戻る


「たびたびなんですが」
「本当にたびたびですね」
「いろいろとあるのよ。
 で、またお願いがあるんだけど…」
「また・ということは、やっぱり例のシリーズの件ですか? ええっと次は何号機になるんでしょう?」
「よく判ってるわね。そのとおりよ」
「はぁ…まあ、研究費や制作費の増額を無条件に飲んでもらってますから、いやとはいいませんよ。
 むしろ、喜んで作らせて貰います。で、次はどの子のをモデルにして創るんですか♪」
「………ホントに喜んでますね。
 確か、製作時に医療部に依頼して詳細な情報を集めているという話ですが、それって公私混同って言いません?」
「言いません。完璧なものを作るためには絶対に必要なものです!」
「まあいいでしょう。
 それでですね、次に作って欲しいのは現し『拒否します!!!』………何故?」
「何故男性体のロボットなんて作らなければいけないんですか!?
 昔から『人間サイズのロボットは、女性体にしなければいけない』って決まってるんです!!」
「…どこでそんなことが決まってるんでしょう?」
「宇宙の真理です」
「…鉄腕アトムは?」
「子供です」
「鉄人28号は?」
「大きさが違います」
「アシモは?」
「メカそのものです…って、副司令も良くご存知で」
「いえいえ。
 で、どうしても作ってもらえませんか?」
「例えどれだけお願いされようとも、それだけは拒否します。
 美少年ならまだ許せますが、30を過ぎたおっさ『それ以上はNGワードです』…失礼。
 ともかく、私の技術をそんなことに使うのは、天地がひっくり返ってもやってはいけない事なんです!」
「………しょうがありませんね。第2案を採用しましょう」
「何ですか? 第2案って」
「拒否されることも予想できたお願いでしたから、代替案を考えていたんですよ。
 そちらの方は、さきほどのあなたの発言から、まだ許せる範囲内になるでしょうから」
「??? さきほどの発言?」
「『美少年なら許せる』のでしょう?」
「………まあ、対象にもよりますが」
「貨物船すいんげる唯一の乗組員である、あの少年を知ってるでしょう?」
「…彼ですか。確かに彼ほどであれば、許せなくもない・充分美少年と呼べるでしょうね」
「彼のロボットを作ってもらって、司令の代行ということで通そうかと」
「おもいっきり無理がありませんか?」
「………ちょっとこれを見てもらえる?」
「何ですかこの写真は?
 はあ、美少年ではありますね。それに彼にも似ていなくも無いですね。
 ですが私にはそちらの趣味はまったくありませんが」
「じつはこれ………司令の小さな頃の写真なの」
「え゛………う゛そ゛………」
「事実です………って、かなりのダメージを負ってますね」
「精神的なダメージが大きすぎますよ。それ。
 ですが、なんとなく言いたいことが判りました。『何かの拍子に若返った』とでもするんですか」
「それも一つの手ではあるのですが…この基地はある意味『何でもあり』ですから。
 とりあえず、士官学校に入る予定になった司令の親戚が、社会見学を兼ねてここで勉強をする・しかし、その能力はそのまま仕官でも通用するので、登用した。
 って筋書きを作るつもりです。
 本来であれば、司令のデーターを使うのが一番ですが、詳細なデーターが無いのですいんげるの彼を元に・ということです」
「はぁ………副司令のたっての頼みとあれば仕方ないですね。
 それに、彼ほどの美少年ならば許せないこともないですから」
「じゃあ、お願いします」


Machinery unlimited

キャラクター原案:かわねぎ様 七斬様 OYAZI様
作:keyswitch



「副司令、この書類なんですが」
「あ、そこまで細かくチェックしなくてもかまいませんよ。司令の時などは数秒目を通すだけでしたから」
「そうなんですか?
 ですが、ここの部分に間違いがあって、これだと10テランの損失が出てしまうのですが」
「え? ………ほ。本当ですか?」
「はい。1テランを笑うものは1テランに泣きます。
 例え司令代理が本部から予算の増額を取り付けていても、無駄には出来ませんから」
「流石ですね。
 すぐに修正してするように連絡しておきましょう」
「お願いします」


『副司令』
「何でしょうか?」
『惑星にあるプレラット大使館から通信が入っていますが』
「………たぶん、司令でしょうね。
 すぐにつなげて下さい」
『了解しました』

『ああ、やっとつながったか。
 すまないな、忙しい時期に出張申請をしてしまって』
「かまいませんわ。ここに代理がいますから」
『またかね………まあ、このパターンもそろそろなれてきたから別に気にしないが。
 …おや? その子は』
「はい、某貨物船で船員をしている彼です」
『何故そんな子をモデルに?』
「あの協力員に『女の子以外のロボットを作ってくれ』といって、首を縦に振ると思いますか?」
『………無理だな。
 ではどうやってその子を?』
「言質だけとって、無理やり納得させた・というところです。
 まあ、姿はどうしても『美少』じゃなければ納得しなさそうだったので、この界隈で唯一といって言い彼を抜擢しただけです」
『なるほど、それなら納得だ。
 で、彼に私の代行をしてもらっている・ということかな?』
「そうですわ。
 ということで、ゆっくりと視察をなさってきてもらっても問題ありません。
 まあ、司令代理になって基地にいてくれたほうが効率も上がるのですが…」
『………勘弁してくれ。また定時になったら連絡する』
「判りました」 

「司令からですか?」
「ええ。忙しい身ですからね。
 では、続きをお願いしますね」
「はい」




「副司令」
「どうしましたか?」
「財務部からなんですが…いつもに比べて、支出が若干ですが多いとの連絡が入っています」
「??? そんなはずはありません。
 収支報告ではちゃんと支出を抑えた財政で・なおかつ福利厚生は充分に取ったはずですが」
「しかし、事実です。
 いつもであれば、毎回の平均の伸びは10%未満に抑えられているのですが、今回に限っては10.25%の伸びになっているのです。
 確かにさほど支障がある数字とは思えませんが、僅かでも伸びを抑えたい財務部としてはご報告までにと思いまして」
「判りました。早急に調査してみます。
 とはいえ、財務を滞らせるわけにはいきませんので、今回だけはその決算で実行しておいてください」
「了解しました」

「おかしいですね。彼に搭載されたコンピューターは並みのマシンでは太刀打ちできないほどの高性能のはずですが…
 そんな子がミスをするなんてことは…」




「いやぁ、今帰ったぞ」
「親父くさい台詞を言わないでください、司令」
「すまんな。あ、これはお土産の『福島銘菓 檸檬』だ」
「………もとネタを知っている方が何人いるでしょうか?」
「それと、頼まれていた『最高級フランス産・観賞用花の種』も買ってきたぞ。こっちの方が懐に痛かった気がするが」
「それはありがたく頂きますわ♪」
「…反応が違いすぎる気がする…」
「そ・それはともかく。
 帰ってきて早々ですが、お仕事が待っていますのですぐに司令室へお越しください」
「判った」


「………一つ聞いていいかな?」
「はい、いくらでも聞いてください」
「この机の上に、山と詰まれたものはなんだね?」
「決済報告書ですが何か」
「…いつもは、パネル上で表示されていた気がするのだが」
「なんでも、代行をしている彼が『紙媒体でチェックした方が完璧』と言ってましたので、こうなりました」
「…その彼はどこに?」
「あの山の向こうで、書類と格闘中です」

「だ、大丈夫かね?」
「あ、司令。お帰りなさい」
「ただいま。
 で、どんな調子かね?」
「はぁ。収支がうまく揃わないのです。
 削減案がいくつもありますが、どこも削減すると職員から苦情が来そうな所ばかりで、どこをどうしてよいやら…」
「ふむ…ちょっと変わってくれたまえ」
「あ、はい。
 ですが、僕が1ヶ月かかっても試案が出来なかったんですよ。例え司令でも…」
「なあに、様は戦略シミュレーションと一緒さ」



「よし、これでオッケーだろう」
「すごい………僅か1時間で全ての書類に目を通すだけでなく、チェックまでするなんて」
「いつもながら流石ですね。全て問題ありません。収支もしっかりと合っていますし、削減も完璧ですね」
「様は慣れだろう。
 ん? どうしたのかね?」
「………」
「………?」
「司令、素晴らしいです♪ 尊敬します♪」
「え゛!?」
「それに…凛々しくて…かっこよくて…」
「え゛え゛!?!?」
「司令! 是非ともその手腕を、手取り足取りお教えください!」
「ちょっと待てー! 私にそっちの趣味は無いぞ!」
「も…勿論…夜のお世話も………」
「だから待て!」
「そ、そんな。僕に何か不満な点でもあるんですか?」
「………逃げる! 副司令、後は任せた!」
「あ、待ってください!」
「…あ、行っちゃった。
 まあ、命令書は全て完了してますから、別にかまいませんが」




「ご主人様。近頃は毎日のように顔を出されていますが、どうかなさったのですか?
 私としては、毎日お世話できるのはとてもうれしいのですが………」
「いや、ある人物から逃げるために、しかたがないのにゃ。
 ボクにはそっちの方の趣味は無いのにゃ」
「逃げる? そっちの趣味?」
「………ご愁傷様です」
「誰の責任にゃ?」
「さぁ?」
「あ、副司令。こんにちは。
 副司令も一緒にどうですか?」
「ええ、頂くわ。
 それにしても…」

『司令〜 どこに行ってしまったんですか〜?
 僕と一緒に…』
「あの男の子、誰を探してるんですか?」
「さぁ」
「知らないほうが身のためにゃ」
「あ、ちょうど司令代理もいますから、決定事項をご連絡します。
 本部・及び各TS基地司令からの提案により、今あそこにいる少年に『司令直属の秘書』をすることに決定いたしましたので、事後になってしまいましたがご報告させていただきますね」
「にゃ・にゃんですとぉ〜!?」
「ご主人様が何故驚くんですか?」
「う…うにゃ………」
「今後私は司令直属ではなく、司令代理・及び本部直属ということになりましたので、よろしくお願いしますね♪」
「少佐が少尉の部下になってどうするにゃ…」
「なにか問題でも?」
「にゃんでもないにゃ」




「あ、しまった。
 思考回路に『JUNE』情報を入れてしまいました。
 ………私としては、この基地内の女の子に手を出されないので渡りに船かもしれないですね♪」





裏ましなり………でしょうか(汗)

戻る