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連合経済の大動脈であるトランス・ワープチューブ!
その出入り口にあり、チューブの管理・運営などさまざまな施設のある基地・・・トランススペース(TS)!
毎日数千の艦船がここを基点に大宇宙に旅立っていく。
あるものは、夢を追い求め・・・
あるものは自分の、家族の為に・・・
あるものは平和の為に・・・
そしてあるものは、特定人物の追っかけの為に(笑)
誰がなんと言おうとも、TSは多くの役割を担っているのだ(汗)

そんな時にむさいおっさんに誘導なんかされたくないと思うのは当然の事だろう(爆)
だれだって可愛い娘に誘導されてみたいものなのだ!
「頑張ってね」そんな一言があれば、1千光年の航海の疲れだって吹っ飛ぶというものさ!
航行の長い事が”必須”の連合僻地であるTS9。
そこでは”キャロラット美少女仕官”が管制を行っていた(笑)



もしかして、一番の?


原案かわねぎ様  MONDO様  

作:kagerou6



「・・・ほな、第4ドックに入港してにゃ」TS9の港湾仕官がそう言って、入港待ちの船に指示を出している。
「あぁ、ありがとよ」
「いえ・・・修理が必要ならドック管理部に連絡をお願いにゃ」そう仕官は告げると、マイクのスイッチを切りヘッドセットを外した。
ピョンと飛び出る耳が少女をキャロラット人だと証明している。
「ふぅC勤は疲れるにゃ」そう言いながら肩を動かし”コキコキ”言わせている(笑)
「みけね少尉お疲れ様でしたにゃ・・・でも、今週は”あれ”にゃよにゃ♪」隣で一緒に艦船誘導をしていた同僚が時計を指差してそう言う。
「あ、そうにゃね・・・昨日着いたから、きょうは”あれ”にゃんだぁ♪」
みけね少尉の言葉に同僚は頷いて
「そうですにゃ・・・”あれ”があるからC勤頑張れるにゃね」
「そうにゃ!・・・後15分にゃよ、頑張るにゃ♪」みけねはそう言って外したヘッドセットを着け、新しい船に指示を出している。

「ほな、いっくにゃ〜♪」仕事熱心で勤務がまじめと評判なみけね少尉。
そのみけね少尉が交替要員が来てすぐに管制室から出て行った。
そんなみけね少尉達に誰もなにも言わないで笑顔で送り出している。
何故なら、同じような事を自分でもしているからだ(笑)
交替した仕官は、少し前の事を思い出すと自然と笑顔が浮かんできてしまう。
「いけないにゃ・・・仕事にゃ♪」口では”仕事の顔”に切替えたつもりでも、その顔は少し緩んでしまっている(笑)
でも、そんな彼女達の誘導に誰も文句などつけてはこなかった。
むしろ裏の無い笑顔にホッとし、素直な気持ちで寄港し旅立つのだ!
そんな彼女達の笑顔はTS9を支える大事な力の一つなのである!

さて、みけね少尉達が私服に着替えるとそのままプロムナードに向かっていた。
普段から服装に気を使っているみけね少尉は、プロムナードではよく声を掛けられている。
「こんなのどうかなぁ?」「にゅーん、色が合わないにゃよ・・・うちは明るい色を合わせたほうが良いにゃ」とか・・・
「今年の流行だって言うんだけど・・・・」「にゃらこれにゃ!・・・中央でなかなか流行らしいにゃ♪」選んではアドバイスをしているとか・・・
同じキャロラット?のかわねこ少尉とは違い、流行に敏感でセンスが良いせいか、彼女が選んだものがよく売れるのである!
お店にとっては売上を左右する・・・いや、死活問題になるほどの人物なのである!
そんな彼女だから、普段は買い物にくるたびに店主が我先に近寄っていくのだが、開店前とはいえ誰も近づこうとはしていない。
誰しもが歩いていく彼女を見守り、中には彼女の歩く道すらキレイにしているのだ。
そんな彼女からして、いつもとはちょっと違った”地味目な服装”を着ていたりもするのだ。
彼女は変装して”目立たなく”しているつもりなのだ(笑)
しかも出来るだけ目立たない様にして歩いていたりもする・・・ただ大勢のキャロラット人が歩いている事が目立っているのだけど(汗)。
店主達はそんな彼女にも声を掛けないで、暖かく見守っているのだった。
それは、今日が”恒例の日”だと知っていたからである。

彼女達はプロムナードの端まで歩いてくると、一軒のお店を見上げて微笑んでいた。
そのお店の名前は”にゃきゃ卯”(笑)
キャロラットを中心に連合各地に広がっているチェーン店で、その安さとある”定食”に絶大な人気を誇っているのだ!
ある定食・・・それは有名なキャロラット定食である(笑)
他の人種から見ればただの”焼き魚”定食だと思われているようだが、キャロラット人のこだわりは違う。
暖かいご飯とお味噌汁・・・これの合体で可能になる”ねこまんま”(笑)が最高のご飯だからだ!
他のお店の小さい器ではこの”ねこまんま”は不可能で、今までは自宅か故郷でしか食べられなかったのだ。
特に他の人種からは奇異に見られ、躊躇してしまい別々に食べているキャロラット人も多かったという。
それがにゃきゃ卯の出店で公に食べられるのだ・・・TS9在住のキャロラット人は大喜びしたのである!
みけね少尉達もキャロラットとして例外ではなかったのだ(爆)
故郷の味を求めるキャロラット人・・・みけね達が集まり、いつしか定期的に”にゃきゃ卯”で食事会を行う様になっていたのである(笑)
そんな事を知っている店主達は、温かく見守っていたのである。
だけど、今日のお食事会はちょっと特別であるのだ。
何故なら宇宙では貴重な”生魚”が食べられるからなのだ!
それにはチョットした事情があったのだ。

連合三大チェーンの一つに数えられているにゃきゃ卯!(・・・後の二つは”芳野屋”と”まつにゃ”という(;^_^A )
連合中にそのチェーン店を展開しており、その利用客は毎日数百億とも数千億とも言われている。
そのにゃきゃ卯では、チェーン店全てに新鮮な食材をタイムリーに配達する為に、自社所有の専用コンテナ船でそれを行っていて、それが”にゃきゃ卯エクスプレス”といわれる大型コンテナなのだ(爆)
このコンテナ船を使って食材をチェーン店に送っているからこそ、連合どこでも同じものが安価で食べれるのだ。
だが、それはあくまで”量”を確保しているに過ぎなかった。
連合全域はカバーしているのだが、多くは冷凍食材にならざるを得なかったのだ。
肉と野菜は風味を損なわないで冷凍出切る技術が開発されていたが、キャロラット人にとって大事な”魚”を新鮮なままで冷凍できなかった・・・いや、キャロラット人には違いがはっきりと判ってしまうのだった!
それでもにゃきゃ卯は要望により、冷凍で無い食材をなんとか提供しようと消費地の近くに食材を求めたり、人工の養殖を行ったりして努力を続けて改善を進めていた。
だが、確保できた食材は少なくチェーン全てをまかなうには程遠かった。
そこでにゃきゃ卯では、少しでもお客の要望に答える為に、冷凍コンテナを改造して収納効率を上げ、小さいが”イケス”を取りつけ運搬できる様に改造したのだ。
この判断はお客に好評で迎えられ、所有している全コンテナが改造された。
その為に連合各地でコンテナが入港して数日はチェーン店でも生魚が食べられるようになり、ここTS9でも同様だった!
ただ、さすがに量が少なかったのでテラン人などは”生”を遠慮していたりもした(爆)
みけね達はその”生魚”を食べに来ていたのである!

入り口に近付くと不意にドアが開き、中から顔を上気させた数人のキャロラット人が出てきた。
その満足そうな顔にみけね達も段々と鼓動が早まってくるのを、自分でも感じていた。
すれ違ったキャロラット人と一緒に漂ってくる独特な匂い♪にみけねはうっとりしていた。
”ずずっず〜〜〜”耳をくすぐる独特な音♪も彼女を喜ばせている。
・・・母さんが作ってたにゃ、あのご飯にゃ♪・・・みけね少尉は記憶と重ねながらドアを開けた。
「思いきり食べれるにゃ♪」みけね少尉はゆっくりドアを開けながら、そんな期待を膨らませていた!

「いらっしゃいにゃ・・・ご注文はなにかにゃ?」キャロラットの店員が笑顔で注文を聞きに来た。
「えーとにゃ・・・」みけねはメニューと”お勧め”ポスターを見て何にするか考えていた。
・・・えーと、今日の魚は真鰯にゃんね・・・
・・・前は切り身だったにゃ、という事はやっぱり”生”にゃね♪・・・待ち焦がれていた”生魚”にみけねから笑顔がこぼれている(笑)
「・・・今日は全部”生”ですにゃよ♪」店員もみけねの気持ちに気付いたのかそう言って教えてくれた。
「えーとにゃ・・・うちは朝キャロ定とさんまにゃ♪」
「あたしもにゃ・・・キャロ定とさんま♪」
「あたしはにゃ・・・キャロ定と・・・丸干しにゃ♪」
彼女達はめいめいに頼んでいる。
「ご注文は以上ですにゃか?」
「「「はいにゃ♪」」」みけね達の言葉に店員はそそくさと奥に入っていった。

みけねは待つ間、自然と店内に目が向いていた。
カップルで楽しそうに食べているキャロラット人。
これから仕事なのかあわただしく食べているキャロラット人。
ふぅふぅ言いながらも、笑顔で皆食べていた。
目に付くのはキャロラットばかりで、殆どが満足そうな顔でいる。
・・・早く来にゃいかにゃ♪・・・みけねはそう思いながらじっと食べている彼らを見ていた。

「お待たせしました♪」店員はみけねの前に注文した定食と、小さな刺身の皿を置いていく。
「待ってたにゃ♪」みけねは目の前に出てきたご飯に舌なめずりをすると、お味噌汁を景気良くぶっかけた!
お味噌汁はご飯で冷まされ程よい加減に冷えてくる♪
ご飯もお味噌汁を吸って、その出汁がご飯に広がりなんとも言えない味に変っていく!
これこそ”ねこまんま”であり、正統キャロラットの食べ方なのである(笑)
「いただくにゃぁ〜〜〜♪」みけねは箸を持ってそう呟くと食べ始めた。
真鰯を頭からバリバリ食べて行くみけね。
口いっぱいに広がっていく魚に、耳がピンと立っている。
「これにゃよにゃ〜♪」一気に尾まで食べ尽くすと、お茶碗を持ち上げて”ねこまんま”をずっず〜とかき込む!
口の中に広がっていく出汁を味わいながら、ちょこんと混じっている煮干を舌で遊んだりする。
口直し?にさんまの刺身を頬張ると、さっくりとした味わいに心が揺れていく。
「う〜ん、最高にゃぁ♪」顔を上げ満足な笑顔を出すとまた同じ事を繰り返すみけね(笑)
隣でも満点の笑みを浮かべている!
そんなみけね達の”ディナー”はそれから20分後に終わった。

「はぁ・・・次の船がくるのは20日後にゃか・・・」みけねは食べ終わってお店に掲示してあるポスターに目を向け独り言を言っていた。
たぶん自分と同じようなキャロラットがきて、お店の魚が無くなるだろうと思っていたからである。
「でも、十分食べたにゃよ♪」みけねはの隣の彼女はそう言って立ちあがるとお店から出て行った。
それが合図になったのか他の皆もお店から出ていく。
・・・次が楽しみにゃ♪・・・みけねはポスターを見ながら最後にお店から出て行った。

翌日、みけね達はいつのもように元気に管制を続けていた。
「・・・3番に入港してにゃ」みけねはコンソールを叩き空いているドックを確認して、その船を誘導している。
「助かったよ、みけねちゃん」相手の船長はそう言って礼を言う。
「いえ・・・良かったですにゃ」みけねも相手のそう答え微笑む。
「そういえばキレイだね・・・毛づやいいし何かあったの?」
「ほんなこつ無いにゃ・・・いつも通りにゃ」みけねは笑いながらそう答えると交信を切っていた。
「少尉!・・・SSD2−0048が入港許可を求めてます」
「にゃ・・・8番が空いているにゃ・・・そっちに誘導するにゃよ」
「了解!」オペレーターはそう答えると、相手に指示を伝えていた。
みけねは管制用ドック状況を見ないままに”的確”な指示を飛ばしているのだ。
それはさっき一瞥したことで、全てのドックの状況を全て理解したからだ!
それは普通のオペレーターが音声識別でコンピューターに入力・判断をするよりも早く的確だったりする(笑)
みけねはそれだけでなく、待機中の艦船にまで待機宙域を指示し管制をしているのだ!
同様な管制が全勤務で行われ、この日はTS9の管制に事故はおろかミアミスの報告すら入っては来なかった

「ふにゃぁ・・・少しこばら空いたにゃ」数日後、ヘッドセットを取って肩をクキクキいわせているみけねに、同僚が入港リストを手渡す。
「なんにゃ?」
「今週のリストにゃよ・・・NYA4−001098がくるにゃ♪」
「あにゃ!」みけねは同僚の言葉にリストに見入ってしまった!
NYA4−001098・・・それはTS9にくるにゃきゃ卯エクスプレスの艦コードで、5日後には入港予定とあるのだ!
「今回早いにゃ・・・なんでかにゃ?」
「もう直ぐ統一休暇にゃよ・・・だからじゃにゃい?」同僚の言葉にみけねは頷いた。
その日から管制室の浮ついた空気が満たされていた。
しかし管制業務には支障がなく、誰しもが不満を持ってはいなかったのだ!
むしろ30%はアップしたであろう笑顔に、寄港する皆は満足で事故・ミアミスも低下を続けていた。
そんな状況が4日間続いていた。

・・・明日来はるにゃね♪・・・いつもの様に管制を続けながら、明日の事をかんがえているみけね。
だが、そんな時に事件が起きるのはお約束であり、作者はそれに忠実なのである(笑)
「大変にゃ!」オペレーターの一人がヘッドセットを外しながらみけねに振り向いた!
「どうしたにゃ?」
「コンテナが襲われているにゃ!・・・至急救援にゃよ!」
「待機中のさんこうに・・・至急発進要請にゃ」みけねは指示を出して、救援を求めてきた船のコードをモニターに映した。
WXA5−33201
KMK−122021
YSGY−010098
NYA4−001098
・・・・・・・
みけねの目にはいくつかのコードが映り、瞬時に必要な指示を出していく彼女。
・・・あれ、NYA4−001098って・・・みけねはいやな予感がしてコードを入力し始めた。
・・・か、勘違いだよにゃ・・・打ち込みながらそう思いこむようにしているみけね。
だが入力したコードから確認された船は、みけねのもっとも気にしていたあの船であった!

「そ、そんにゃぁ」モニターを見ながら動けなくなってしまったみけね。
「しょ、少尉!・・・しっかりにゃよ」オペレーターはとりあえずさんこうが発進したのを確認するとみけねを揺すってみる。
しかし、みけねの目はうつろにモニターを見つめるだけだった。
慌てて代わりにモニターを見つめて指示を出し続ける。
「・・・ふぅ・・まにあったようですにゃ少尉・・・」そう言ってみけねを起こすとモニターを見させる。
「ほら、さんこうが着きましたからもう大丈夫だにゃ」
飛びあがるように起きるとマイクを握りながらさんこうに回線を繋ぐ。
「船は大丈夫にゃ?」
「問題ないよ・・・相手には逃げられたけど、いくつか被弾した程度で航行に問題なさそうだ」頼香の声を聞いてみけねはうっすら涙を浮かべながら頷いた。
管制の仕事の終わった後いつもの様にみけね達はにゃきゃ卯に向かっていた。
今日は定例の日であり、また”生”が食べられるはずの日でもあるからだ。
・・・にゃんだか悪い予感するにゃ・・・歩きながらみけねはそんな思いが浮かんでいた。
なんとなく、すれ違っているキャロラット人の顔色が良くないからである。
そしてそれはお店の前で的中してしまった!

”都合により臨時休業します”

みけね達はにゃきゃ卯のドアに張りつけてあったポスターを見て数分間固まってしまった。

「「「にゃんでにゃぁ???」」」
楽しみで来たのにお店が開いていない事にざわめき始めると、中から気になったのか店員が出てきた。
「「「あ!」」」お互いを見つめ叫ぶと、店員は慌てて中に入ろうとしている。
「待ってにゃ・・・これにゃんだか教えてにゃよ?」一瞬早くみけねがそう言うと、店員は諦めたのか皆に振り返り話し始めた。

「お店の食材がもうにゃいんですにゃよ」ため息がちに話す店員。
「そ、そんにゃ!・・・だって船が・・・」そういうオペレーターの言葉に首を振りながら
「コンテナに直撃受けたにゃ・・・中のお魚”スミ”ににゃてたにゃ・・・」
「「「そんにゃぁ〜〜〜〜」」」がっくり力なく座りこむ彼女達。
「で、でもにゃ・・・一部だったって聞いたにゃ、ほいだったら他から分けてもらえないのかにゃ?」一人が諦めきれないでそう言い、詰め寄っている。
「ここが最後にゃの・・・だからなにもにゃいのよ・・・」さすがにそう言われて、詰め寄っていたオペレーターも力なく座りこんでいた。
「そうにゃんだにゃ・・・仕方ないにゃね」みけねはそう言いながらとぼとぼと歩き出して、来た道を戻って行った。

「・・・8番に向かってにゃ・・・」翌日みけねは入港してきた船に指示を出していた。
「少尉・・・そこはさっき”さんこう”をいれたドックにゃよ」
「あわわ・・・11番にゃ・・・」慌てて言い換えるみけね。
「了解」相手は苦笑しながら通信を切っていた。
「ふぅ・・・助かったにゃ・・・」みけねはそう言って同僚に答えていた。
「・・・お互い様にゃ・・・」そう言ってまた仕事を始める二人。
じつはそんな同僚もちょっと前に指示をミスして、みけねにフォローしてもらっていたのだ。
この日、事故こそいつもと変わらないレベルだったが、船同士のミアミスが急増し、各船長たちは管制に不安を持ってしまっていた。
そんな中、頼香は管制ミスの事を聞いてみけねに怒鳴り込んできた!

「どうしたんだ?・・・いつものみけねらしくないミスだな」頼香はそう言いながらみけねを見つめている。
頼香はみけねの管制を信頼しており、今日のあまりに単純なミスが気になっていたのだ。
「ゴメンにゃ」みけねはそう言って頷いて頼香に謝っていた。
「なにか心配事でもあるのか?」そう言う頼香にみけねは首を振り
「なんでもにゃいよ・・・間違えたにゃ・・・」元気なく呟くみけねには、いつものように安心して任せられる感じがしていない。
「たく!・・・みけねしゃんとしろ!」頼香はそう言ってみけねを揺すっている。
「・・・ゴメンにゃ・・・」力無く答えるみけねに頼香はそれ以上何もいえなかった。

「かわねこ・・・みけね達管制の様子がへんだぞ」頼香はみけねの様子がおかしいのが気になってそのまま司令室に入っていった。
「頼香しゃんも気付いたかにゃ・・・今朝からあんなんにゃよ」司令室に打ち上げられている苦情の処理をしながらかわねこが答えていた。
「今朝?・・・じゃあみけね達だけじゃないのか?」そういう頼香にかわねこは頷き
「A勤務からだからもう20時間以上なんにゃ」
「どうなっているんだ?」頼香がかわねこに答えたとき、原因を調べていたれもが部屋に入ってきた。

「「はぁ」」れもから原因を聞いてため息をつく二人。
ちょっと子供っぽい原因にどう言って良いのか判らなくなっている。
「食堂でそれは出来にゃいのかにゃ?」
「在庫を調べましたが、あいにく魚は既に・・・」れももため息がちに答える。
「にゃきゃ卯をてこ入れするわけにはいかにゃいしにゃ」かわねこがそう呟くとれもも頷く。
「特定企業の事故処理に荷担するのはあまり好ましくないですね」
「TS9の運営に関わることにゃのに?」
「ですが代理・・・そう言った事を認めますと他から苦情がでてしまいます」
「「だな(にゃ)」」そんなれもの言葉に頷くしかない二人。
「まあ、事故が出てにゃいんだし原因がそれにゃらなんとか人員を入れてフォローするしかにゃいにゃ」
「えぇ・・・一時的に増員して対処するしか・・・」そんな事を言っている三人の前に、通信オペレーターが慌てて報告に来た!

「20時間後に視察?」その書類を見て驚く二人。
「視察・・・・そんなの良くあるじゃないか?」頼香は何で驚いているのか判らずに、二人に聞いている。
「定期視察だろう?・・・今の状態でもそうは他より悪くないだろう?」
「それが・・・だめにゃよ」
「なんでだ?」
「・・・首席の視察にゃよ・・・」かわねこはため息を付きながらそう答えていた。
「なんでだ?・・・普通首席とかの予定は決まっているんじゃないのか?」
「それが・・・第9艦隊を視察中だったにゃよ・・・寄港する艦隊と一緒にTS9に来るらしいにゃ」
「そうすると艦隊の管制と同時に・・・」
「そうにゃ・・・通常業務にゃよ」
「そんなのは交替の人員じゃあまともに出来ませんわね」れももそう言ってため息を吐いた。
「みけね達に頑張ってもらうしかないのか」頼香はそう言いながら考える様に腕を組んでいた。


「流石に新鋭艦隊だけの事はあるな」頼香がみけねに怒鳴っていた頃、第9艦隊の旗艦艦橋で連合首席はそう言って、展開している第9艦隊を見つめていた。
定期演習を視察してからずっと旗艦に乗りこんで、艦隊の航行を見ていたのだ。
首席の言った様に艦隊運動は無駄がなくきびきびとしている。
その様子を俯瞰すると、一つの生き物の様に映ったに違いない!
統一され無駄のない動き、それは艦隊のレベルを推し量るに十分な事だった。
「流石に中将だね・・・良く纏めている」隣に立っているワイアード中将にそう声を掛けると首席は補佐官に振り向く。
「この後の予定はどうだったかな?」
「本日はもうございません・・・明日、朝からの会合がございますので演習終了後はテランに向かって頂きます」そういう補佐官に頷くと
「中将・・・艦隊はどういうのかね?」と、ワイアードに聞いてきた。
「本艦隊は演習終了後にTS9にて補給・修理を行い、終了後に各方面の警戒に向かいます」
「そうか・・・じゃあTS9まで一緒に行こうか」
「「首席!」」補佐官とワイアードが一緒になって首席を見つめた。
「なに、私が就任してから出来たTSなんだろう?・・・まだ視察していないからこの機会にな」そう言われなにも言えない二人。
「どの程度の実力なのかも知りたいしな・・・監査のシュルツバーンが褒めていると聞いたからね」首席はそう言ってワイアードを見つめる。
「彼が褒めるなんてなかなかないからな・・・きっと凄いのだろう」首席はそう言いながら補佐官に、テランにはTS9から明日直行するからと告げたのだった。
こうしてTS9の視察が決まったのである(笑)

「なぁ・・・かわねこ?」
「なんにゃ?」
「魚があれば良いのか?」
「良いのかって言っても」かわねこは答えかけて頼香の真意が判った。
みけね達の為にどこからか生きている魚を持ってこようというのである!
「地球になら魚は豊富にあるし、水槽に入れれば・・・」
「だめにゃ!」頼香の言葉を遮るようにかわねこは言っていた。」

「どうしてだ?・・・魚があれば問題は解決出来るだろう?」
「個人のために軍艦艇を使うことは出来ないにゃ」かわねこはそう言って頼香を見つめる。
「個人の問題って・・・TSを利用しているもの全部に関わることなんだぞ!」
「違うにゃ頼香しゃん・・・」かわねこはそう言うとれもに目を向けた。
「軍の管制官とはいえ、個人の私生活・・・食事の問題ですから・・・」そうかわねこの後を継いでれもが答えた。
「認めると訳にはいかにゃいんにゃ」かわねこは言う。
「認めると、個人の勝手に軍艦を使用してしまうか・・・」
「そうにゃ・・・悪い前例になってしまうかも知れないんにゃ」そう言って落胆している頼香を慰めようとしていた。
「じゃあ俺達にはなにも出来ないのか・・・」頼香はなにも出来ない自分が悔しいのか、辛そうに呟いていた。

「頼香少尉・・・指令があります・・・」れもはそう言って1枚の司令書を”手書き”で作るとかわねこのサインを貰っていた。
「え?」”なんで今”・・そんな風に驚いている頼香には、かわねこの顔が笑顔に変わっていくのが目に入ってくる。
「先日の反乱事件での教訓から、各基地・惑星・艦船間での通信外指揮系統確立が指示されていたのですが・・・それの検証を行ってください」れもはかわねこのサインの入った書類を出しながら、そう言って頼香に微笑みかけているのだ。
その笑顔に頼香も”おかしい”と思い、受け取った指令書に目を落としていく。
「!」中を確認してれもを見つめるとゆっくりと頷いた。
「我がTS9としても近隣惑星での連絡確保は、確立して置かなければならない事項ですので」れもはそう言っている。
「通常航路においてはこちらの航路となりますが、緊急事態に備えこちらの航路を使用してください」そういうれもに頼香は頷く。
「これには”掛かる時間”と艦体の状況確認が必要にゃよ、そのデータを取って欲しいにゃ・・・」
「それとにゃ、この指令は極秘ですにゃよ・・・ですから、”地球”への航海経験豊富なさんこうでお願いしますにゃ」
「了解!」頼香は敬礼するとそのまま司令室から飛び出していた。

「直ぐに出るから」頼香は司令室からドックにそのまま来ると、オヤンジュ中尉と果穂にそう言いさんこうに乗りこんだ。
「え?・・・それってなにかあったのですか?」いつもと違う頼香に果穂もさんこうに乗りこんでくる。
「・・・緊急指令なんだ、さんこうは直ぐに出るかな?」
「え?」事情の判らない果穂は話を聞いてもちんぷんかんぷんだったが、真剣な頼香に頷くとシートに座っていた。
「なにかしていたんじゃないのか?」頼香はそう言うとエンジンを始動させる。
「緊急なんでしょう?・・・だったら私も手伝います」果穂はそう言っている。
「助かるよ」頼香はそう答えると、さんこうのエンジンを始動していた。
「緊急テスト・・・基地・惑星間の通信外での連絡確保の為・・・」ドックに向かって発進理由を言う頼香に果穂は驚いて見つめる。
「頼香さん・・・それっていったい・・・」
「詳しいことは後で言うよ・・・今は時間が惜しい!」頼香は発進許可が出ると、接舷アームを切り離し最大加速でTS9から離れていった。
「テスト開始!」頼香はそう呟くとをワープ9まで速度を上げると、星系外縁には向かわず別コースで”地球”に向かった。
それからさんこうは8時間後に地球の周回軌道に乗っていた。

「はぁ・・・無茶な”指令”を出しましたねぇ」果穂は話を聞いてそう呟いていた。
「まあ・・・理由はそう言うことさ・・・」頼香は周回軌道から海面を走査しながらそう答えた。
「確かに緊急時にはこんな確認してられませんし・・・ベースになる艦の状況を”記録”しておくべきですね」果穂はそう言って艦体の”保守記録”を作成し始めた。
こうしておけば、緊急指令時の運行に問題がなくなるとの判断からである。
「助かるよ・・・俺は今のうちに”連絡確保”した証明に地表サンプル搾取の準備をしておくから」そう言って魚を探し始める。
「判りました♪」果穂は頷いて答えた。

「頼香さん・・・”証明”のためには、”海水”などが適当じゃないでしょうか?」果穂はそう言いながら探知器に映っている魚群を指差していた。
「そうだな・・・”海水”なら物的証拠になるな♪」頼香はさんこうを操り、海面すれすれまで降下させる。
「前方1200です・・・あと800・・・500・・・」果穂は距離を伝えながら、船層のコンテナハッチを開いていく。
「・・・300・・・100・・今です!」果穂の言葉に頼香はさんこうを停止させた。
「重力キャプチャON!」果穂は海面に向かって捕獲用の装置を動かした。
海面が盛りあがり、10m四方の塊のまま上昇してくる。
果穂は装置を細かく調整しながらコンテナに誘導していく。
「ふぅ・・・なんとか完了です」そう言って頼香を見ると、何か考えている風だ。
「どうかしました?」
「なぁ・・・これだけの”証拠”で大丈夫かなぁ」
「あ・・・そうですね、一箇所じゃあ問題ですかも」果穂の言葉に頼香は頷いて
「・・・コンテナはまだ三つあるから、それにもいれていくか・・・」頼香はそう言って別な魚群を探し始める。
「そうですね・・そのほうがいいです♪」果穂は別なコンテナを開いて海水受け入れ準備を始める。
それから1時間後、コンテナを満載にしたさんこうは周回軌道上に戻っていた。
「テスト完了・・・これで航路の確認はできたな」頼香は残り時間を確認しながら果穂に話掛けていた。
「でも・・・頼香さん?」
「なんだ?・・・なにか問題があったのか?」
「いえ・・・連絡は”双方”行わないとダメなんじゃないでしょうか?」
そう言いながら果穂は指先を合わせるふりをしている。
「そうか・・・きちんと伝達した事を証明しないと意味が無いな」
「そうです・・・時間が掛かって良いのなら、こんなテスト意味ないですもの」
「だよな・・・それじゃあ行くか!」頼香はそう呟くと、操縦桿のスロットルを目一杯押しこんだ!

「ふぅ」さんこうをドックに入港させると、直ぐにコンテナを艦から降ろし始める二人。
「どうだにゃ?」かわねこは心配だったのか、さんこうが戻って直ぐにドックにまで来ていたのだ。
「さんこう、帰還しました・・・これが”連絡確保時、艦体の記録”と”到達証明”です」そう言って果穂の作成した点検書と海水を手渡す。
「ご苦労だったにゃ・・・後は”ゆっくり”と休んで良いにゃ」かわねこは二つを受け取ると司令室に向かっていった。
「後はこれをどう料理するかか」頼香はコンテナをみながらそんな事を考えていると不意に肩を叩かれた。
「え?」驚いて振り向くと、食堂のおばちゃんとにゃきゃ卯の店長が立っているではないか!
「ど、どうして?」果穂も驚いたらしく、訳を聞く事が出来ないでいる。
「なに・・・今日お休みだから散歩していたのさ」おばちゃんはそう言ってコンテナの中を覗き込んでいる(笑)
「私も・・・散歩していてにゃよ・・・」同じようにコンテナを覗いているのだ。
おばちゃんはれもから、店長はかわねこから頼まれたのだ。
理由を聞いて”TS9の為ならと”協力を約束し、ここにきたのである。
あまりに変な答えではあったけど、元の”指令”がそうだったので、直ぐに頼香は気付いたのだ。
「・・・俺達これからご飯なんだけど一緒します?・・」頼香がそう聞くと二人は頷いた。


「・・・にゃぁ・・・」みけねはため息を付きながら管制室に向かっていた。
もう少しで仕事なのであるけど、やる気が起きないのだ。
「・・・にゃんでなんだろうにゃぁ・・・」理由が判らないで(笑)独り言を言うみけね。
「おーい、みけね!」そんなみけねに頼香は声を掛けた。
「あ、おはようにゃ」そう返事をするみけねに頼香は微笑んでいる。
「なんだ〜?・・・元気ないなぁ♪」
「ほんなこつにゃいにゃ・・・いつもと一緒にゃよ」
「俺達これからご飯なんだ・・・一緒に食べないか?」
「え?」そう言われ驚いているみけね。
「たまには一緒に食おうぜ♪」そう言ってみけねの手を握ると強引に引っ張り始めた。
「にゃにゃ???」余りの事にみけねはなにも出来ないでただ頼香に引きずられていった(爆)

「にゃにゃんでぇ、皆がいるにゃぁ???」

つれていかれた部屋で、みけねはそう叫んでいた。
次の勤務で一緒に管制をする仲間がそこにいたからだ。
皆が美味しそうな笑顔でご飯を食べているのだ。
「さぁ座って」頼香はそう言ってみけねを座らせると、準備してあったお膳をみけねの前に置いた。
「あにゃ!」出されたお膳を見てさらに叫んでいるみけね。
「にゃにゃんで????」
「さぁ冷めているうちに・・」みけねが顔を向けると頼香はそう言っている。
その頼香の影では食堂のおばちゃんとにゃきゃ卯の店長が料理をしているのが見えた。
「これ・・・まさかにゃ・・・」みけねがそう聞くと頼香はただ頷いているだけだった。
「ドックオペレーター連れてきたよ♪」そう言う果穂の声と一緒に別なキャロラットが入ってくる。
「・・・ありがとにゃ・・・」みけねは小さな声で呟くと、”ねこまんま”と食べ始めていた。


「・・・第8ドックに入ってにゃ・・・」みけねはそう指示を出しながら、広域レーダーに映っている艦隊を確認していた。
「ワイアード艦隊司令から入港許可にゃ」オペレーターがヘッドセットを半分ずらしてみけねに話し掛けてくる。
「管制をこっちにゃ・・・」みけねは回線を切り替えるとマイクを繋いだ。
「TS9管制、みけね少尉ですにゃ・・・第9艦隊の駐留ポイントを指定しますにゃ・・・第一戦隊駆逐艦・・・」みけねはそう言って艦隊航法仕官に駐留ポイントの伝達を始めた。
それと同時に隣では一般船を相手にオペレーターが指示を出し始める。
多くの艦船を同時に移動し始め、TS9近隣宙域は今までになく混雑していた。
通常寄港している船の他に第9艦隊が集まった為に、いつもの倍近い艦船が集まっているのだ!
それは少しでも操艦を間違うと大事故になる事を意味している。
余りに異様と思える事に補佐官は落ち着きを無くしそわそわしているが、対称的にワイアードは落ちついている。
首席はそんな中なにも言わないまま、じっとモニターを見つめていた。
指示は一方的に艦船に伝えられている様で、スピーカーからは管制官の声しか聞こえては来ない。
しかし、その管制にどの艦もなにも言わないで整然と行動している。
TS9周辺に駐留した艦船には乱れた様子も無く、自然にそこの留まっている。
「ふむ」首席は小さく呟くと、マイクに手を伸ばしていた。

ビィビィビィビィ


突然非常事態を告げる警報が鳴り響いていた。
「なにがあったんだ?」首席はワイアードに振り向きそう質問している。
「海賊の様ですかな」ワイアードは落ち着いた声でそう、言うとモニターを指差していた。
TS9の所属艦艇が発進している状況を映しているのだ。
「中将・・・艦隊からも直ぐに艦を廻したほうが・・・」
「いいえ、この状況で艦を回頭させる事の方がよっぽど危険です」
「しかし・・・TSからの艦船だって我々が邪魔で行動なんて・・・」主席はそう言いかけワイアードは慌てていない事に気付く。
それを証明するかのようにTS9からの連絡が入っていた。
「こちらTS9管制にゃ・・・第9艦隊はそのまま移動を願いますにゃ・・・」そう言うとTS9からの艦船が正対するように艦隊に向かってくる。
その艦は速度を一杯まで出しているようで、艦影が見る見るうちに大きくなっている。
落ちつきの無くなっている補佐官とは反対に艦橋は静かなままでいる。
そして艦船は艦隊を通過するとワープに入っていた。
「あああなな・・・」もう語感を無くし座りこんでいる補佐官にワイアードは手を差し伸べながら
「”万が一”に備えるのが管制の役割ですので」と言って首席に目を向けた。

「ちょっとやりすぎにゃね」司令室で第9艦隊をすり抜けて行くのを見ながらかわねこは呟いていた。
「まぁ・・・状況がそうでしたけどねぇ・・・」れもも苦笑している。
「代理・副司令・・・艦隊司令部より入電です」オペレーターがそう言うと第9艦隊に回線を繋ぐ。
そこには連合首席が映っていた。
二人の美少女に驚いたのかひとつ咳払いをすると、じっと二人を見つめる首席。
「TS9司令代理かわねこ少尉ですにゃ」「副司令れも少佐です」
二人はビシっと敬礼をして首席を見つめ返している。
「先ほどの行為はどう思うのだね?」
「「民間船を守る事が第一です(にゃ)」」二人は声を合わせて答えた。
「ふむ・・・良い基地だな」首席はそう言って微笑むと通信を閉じていた。
翌日、ワイアード中将からも賞賛の手紙が届いていた。

「みけね、良かったじゃないか」頼香はそういってみけねの肩をポンと叩く。
「でもにゃ・・・これは皆のおかげにゃ」
「そんな事ないさ・・・いつものみけねなら同じ事さ」
「・・・でもにゃ・・・」
「気にするなって・・・もしさ、俺達のおかげだとか思うならこれから管制をしっかりやってくれな♪」
「でも・・・うち、ホントは技術所属にゃんだけどにゃ・・・」
「え?・・・そうだったっけ?」頼香の呟きに廻りにいた皆がみけねを見つめていた(笑)
そんな皆にみけねも苦笑するしかなかった(爆)



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