戻る





宇宙でひとつだけの花


原案かわねぎ様  MONDO様
編集協力  南文堂様
画  MONDO様
作:kagerou6



「はぁ」れもは私室でため息を付いていた。
彼女は考え事をしているらしく、時々天井に目を向けていた。
その彼女の手元には、今度連合で展開する”交流キャンペーン”のポスターが置いてある。
それには赤い字で”星系間交流促進の為になるような企画・アイデア募集”と、ポップ文字で書かれていたりする(笑)
「合わないなぁ」書きこんだ紙を丸めて捨てると、ポスターの字が目に入りまたため息が出てくる。
「こんなもの、もっと適任者がいると思うけどなぁ」
独り言を言いながら、紙に書いては捨ててを繰り返していた。
「あーもう!、どうしたら良いのかなぁ」
その日れもの私室から明かりが消えることは無かった。

「ふぅ」翌日、司令部に向かって歩きながら大きなため息を付くれも。
結局徹夜までしたけど、良い案が思いつかなかったからだ。
「どうしたらいいのかなぁ」
「副司令?・・・どうかしたんですか?」そう言って来栖が話掛けて来た。
「あぁ来栖さんおはよう」
「おはようございます、れも副司令・・・どうかしたんですか、独り言なんか言って?」
「あぁ・・・ちょっと仕事の事で」
「そうなんですか」来栖は仕事と言われて素直にそう言う。
「副司令ですものね・・・きっとあたしなんか想像も出来ない事なんでしょうね」
来栖にそう言われてどう答えて良いのか困ってしまうれも。
「そうだ・・・これでも聞いてみませんか?」そう言って聞いていたICプレイヤーからICチップを取りだした。
「これはあたしの星の歌なんですけど、凄くいい歌なんです♪」
「でも私に判るかしら?」ICチップを受け取りながらそう聞くれも。
「自然に聞いたら良いですよ、きっと判りますから♪」来栖はそう言うと
「あ、スミマセン。果穂ちゃんと約束があるから」と、通路を走り始めた。
「これ・・・何時返したら良いの?」追いかけるようにれもが言うと
「何時もお世話になっているから、プレゼントします♪」そう言い、角を曲がっていった。
れもはICチップを見て、そっとポケットに仕舞った。


「ふっふっふ〜〜〜ん♪」司令部に着くと、かわねこは寄港予定表を見てはしゃいでいた(笑)
「代理・・・朝からそんなだらしの無い」眠い目をこすりながら注意するれも。
「いいじゃにゃい?・・・年に一度の遠足にゃんだし」
「・・・遠足って・・・」かわねこのことばに唖然としてしまうれも。
「そうにゃ遠足にゃ♪」かわねこはそう言いながら、カレンダーにしっかり記入している。
「お昼ご飯はお子様ランチだから、プリンの在庫を確認しておかにゃいと・・・」
「そだ♪お土産はなにが良いかにゃ?・・・ポストカードとかありきたりだしにゃ?」
机から新しい本を出すと、パラパラめくり始める。
「ふっふっふ〜ん♪」と、カタログを調べ出すかわねこ。
「にゃ〜れも君・・・今流行ってにゃにゃ〜〜〜?!
れもに意見を聞こうと振り向くと、れもは愛用のオーラハリセンを振りかぶっていた(笑)
「ま、待つにゃ・・・今はまだ時間前にゃ!」手を振りながら震えるかわねこ。
「指揮官としてもっとしゃんとしてください」そう言いながらオーラハリセンを仕舞う。
「だって遠足の準備をにゃ・・・」
「だから〜、近所の惑星からここTS9を見学に来るんですよ?」そう言いながら睨みつけるれも。

「遠足じゃなくて社会科見学です!てば」

れもがハァハァ息を荒げながら言い返す。
「・・・でも小学生にゃ・・・」かわねこは平然と言い返す。
「そんな事考えてにゃいよ♪」
「考えてないって?」
「だってボクは考えてなかったにゃ♪」かわねこの言葉にれもは頭を抱えた。

「それに今日は・・・惑星アメフラードの財界の視察も入っていますよ?」れもがそう言うと、かわねこが見ていたカタログが手から離れて倒れた。
「アメフラード・・・あそこは嫌いだにゃ」ため息を付きながらそう呟くかわねこ。
「ですが・・・連合でも随一の工業力・財力があり発言は無視できませんし・・・」れももため息混じりに答える。

惑星アメラフード
惑星連合所属の星の中でも、飛びぬけた工業力を誇る惑星
星系内に多くの資源星を持ち、主星に多くの工業衛星を持っている
またテランに近いという地理的な優位もあり、連合内惑星に多くの製品を輸出していた
連合でも屈指の存在なのである
だが、なんでも金で解決させようとする姿勢に多くの星が嫌っていた

「TS1でも行っていればいいんにゃ」かわねこはそう言いながら、カタログを持ちなおす。
「あいつらの”大好きな”お金に関係あるにゃよ」
「今回の視察は、なんでも総司令部にねじ込んだとかで・・・」
「にゃ?」驚いてれもを見るかわねこ。
「最新のTSに”わが星の製品は使われているのか確認する”のだとか・・・」
「”税金を多く納めているのだから、当然だろう”・・・総司令部にそうって無理やりだそうです」
「そんにゃばかにゃ!?」
「TSでは検証して確実なものを使っているのにゃ・・・特定惑星の製品を使うのじゃないにゃよ」
「えぇ・・・ですが、彼らの言い分は違うらしくて・・・」
「おや?それってどういう意味なんにゃ?」
れもの言葉になにかを感じたのか聞き返すかわねこ。
「最近、他の製品との格差が無い事を焦っているらしく・・・事故を起こしているとの噂までありますから」
「事故?・・・それが本当なら呆れたやつらにゃ!」そう言ってため息をつくかわねこ。
「もし・・・なにか問題起こそうとするなら、海兵の投入も考えにゃいと・・・」
「そこまでは・・・ただ、気をつけておいた方が良いでしょうね」
そう言うれもに頷くかわねこ。
だがこの時の会話が現実になってしまう事を二人はまだ気付かなかった!



「「「あ〜、ねこさんだぁ♪」」」

宇宙船から降りてきた小学生がかわねこを見て叫び声を上げた!
「あはは・・・ようこそTS9へ・・・」顔を引きつらせながら挨拶をすると
「すみません・・・この子達キャロラット人見た事がないものですから」そう言って引率してきた教師が頭を下げた。
「気にしなくて良いんにゃ・・・初めての子はだいたいそうにゃんだし」
かわねこが笑って答えると、引率してきた教師も一緒に笑った。
「じゃあみんにゃ!・・・こっちから行くにゃ」かわねこはいつのまにか小さな旗を振って(笑)、小学生を誘導している。
「あんな事していると、小学校の児童会みたいですね」れもがそう言うと、教師も笑って頷いた。
「「いつもああなら良いのに・・・」」教師とれもは同じ事を呟いて、お互いに顔を見詰め合う。
「すると貴女も?」れもの言葉に教師は頷く。
「普段なんて手もつけられない程ですの」
かわねこについて並んで歩いているその様子からは想像も出来ない事を言う。
「まったくですね」
「こんな時しか、”ちゃんと仕事”してくれないんですから」
「あら、そうなんですか?」驚いている教師にれもは頷いた。
「「お互い大変な仕事してますネ」」また同じ事を言って笑っていた。

同時刻、TS9ドックに1隻の船が入港しようとしていた。
「・・・センス悪いなあの船・・・」
「あぁ、初めて見るタイプだな」
ドックで仕事をしていた職員が入港許可を出してきた船をみてそう呟いていた。
個人所有の通常タイプだが、服飾がされネオンが光り輝いている。
”成金趣味丸だし”職員は口にしないまま、船に許可を出していた。
「第6ドックに入港して下さい」
「こちらアメフラード、ごーるどべん2世・・・一番高いドックかそこは?」
相手がそう言って騒ぎ出してきた。
「いえ・・・普通のドックですが?」
「とにかく一番高いところだ!」相手はそう言い、話を聞こうともしない。
「隔離したほうが・・・皆の為か」
職員はため息をつきながら、特別ドックに入港指示を出した。
「あの・・・入港手続きがまだですけど・・・」停止し降船した人に職員が近付いて話しかけると
「はぁ?・・・あの船が判らないのか???」手を振りながら一緒にいた連れに
「やっぱ、田舎じゃあだめだなぁ」と騒ぎ始めた。
「新TSと言っても”田舎!”だからな」隣の同僚もそう言って笑う。
その言葉に震えながら職員は聞いていた。

「おい、司令部に俺達を連れて行け」
男がいきなりそう言い出した!
「え?・・・なにかありましたか?」
「連れて行けと言っているだろう?・・・早くしろ!」男は職員の対応が気にいらないのか、顔を赤く変えはじめていた。
「こちらでの受付ですので・・・司令部には指示書がないとお連れ出来ませんが?」
男とは対称的に冷静に答えている職員。
「おい、指示書なんかどうだっていいんだよ!」
「いえ、規則ですので・・・お連れ出来ません」
「キサマなんか首に出来るんだぞ・・・早くしろ!!」
「”不適格”ですので、入港を遠慮ください」
「なんだと!?」
「貴方々はこのTS9・公共施設を使用する資格が無いと言っているのです」
「てめー!」男はそう言い職員に向き直ると、制服の胸に手を伸ばした!
黙ってそれを見ている職員。
「俺たちゃ・・・キサマなんか」ネクタイを引っ張り、吊るし上げようとでも言うのだろう。
「どうせなにも出来ないでしょう?」
職員はわざと煽るように言い、じっと相手を見つめる。
「てめぇー!」男は職員のネクタイを握り引っ張った!

「あぁ、いじめっこだぁ!」

脇のドアから見学に入ってきた小学生が、その瞬間を見て指差した。
「おいガキ!・・・なに見てんだ?」
男が一人、小学生のほうに歩いていく。
子供達は男に怖くなって、一緒にいたれもの後ろに隠れた。

「今言ったガキ出しな!」男はれもにそう言って睨みつける。
「なんのことか判りかねますが?」れもは相手にしないで惚けて答えると、子供達を整列させている。
「さっき俺たちの事をバカにしたやつだ!」れもを無理やり振り向けせると、制服に手をかけそう言った!
「汚い手で触らないでくださいね」れもは優しくそう言いながら、相手の手を捻る。
「うっ」手を捻られ身体を傾けた相手を軽く足払いをする。
「「「あっ」」」
見ていた者が驚くほどきれいな円を描いて男は投げられていた。
「あれ?」男は自分が何をされたのか気付かないで床に倒れたままだった。

「ほぉ、さすがに”軍人”さんだね」脇で見ていた男が手を叩きながられもに近付いてきた。
「鮮やかだねぇ・・・このバカをケガさせないように投げるなんて」
「でも、まだ若いね・・・”一般”に手を出す”軍人”だったとは・・・」
「え?」
「あいにくマイクが”壊れている”が映像は記録できるのでね」男はそう言いながら胸から小型カメラを取り出した。
「一般人に手を出した軍人・・・雑誌社が喜びそうなネタだね」いやらしく笑いながられもを見つめる。
「くぅ」相手の言葉にれもは”嵌められた”事に気付いた。

一般が利用するといっても、TSは基本的に軍事基地!
一般が内部で暴力事件を起こす事は、軍人を相手にする事になるからだ。
戦闘力など比較する事も空しい相手を。
だが軍人が手を出した場合は違ってくる。
弱いもの・・・その事が逆に強い立場になるからだ!
相手の策略に掛ったれもは、倒れている男を見ながら空しさを感じていた。

「まあ、こいつも問題があったわけだから・・・」
カメラを持て遊びながら男はれもを見つめ
「俺達のいう事を聞いてくれたら、この件はナシにしても良いぜ?」そう言ってれもの肩に手を置き引き寄せる。
「どうだい?・・・一晩俺達と・・・」にやけた顔でれもを見つめた。

「その手を離すにゃ!」

れもを掴んでいた男を、持っていたオーラハリセンで叩き伏せるかわねこ!
「な、何をする!?」
「何をする?・・・ふざけた事を言うにゃ!」オーラハリセンを持って睨みつけるかわねこ。
「ここをなんだと思っているにゃ?」
「なんだと?」話しているうちに落ちついたのか、相手が少女だったからなのか判らないが、起き上がりながら相手を見つめる。
「お前みたいなガキが何を言っている?・・・俺はそっちのねえちゃんに用があるんだ、どけ!」
「TS9代理として・・・お前達を”犯罪者!”と認めるにゃ!」
ビっと指差すかわねこ。
「よって速やかに出ていくにゃ・・・」

「そ、それがどうした」相手はかわねこを見ながら笑っている。
「俺はアメフラードの名士だゾ・・・TS基地司令なんかと比べ物にならん程の力があるんだ!」
「なんにゃと?」
「お前なんか俺の力で、代理から放り出してやる!」そう言って床につばを吐く!
「言いたい事ははそれだけかにゃ?」
かわねこの持っているオーラハリセンが見た事も無いくらいに輝き始めている!

「TS9を汚す者は許さないにゃ〜」掛け声と同時にかわねこがジャンプして空中を舞い

「お仕置きにゃ〜!」と、ハリセンを振り下ろす!
「だ、代理・・・やり過【ドゴーン】・・・」

れもの声はハリセンの音にかき消されてしまった。
悪者は床にめり込んでいるハリセンに身体を震わせていた。

「おおおおれたたたちに・・・」しゃべる事も満足に出来なく、立っている少女の行動に恐れをなしていた。
「出ていくにゃ!」
かわねこがそう言うと、男たちは這えずりながら宇宙船に戻っていく。
「2度と来るんじゃにゃい!」
男達はかわねこをちょっと振りかえると、よたよたエアロックを閉じた。

「さ、見学の続きにゃ♪」かわねこは振りかえってそう言うと、小学生をまた引率し始めた。
「ああいうのはいけない大人にゃんよ、ああなっては駄目にゃ!」
「「「はぁーい!」」」
さっきの事をずっと見ていた小学生が、かわねこの言葉に元気に答える。
「このドックには・・・・」入港している艦についてかわねこが説明を始めると
「”さんこう”ですね」と答える子がいる。
「良く知っているにゃね・・・そうだにゃ」と、かわねこ。
「ぼくも将来は連合に入りたいんです」
「きっと入れるにゃ・・・頑張るんにゃよ?」声を掛けたかわねこにその子が頷いた。
「ぼくも!」「あたしも!」
それを合図にしたのか、かわねこを見たまま言い出す子供達。
「・・・みんにゃ・・・」
「「「代理さんみたいな人になりたいんです」」」
「ありがとにゃ・・・」小学生の言葉にかわねこは俯いて呟くだけだった。
「次は楽しみのごはんにゃ!」そう言うとラウンジに向かって歩き始めた。
一緒にお子様ランチを食べ、小学生とわいわい楽しんでいるかわねこ。
”代理、無理してる”れもはスプーンを持ったまま食べずにずっと見つめていた。
「さぁ・・・元気に勉強するんにゃよ」宇宙船に乗りこむ入り口で一人ずつ握手しながら声を掛けている。
「また・・・来て良いですか?」
「はいにゃ!歓迎するにゃよ」
最後の一人が乗りこむまで、ずっと手を振り見つめている。

「今回の事はボクの責任にゃ」
宇宙船が出ていって、かわねこがそう言い出した!
「一般に手を出したのも、全部そうにゃ」
「代理、それは違います!」れもはそう叫ぶと一緒にいた職員に振りかえった。
「どう考えても悪いのはあいつらです・・・代理が責任を感じなくても・・・」
「それは違うんにゃ・・・”副司令”」
いつもの”れも君”と言わずに”副司令”とかわねこは言った。
その言葉にれもは悪い予感を感じていた。
「犯罪を起こしたわけじゃにゃいし、それを立憲しているのでもないんにゃ」
「ボクは・・・感情のままに・・・」
「・・・代理・・・」
かわねこは廻りの人を見渡すと、肩の階級章を取り外した。
「「「代理!」」」その行為に廻りで見たいたもの達が驚いて声を出した!
「君達には迷惑をかけるかもしれないにゃ・・・でも、あの場合は仕方なかったにゃ」そう言って”一般の利用者”に頭を下げる。
「そんな・・・自分達は迷惑だなんて」
「代理と同じ気持ちですから」
廻りで事の全てを見ていた者がそう言っていた。
「何様だと思っているんだか?」
「あぁ・・・俺は輸送協会に今度の事を報告してやる!」
「俺もだ・・・エネルギー協会に伯父がいるから今度の事は協議に・・・」

「皆待つにゃ!」

個人々々言い出し始めた中で、かわねこが大声を出した!
「「「代理」」」皆がじっとかわねこに目を向ける。
「気持ちは嬉しいにゃ・・・でも、そんな事をしたら皆が大変になるにゃ」
「俺達の気持ちを代返してくれた代理をこのまま・・・」一人がそう言いだしたが、かわねこは手を出して遮った。
「その気持ちだけで十分にゃ♪」
「「「代理・・・・」」」
「でもボクは軍人として責任を取らなきゃ行けないにゃ」そう言うと顔を上げて廻りをじっと見つめている。
「ありがと・・・ぜったい皆の事忘れないにゃ」そう言うと自室に向かって歩いていった。

「まさか代理・・・このまま辞めるつもりじゃあ」一人がかわねこの様子にポツリと呟いた。
・・・辞める?・・・不意に”責任を取る”と言ったさっきの言葉が浮かんでくるれも!
「かわねこ代理関係の回線は全て遮断して!」れもは廻りにいた皆にそう指示を出した。
「副司令・・・それって・・・」
「万が一・・・あってはならない事を防ぐ為にです」
れもの言葉に周り中が頷く。
「第9方面軍司令ワイアード中将に今回の件を連絡しておいて」
「判った」一人がそう言い走り始めた。
「あと・・・誰か・・・」独り言を言いながら考えているれもは、ふと昔の仲間を思い出した。
「そうだ、あの人なら」れもはそう呟くと、自室に向かって走っていた!

「連合情報部2課を」息を切らせながら自室に戻ったれもは、ビジフォンの回線を総司令部に繋ぐと元いた情報部に回線を廻すように頼んでいた。
「こちら2課です」
「TS9、れも少佐です・・・ジューダイン中佐はいらっしゃいますか?」
「お待ちください」相手はそう言うと待機音が聞こえてくる。
「替わりました・・・ジューダインですが・・・」
「先輩・・・れもですけど・・・」挨拶もなしにいきなり話し出すれも。
「君か・・・久しぶりだね」相手は急いでいるれもとは対称的におっとりとした口調で話している。
「今日連絡したのは・・・」
「まあ、待ちなさい・・・冷静な君らしくないよ」相手は笑いながられもを嗜めている。
「そんなんじゃあ”大切な事”をダメにしてしまうぞ♪」
「・・・ハイ・・・」ジューダインの言葉に、自分が落ち着いていなかった事を理解して驚くれも!
・・・私は代理の事で焦っている・・・
いつも困らせてばかりの代理、だけどいつのまにか自分の拠り所となっていたのだ!
それが落ちつきのない行動になってしまった事に、自分でも驚いていた。

「・・・先輩、私は今冷静な判断が出来てないかもしれません・・・」れもは今日の出来事をそのままジューダインに話していた。
「ですが、少尉はTS9になくてはならないんです!」
「そうか良くわかったよ」ジューダインはそう言って穏やかな声で話していた。
「君をそこまで変えてしまうとは・・・TS9良いところなんだろうなぁ」
「先輩!」
「まあ怒るな。素直な感想を言ったまでさ」そう言って笑うジューダイン。

「だが、いくらアメフラードでも行き過ぎだな・・・その行為は・・・」さっきまでと違って冷たい声で言う。
「”あの噂”と関係あるのかもしれんな」と呟くと、後になにやら指示を出している。
「先輩・・・噂ってなんです?」気になって聞き返すれも。
「今の君には関係のない話さ」そう言ってもとの穏やかな声に戻っていた。
「まぁ、ここに戻ってくるのなら教えても良いがね?」
「いえ・・・私はその気持ちは・・・」れもが返事に困っていると
「冗談だよ・・・今の君はもうここには戻らないって判るさ」
ジューダインはそう言うと、また後に向かってなにやら言っている。
「君の話は引き受けた・・・どうやらこっちの事と関連があったようだ」
「では?」
「あぁ・・・アメフラードには引退していただく」ジューダインの言葉を聞いてれもは静かにビジフォンを切った。

数時間後、連合総司令部から1枚の指令書が届いた。
自室で”謹慎”しているかわねこに代わって、れもがその指令書を開封する。
「まさか・・・こんな事が・・・」驚きながら指令を読んでいくれも。
【アメフラードの犯罪行為が確定・・・各TSはアメフラード所属艦艇を速やかに拘束せよ!】
指令書にはそう書かれてあり、その上
【かに拘束せよ!・・・発令81302.4 4−28 9:00】
最後にはそう書かれてあったのだ!
「これはあれよりも前の時間?」さすがのれももこれには驚くしかなかった!
どうやらジューダインは各方面に手を廻し、発令までを工作したようなのだ!
れもはアメフラード拘束の為にシュリル少佐に回線を繋いだ。

「先輩・・・ありがとうございました」全てが終わった後、情報部にまた連絡をして礼を言うれも。
「なに・・・いつかするはずだった事がチョット早まっただけさ♪」そう言って答えるジューダイン。
「なに、君を明るくしてくれた”人”へのささやかなプレゼントさ」
そう言うとジューダインは回線を切っていた。
「・・・プレゼント・・・」ジューダインの言葉にポケットに入っていたICチップを見つめる。
「今日は色々な人からプレゼント頂いたわね」れもはそう呟くと、ICチップをプレイヤーにセットした。

イヤホンから曲が流れだし、それに合わせて歌が始まる。
♪〜♪♪〜〜♪〜♪♪♪!
その歌は派手ではないけど、なぜか心に染み込んでくる。
「来栖さんの言っていた通りね・・・これステキだわ」れもは聞き終わるとレコーダを見つめていた。
「この詩・・・聞いていると大切な事を思い出せそう・・・」独り言を言いながらまた聞き始める。
♪〜♪♪〜〜♪〜♪♪♪
耳に流れてくる曲にいつのまにか指でリズムを取っていた。

今日一日の事が脳裏に浮かんでくる。
大変だった事や共感した事。
そして大切な事!
それら”全ての人”が、自分を大きく動かしている事。
れもは机に置いたあってペンを持つと、感じているままを書き始めた。





宇宙でひとつだけの花


夕方の夜空に輝いてる
いろんな星を見上げてる
赤・青それに緑
どれも花のようにきれいだね
明るさ・大きさが1番だなんて
どうでもいいさといいたげに
雲の上・夜空のステージで
一緒に人を和ませる


それなのにどうして人々は
勝手な事をこうもする?
星々文化ちがうのにその中で
我侭いいたがる?


そうさぼくらは


宇宙にひとつだけの花!
ひとつひとつ違う色(個性)をもつ
互いの色(個性)を汚さぬように
気遣いながら咲かせよう



自分の足元に咲いている
小さな花々もキレイだろう?
風にも雨にも負けないで
小さな花をつけている
鮮やかに香る花だけど
強い匂いとか出さないで
優しい香りをたなびかせ
一緒に人を和ませる


それなのにどうして人々は
きつい匂いを押しつける?
いろんな香りのその中で
我侭いいたがる?


そうさぼくらも

宇宙にひとつだけの花!
ひとつひとつ香るちから(調和)もつ
互いの香り(個性)汚さぬように
気遣いながら咲かせよう


夜空の星と小さな花
優しく佇んで現在をいきてる
その中にいきるぼく達だから
手を取り見つめて歩いていこう



「司令」翌日司令部に出たれもは、”職務に戻った”かわねぎ司令に詩と来栖からプレゼントされたチップを手渡した。
「これは?」
「連合キャンペーンにと考えました、確認ください」
れもの話を聞いたかわねぎ司令はその意図を察した。
それから来栖・頼香・果穂を呼んで理由を説明して、詩を渡し曲の依頼をした。
「「「あたし達が???」」」驚いてる3人に頷くれも。

数日後、TS9から一つの曲が流れ始めた。
歌っているのが美少女達とあって注目が集まったが、いつしかその”歌”を聞き入っていた。
「「「・・・これって・・・」」」
多くのものがその詩に”共感”し”互いを見つめ”あった。
そして”現在出来る事を考えて小さな”運動”を始めたのだ。
この歌のように”人の事を考えた”運動を!
そしてそれは瞬く間に連合各地に広がっていったのだ。

そしていつしか連合だけでなく他の国家に歌は広まり、影響を及ぼしていった・・・・


戻る