみたいね。この薄ぼんやりした光は普通じゃないわよ」
遅れて保安部員がやってきた時には完全にシーリングカプセルによる封印が完了していた。
イーター開発は、この事故により凍結。
イーターと戦ったライカとキャサリンについては、軍による徹底的な検査が行われたという。


翌日。アカデミー中庭。
スピナーは一人で芝生に座って「本」を読んでいた。
データパッドが主流のテラン星ではそんな奇特な光景も、自然と風景に調和しているものだから面白い。
集中力が欠けているのは疲れのせいだと思いたいのだが、先日ある原因を医療部から指摘された。
いや、それとは違うと思いたい。
朝からあった緊急の教授会のせいだ。
要は昨日のイーターの事故に関する対策会議。安全上の批判を一身に受ける羽目になったのである。
「責められるのもわかるが、研究の凍結までは行き過ぎだな。連中の事なかれ主義には恐れ入ったよ」
そんな愚痴も出るけだるい午後の日差しの中、芝生にもう一人の男性の影が差す。
「ヌニエン、ちょっといいか」
「ゲーツか。気分転換の読書のつもりだったが、全然頭に入らん」
「なら邪魔しても構わないな」
ゲーツと呼ばれた男性がスピナーの隣に腰を下ろす。
彼はアカデミーの天体数学研究室の教授。スピナーと同じくらいの歳だ。
アカデミーに奉職したのも同期である。
「まずは緊急教授会、お疲れさま。相当参っているようだな」
「そう見えるかね。それなら違う。イーターのオーラ吸収能力のせいでの疲労だな」
「嘘つけ。オーラ抑制フィールドやシーリングカプセル、色々対策立てているくせに」
「ふん。自分のペースが崩されると疲れもする」
「本当にそれだけか? まあいいがな。確かに軍の連中のペースに巻き込まれてたな」
「ああ。連中の資源の配分は偏りすぎだ。UX-485のオーラ吸収特性のみを引き上げている。それであの事故だ」
読んでいた本を閉じ、大事そうに芝生の上に置くスピナー。
研究が嫌になった訳ではないが、次のアイディアが出てこない事は良くある。
「お前は典型的な学者馬鹿だから、一つ忠告しておいてやるよ」
「研究は一時凍結状態だがらな。今のうちはブレインストーミングがありがたい」
「お前は未完成と思っているがな、ある目的のためには十分過ぎるほど完成品なんだよ」
「完成品だと? あのUX-4が?」
「未完成故に完璧なんだ。特性を考えて見ろ」
「数学者のくせに哲学的な物言いだな」
「数式を相手にしていると悟りを開けるってもんだ」
「UX-4は我々人間の遺伝子をベースにしているとは言え、個体としてはまだ独り立ち出来る物ではない」
「ふん、あくまで未完成か。厳しい自己評価だな」
「客観的に研究を評価するのは研究者として当然だ」
「生物としての評価をしてるんじゃない。もし、あれが今のままで兵器に転用されたら?」
「未完成品をか。そこまで軍も馬鹿ではあるまい」
「姿を感知されずに近づくことが出来て、気づかれないまま生命力を吸収出来る生体。知能とか外見とかそんなのは問題じゃない」
「まさか連中の狙いは……」
イーターの完成まではまだ研究の余地が多数ある。
それなのに軍のスタッフはオーラ吸収能力の開発をあくまで優先していた。
もし、軍の望むものがイーターのオーラ吸収能力のみだったら?
新しい生命体としては興味がなかったとしたら?
「お前のパトロンのバルディ大佐。奴の後ろ盾は軍の超鷹派で知られるハミル提督だからな」
講義が始まる時刻を知らせるチャイムが響き渡る。
「おおっと、長居しすぎた。ヌニエン、邪魔したな。それとお前、医療部に行ってたみたいだが?」
「医療部? ああ、ちょっとな。プライベートだ。心配は無用だがな」
「我が子同然の実験体の世話も良いが、自分の健康管理くらいきちんとしておけ」
「……忠告感謝する」
一人取り残されたスピナーはしばらく芝生の上で考え込んでいた。
もちろん自分の健康と言ったことではない。
治療法が見つかっていない「ウィーグレン症候群」に罹患している事など、自分の胸にしまっておけばいい。
問題はオーライーターの軍事利用。
当然軍が絡んでいる研究だから考えられないこともない。
だが、通常の軍事行動に使えるものだろうか。
都市への小規模な侵攻にしか使えまい。それも極めて限定的だろう。
軍に対して様々な疑念が浮かび上がる。
その疑念を現実へ突き進めるような事件が起こったのは、偶然だったのだろうか。


  ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★

テーブルのお菓子もあらかた片づいてしまった。
それには構わず、スピナーの話は続く。
「イーター研究は危険なため中止。だがその後、軍の圧力もあって研究は再開された」
「でもアカデミーを追い出されたんですよね」
「まあ、テランを追放されたという感じだな。動物実験を彷彿させる所が、プレラット人達の反感も買ったしな」
「あのネズミちゃん達、動物実験にはうるさいのよね」
「おいおい、茶化すような発言はやめたまえ。彼らだって不幸な民族的な歴史があったのだからな」
「はーい」
「うむ。結局プロジェクト全体がアカデミーのTS3分校に移された」
「このテランから最も遠いステーションですね」
学生のケイトが部屋の壁に掛かっている銀河平面図をちらりと見てTS3の位置を確認する。
「ああ。その当時の連中はよほどイーターを危険視していたからな。島流しだな」
「でも教授、病気はどうなったんですか?」
「すこぶる健康だ。今の私がウィーグレン症候群に罹ると思うのかね」
スピナーは少し皮肉気な笑みを浮かべて、ケイトに答える。
「男性にしか罹患しない遺伝子異常による病気、でしたね」
「そう言う訳だ。今の私は……女性だからな」

  ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★


2年前。宇宙ステーション・Trans Space Three。通称TS3。
トランスワープチューブの出口に位置する8つの宇宙ステーションの一つだ。
テランから320光年と、TSステーションの中ではもっとも遠い。
通常の宇宙艦の巡航速度では6ヶ月もかかってしまう。
もっとも、トランスワープチューブを通る艦艇を使えば14時間で行き来できる。
スピナーはそのステーションのラウンジで助手2名と共に昼食を取っていた。
ステーションのランチはテラン本星に比べて少々味が落ちるが、贅沢は言っていられない。
「研究はテランでなくても構わないが、こうも連中に主導権を握られてはな」
「毎日オーラ吸収能力の強化研究ばかり。イーターは兵器じゃないんですよ。ね、ミーア」
「ユキに賛成。重点研究項目の変更希望です。博士」
「無茶言うな。左遷同様で飛ばされて、いまさら権限もないのだからな」
無造作にサラダにフォークを突き刺すスピナー。彼の苛立ちはユキもミーアにも理解できる。
TS3へ移ってから、表面上は研究の指揮をスピナーが執っているが、実質的には軍のスケジュール通りになっていると言ってもよい。
食後にコーヒーをすするスピナー。データパッドをユキとミーアに差し出す。
「君達に宿題だ。イーター能力の強化シミュレーション。UX-483と485についてこの条件で行う事」
「能力強化って、それじゃ軍の言いなりじゃないですか。ここはボイコットでも何でもして……」
いきり立つユキを遮ってスピナーは続ける。
「結果を見てから文句は聞こう。ミーア君もいいな」
「気が進みませんが、仕方ありません」
「それから注意点を一つ。最終段階は絶対オンラインで行うな。結果については3人だけで留める事」
スピナーの言葉に、驚きつつも無言で頷く二人。思わず口の端がニヤリとしてしまう。
「教授、楽しそうな結果を予想して良いんですね」
「興味深い注意はわかりました。ユキ、早速取りかかるわよ」
「ええ。徹夜してでもオフラインで仕上げるから」
食事の済んだトレイを下げて、早速仕事に取りかかろうとする。
「結果については、私が責任を持って上に報告しよう。我々に都合の良い所だけな」
腰を上げる二人にそう告げるスピナー。何かをたくらむような表情であった。
助手達がラウンジを出ていくと、一人、データパッドを眺めるスピナー。
「私は生物を創っているんだ。兵器を作ってきた覚えなどない」
医療部からもらった薬を数粒、手にとって口に含む。
「私の時間のあるうちに無害化してみせる……UX-4は我が子も同然だ」

翌日、スピナー博士の研究室。
TS3に急ごしらえた部屋なので、テラン星の時のように本が積み上がっている訳ではなく、こざっぱりしている。
そこに集まっている、スピナー、ユキ、ミーアの3人。
ユキとミーアは疲れを表情出ているながらも、にこにこしている。
むしろ秘密を誰かに話したがっている顔と行った方が良いかも知れない。
「教授、UX-483のシミュレーション結果、出しました」
「ユキも私も徹夜した甲斐がありましたね」
「私の方でもUX-489のシミュレーションをやってみた。いずれも同じようだな」
データパッドをスピナーに渡しながら尋ねるユキ。
さっと目を通すスピナー。予想通りの結果に満足する。
「教授は最初から分かっていたんですか?」
「理論では大方予測がついていた。これで裏付けが出来た訳だ」
「オーラ吸収能力が増加するのは成長過程での一時的なものにすぎないんですね」
ミーアもシミュレーション結果を振り返ってみた。
「段々強くなって、ある一点で急に吸収能力がなくなる訳ですか」
「タイミングがミーアのUX-483と私のUX-485で少々違いますけどね」
「UX-485はその時に外見も固定されるという結果は面白いわね、ユキ」
「これなら、生命体として完成に近づけるんじゃないですか、教授」
「うむ。そうなれば軍の連中も興味を失うな。我々とは逆に」

そのとき、部屋に来客を告げる電子音が鳴る。
「博士、私だ。バルディだ」
「入りたまえ」
データパッドを机の引き出しにしまうスピナー。
軍には知られたくない結果が表示されているので、バルディ大佐の目にとまる所には置いておきたくない。
「スピナー博士、今後の研究についてだが……」
入るなり、話し始めるバルディを遮るスピナー。
「UX-483とUX-485。この2種を重点的にオーラ吸収能力の増加に充てたい」
「おいおい、我々にもスケジュールという物があるんだ。急に言われても困る」
「軍の研究者の尻を叩くのが大佐の役目だろう。それにスケジュールを前倒しするだけだ」
「君は偏った計画にはあまり乗り気じゃないと思ったんだがね」
「オーラ吸収能力の増加は、イーターの成長。全体として生命体として完成に近づける事が出来る」
「それで?」
「どうせなら少しでも完成に近づけたい。再来月には学会もある。それまでには形にしたい」
「わかった。研究者も疲れているが、ハッパをかけておくよ」
「多少睡眠時間を削らせても良いだろう」
「無茶言うなよ、博士。増員も考えて構わないかな」
「それは助かる。よろしく頼む」
素直に感謝の意を示すスピナー。
だが、その裏でイーターの無害化を目論んでいる事は、バルディには気がつかなかった。

スピナー博士の研究室を後にして、自分のオフィスに戻るバルディ大佐。
卓上型のビュワーを起動し、テラン星のハミル提督との暗号亜空間通信回線を開く。
短い呼び出し時間の後、呼び出した相手がビュワーに映る。
『計画の進展はどうかね』
「どういう風の吹き回しか知りませんが、博士も協力的です」
『なら、実行は出来そうかね』
「ええ。目標の期日に間に合わせる事が出来ます」
『もっとも効果的な日はその日しかない』
「目標は再来月、惑星連合評議会本会議。分かっております」
通信を切り上げると、デスクから立ち上がり、ステーションの窓から星空を眺めた。
無数の星が視界を彩るが、テラン星系の太陽を肉眼で見る事は不可能だ。
「さて、テランよ。いや、惑星連合そのものか。もう少しだ……」


<つづく>



あとがき

 スピナー博士の物語です。ちょっと分量が多くなってしまうので前後編としました(ってまだ後編のアイデアが完璧に浮かんでないだけという話も)。祐樹が女性だった頃の、ライカ・フレイクスが軍に入る前の時間になります。本編のプレストーリーとしてお楽しみください。



<おまけ>

「お疲れさまでした。果穂です」
「頼香です」
「来栖だよっ。疲れてないけど」
「なあ、これ『らいか大作戦』なのか? 全然TS物じゃないぞ」
「番外編ですから、雰囲気が違うのもアリなんです」
「むしろプレストーリー、『らいか大作戦0』だな」
「ほんとだね。頼香ちゃんが地球に来る前の話だね」
「それにしてもスピナー、良い奴になってるな」
「ほんと、あの女、学生にも人気あるんだね」
「まあ、スピナー博士は悪い人ではありませんから」
「ゆーき、っていうかユキとも仲良かったみたいだしな」
「ねえ、私と果穂ちゃん、出番がないよ」
「俺も出番無しだぞ」
「あれ? ちゃんと昔のシーンでモップ持って暴れてたじゃない」
(あれはライカであって俺じゃない)
「頼香ちゃん何か言った?」
「ん? 何か聞こえたか?」
「まあ、ライカさんは軍人になる前ですから、今とは雰囲気違いますね」
「そ、そうなんだよ。果穂の言うとおり」
「頼香ちゃん、今とは別人みたいだよ」
「まあ、色々と事情があってな……大人の事情ってやつだ」
「私達、まだ子供だよ」
「う……」
「後編は、いよいよスピナー博士が地球へとやってきます」
「今度は何をやらかして惑星連合を追い出されるんだ?」
「なんでもテラン星から最も遠いステーション、TS3がヂヲン公国を名乗り連邦政府に独立戦争を……」
「嘘つけ」
「てへっ。テラン星に危機が迫ります。その混乱に乗じて連合を脱出するようですね」
「地球が舞台になるんなら、私達も出番あるかな」
「次回も出番はないようですけれど。それでは失礼します」
「じゃあね」
「俺は次回は出番があるって聞いたんだけどな……それじゃ!」

戻る